第二十六話『夢の回復職』
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PN:カシー
種族:大自然族
職業:魔女
状態:ジャックの加護(中)
レベル:62
HP 57
MP 131
SP 130
筋力 123
敏捷 148
器用 85
耐久 54
知力 115
幸運 128
残存ステータスポイント 0
魔法 【パンチャーバレット】
【キリングエッジ】
【ドミネートヒール】
スキル シャフト
ブランクダッシュ
フルスイング
アルティメットライズ
ムスペルシュート
フィニッシュソウル
テンタクルヴェール
ブランソレイユ
ウィングルーラー
スモールターゲット
呪い耐性
伐採
栽培
装備 祭壇の大斧(+10) シャフトラインドレス・改(+10) 火神守護紋 王竜騎噴脚、王竜騎膨腕(+6) 三付華の帽子 姿写しの遺跡人形
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墳塞下流域を探索してレベル62に上がっている。
スキルはテンタクルヴェールと新たに獲得したウィングルーラーとスモールターゲット以外は熟練度を解放済み。
シャフトとブランクダッシュ、アルティメットライズは最大熟練度10000。
フルスイングとムスペルシュートは最大熟練度1000。
フィニッシュソウルとブランソレイユは最大熟練度500。
パッシブスキルや生産スキルは熟練度500が標準。
シャフトは生産スキルと考えるプレイヤーが根強く、機動スキルとしての価値は存在しないのが一般論だ。ミスリルゴーレムに魂を売った大自然族が哀れだよ。
ウィングルーラーは走行時と飛行時の敏捷補正で跳躍モーションにも効果がかかる。
スモールターゲットは投擲時の命中率アップ。投擲武器全般にも効果がある。
二つともレベル50を皮切りに獲得するステータス上昇スキルだ。スモールターゲットは器用補正になる。
「王竜騎噴脚でフルスイングは正義だよ」
「パゾースがいてくれて助かりますね」
「これで鉢植えには困らない」
火神守護紋はフィールド探索中に製作された。
ピュアリザードのポップしてくれるマップの北側に野営地を拓いて、ダーウィンナッツの木を植える鉢植えまで作っている。時間があれば煉瓦を焼いて簡易拠点を造れるんじゃないかな?
鉢植えの材料はコークスリザードの尻尾だ。
尻尾に栄養を蓄えて冬を越すコークスリザードは尻尾に旨味が凝縮する。肉は硬くて食用には不向きだけど尻尾は案外いけるらしい。ピュアリザードの肉があるから全部鉢植えにして貰った。
尻尾繋がりでレッサーデーモンの尻尾を強化素材にして鉢植えが量産された。
嵩張るアイテムだけどジャック・ザ・ポーチがある。
ミスリルゴーレムの核で強化したところ収納枠が増えたのでウララは便利に使っている。ロマン武装の王竜騎膨腕よりもジャック・ザ・ポーチを強化するべきだったとはウララの言葉。
伐採スキルで薪割りをした私は、ウララとダーウィンナッツの苗探しを行う。
苗の状態だと持ち運びは楽になる。
墳塞下流域にはダーウィンナッツの苗と瓜二つの苗木が二種類あって、葉や根の状態を調べないと区別が付かない。
役割分担しようと私とウララは苗を集めるだけ集めて鑑定作業をお餅に任せている。
レッサーデーモンには好みがあるようで、ダーウィンナッツの木が多いエリアは見つかる。周辺にはダーウィンナッツの苗があるので見つけ次第鉢植えに移していく。
「マップの境界ですね」
「やっと下流域を抜けたんだ。妙に涼しいような」
「魔法雪原です」
墳塞下流域に乗っかる魔法雪原に足を踏み入れると雪に埋もれていたピュアリザードが逃げ出した。
願いの大地で見かけたレベル1個体だ。適正レベル50未満のフィールドなんだろうか?
「回復魔法の出番が全然ないよ」
「誰か逃げてきます」
言った側からこちらに向かってくる人影が見えた。カーソルはNPCだ。
「うぁあああああああっ!!」
「メ゛ェエエエエエエエエッ!!!」
「……王竜の眷属?」
ピンクの体皮に羊のような鳴き声。
体長十メートルオーバーの巨体が雪原をうねりながら魔導師の少女を追っていた。
ヴァルハワーム。レベル125。
ヴァルハコングを産み出す母体なのか……これと言って共通点はないけど、王竜ヴァルハルリカの眷属獣だ。どういうわけか隣接するフィールドから現れた。それともヴァルハコングは墳塞下流域のモンスターじゃない?
「きゃあああっ!?」
「糸を吐いた! イソギンチャクの仕業!?」
「魔法は効きにくいですか!」
斬撃はよく効いたよね! 攻撃力2000の威力をとくとご覧あれ!!
「って、人が埋まってるぅ!?」
「任せてください……!」
体表に埋まった騎士を盾にするヴァルハワームは攻撃を食らってから回避モーションを取った。
私はアルティメットライズで跳躍して少女を捕食しかけたヴァルハワームをムスペルシュートで止める。スモールターゲットの効果もこんな大きな的では発揮しない。
しかし祭壇の大斧は体表の一部を伸ばした数本の触手を切り裂いた。
「カシーは二人を頼みます!」
「分かったよ! 【ドミネートヒール】!」
ウララが救出した騎士に回復魔法を使って、糸から抜け出した魔導師の少女に押し付ける。
「あっちに走って!」
「は、はい!」
「パーティーは何人だった!?」
「五人ですっ!」
三人はプレイヤーだよね? 攻撃パターンは出し尽くした?
「ベェエエエエエエエエッ!!!」
「っ!?」
「辻ヒール!」
全身から棘を飛ばす範囲攻撃を防げなかったウララにホワイトポーションを投げる。予備動作なしで攻撃してこなかった? 怯んだようにしか見えなかった!
「王竜の看板に泥を塗りながら負けるわけにはいきませんね!」
「泥は塗ってないよ!?」
ブランクダッシュで速度を引き上げ、トップスピードでフルスイングを叩き込む。シャフト使用時はウィングルーラーがかかってくれる!
私たちが遭遇する前にプレイヤーが戦ったのにHPはほぼ全快していた。
ヴァルハルリカと似たようなドレイン攻撃を持つ。
魔法雪原のモンスターとは思えないので、レイドイベント前の特殊ポップになってくる。モンスターの動きが変わる予兆だ。イベントフィールドではモンスターの暴走が現実味を帯びつつある。
「ダメージの通りが悪くなっています! 武器系統でしょうか!?」
「ありえるね! 耐性を付けてくるかぁ~!」
「最悪、物理無効にさせて毒と魔法で押し切ります!」
「ジャックスタンなしだよ!」
「シャフトスタンだよーっ! 使わない使わない!」
ヴァルハワームはフィニッシュソウルの効果を超える速度で耐性を帯びていった。
レベル差は倍だ。
ヴァルハルリカよりは温情な眷属獣。武器耐性の強靱な毛玉にしてから調理してやろうとウララは暗に言った。
「祭壇は投げる武器だよね!」
「罰当たりですね!」




