第74話『スキル進化』
熟練度上限の低いスキルは進化しやすい傾向にある。それを留めているのはプレイヤーの意思だ。
私はスタミナ管理のしやすさからスキル進化を行っていない1人。決して戦う気がないのではなく、大自然族特有の「間」があるからだ。物理、魔法無効って控え目に言って最強種族だからね?
魔女になってある程度のスリップダメージは弾くようになり、ゴンザの大槌さえ気を付けておけば良くなった。装備破損があるからね。
「【ウィンドジャベリン】×6!! 【ファイアジャベリン】×6!!」
「大詰めです! 王獲刃戯!!」
メインアタッカーの2人が立て続けに攻撃を加えて覚醒ゴンザを跪かせる。
そのチャンスを逃すウララでもなく、イベントスキルの神核斬で止めを刺した。サーチベリーの攻撃は惜しくも1歩届かず。
「グガァ……俺様が、負けるだと……?」
レベルが高かったわりに三下の台詞を吐くゴンザに心中で手を合わせる。独りよがりの強さは死獲の魔女共通かな? 結界は広範囲に張ってこそ意味があると人知れず思った私だ。
「討伐完了です」
「倒しました!」
「サーチベリーはお疲れ様だよ。ドロップは何だった?」
「ジィーク・ジ・オリジナルでした!」
私のドロップでは無かったけど5人のうち3人がジィーク・ジ・オリジナルを手に入れた! ハイビィはサーチベリーからジィーク・ジ・オリジナルを得てようやくアバターを動かせるようになった。
「おおっ。スキルが進化してる!」
「初期スキル縛りは止めたのですか」
「熟練度を上げてからと思ったまでだよ~。縛りじゃない縛りじゃない」
「どんな風に進化した?」
そうお餅は聞いてくる。お餅の疑問には答えないとね。
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PN:カシー
種族:大自然族
職業:垂界物
状態:ジャックの加護(中) ジャンヌの加護(中)
レベル:151
HP 121
MP 254
SP 257
筋力 257
敏捷 527
器用 167
耐久 117
知力 200
幸運 194
残存ステータスポイント 0
魔法 【パンチャーバレット】
【キリングエッジ】
【ドミネートヒール】
【万物調教】
【翔雷転移】
【ミニスターエンジェル】
スキル シャフト
ブランクダッシュ
フルスイング→フルスイング・改
アルティメットライズ→エアキック・ライズ
ムスペルシュート→スピアダンシング
ターボスパイク
星逸斬り→宙逸斬り
圧杖撃
月脚磁界
フィニッシュソウル→ゾーンソウル・マスター
テンタクルヴェール→ウルティマヴェール
ブランソレイユ→ポイズンルーラー
ウィングルーラー
スモールターゲット
ジャジィープロテクト
マナストライカー
呪い耐性
氷耐性
石耐性
伐採
栽培
調教
料理
採掘
装備 死獲の魔剣 シャフトラインドレス・改(+10) 火神守護紋 王竜騎噴脚 王竜騎膨腕(+6) 三付華の帽子(+10) 転移せし遺蹟人形 魔法の世界箱 王獣の夕闇を併せる牙
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アクティブスキルは4つ、パッシブスキルは3つ。
スキル進化が起きて、スキル効果が変わったのは4つ。
エアキック・ライズは空中ジャンプを可能とするスキルでも平行移動は出来ないタイプ。万能スキルじゃないのがミソ。
スピアダンシングは槍限定の投擲スキルで、ムスペルシュートよりも効果が限定される。威力は微増。
ゾーンソウル・マスターは攻撃範囲を拡大するスキルで、スキル攻撃も有効なことから全体のダメージ増大を見込める。
ポイズンルーラーはSPの代わりにHPを、MPの代わりにHPを消費するスキルでかなり癖がある。オフにしておかないとスリップダメージとなって死ぬ。三付華の帽子があってこそのパッシブスキルかな?
三付華の帽子は神核結晶で強化してある。HP、MP、SPの自然回復を促すリジェネ効果は高まっているわけだ。
殆ど無敵のように思えるけど、まともに攻撃を受けるとボディーの転移せし遺蹟人形が駄目になる。
「大自然族って不遇ですよね? 2人はどうして選んだんですか?」
「始めるのは誰でも簡単だからだよ。カビの生えた種族だと思ったよね~」
「カビの生えた種族は変わらずだよ」
私たちがカビの生えた種族ならゴボーラは蟻だ。第6聖騎士団は働き蜂かな? そうなるとウララは神になる。
ゴンザを倒したその足で世界樹のあるエルフの森に。エルフの森は聖域として崇められており、王竜ヴァルハルリカの縄張りにあるため、葉から幹までまっピンクに染まっている。
「「うわぁ!」」
世界樹も例外ではなく白桃色の美しい樹木だった。
「これがエルフの里の世界樹!」
「正に桃源郷」
「王都襲撃でよく守られましたね」
プレイヤーが集まって里の防衛に尽力したのは目に見えて分かった。生き生きとしたエルフたちが里の広場を行き交っている。
「如雨露で水を上げてクラン結成だよ!」
「ヴァルハルリカのお膝元ではっちゃけるクランです!」
「違いますよ。迷宮攻略をするクランです」
マップアイテムを集めやすくするという計算もある。結構苦労するのがマップ情報の伝達だからね。頭角を露わにする大手クランだとマップ情報を出し渋るのでプレイヤー間ではあまり取引されない。
連盟の如雨露で世界樹に水を与えると、ウララにクラン結成クエストが出てきた。
「やっぱりカシーかお餅がやった方がいいのでは?」
「ワールド情報だし水晶頼りでいいよ」
「水晶を頼るのが間違っていると言いたいです!」
「ええっ!?」
水晶を頼るのが間違い!? そんなことないよね!?
「カシーは水晶に頼り過ぎてるよ。何の慰めにもならない情報だよね?」
「ネタアイテムじゃないって! ワールド情報に繋がってるの! 何度言えば分かってくれるかな!?」
「ジィークの件といい魔女ギルドの件といい役に立ってないよ」
死なずの大地にいるゴンザはファインプレーだったよね? そんな水晶売ってしまえと言う2人は酷いんだよ!
「カシーに任せるのは心配です。お餅にお願いします」
「私も水晶を手に入れるとテンションが上がるかも」
「……私しかいないのですね」
遠慮しつつも結局はクランリーダーを務めることになったウララ。
クラン名はジュゲム攻略団だ。私はジュゲムのことすっかり忘れてたよ。ウララは賢いなぁ。
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