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どう考えても、友達0ゲーマーだった俺にラブコメは難しい  作者: 鈴木君
【第二章】強気なギャルのラブコメ
31/69

3人のファン


「ってことがあってさ、酷くね? 俺けっこう頑張ったのにさ、簡単にやっぱやめるわの一言で解決されてさ、そりゃ俺だってわけわからん目標を取り下げてくれたことは嬉しいと思ったんだけどさ。お、ナイスキルー」


 ヘッドセット越しの会話、もちろん相手はばんちゃんとJILLだ。学校生活の愚痴を人生の先輩に聞いて貰っているのだが、ちゃんと名前は伏せて身バレは防いでいるはずだ。


 ──うお、また1人JILLが敵を倒した。


「だからそれは私の中で色々と葛藤があって、それが解決したっていってるでしょ何度も。hawk(タカ)じゃなくて3歩あるいたら忘れるニワトリなんじゃないのあんたは? 人の目もまともに見れないチキンだしね。あ、アーマー持ってない?」


「おいおい嘘だろ? お前はいっちゃならないことを言ったぞ、俺が視線恐怖症なのわかって、しかも協力したうえで馬鹿にするってヤバくない!? 持ち上げて落とすの?所詮俺を馬鹿にするためのネタ集めだったの?アーマーあるぞ、ほい」


「否定するとかその前にあんたのその洋画の直訳みたいな台詞なんなの? 気色悪いんだけど、どうにかなんないの? なにがお前はいっちゃならないことを言ったぞよ、あとでばんちゃんのライブ配信見直したら? 恥ずかしくて悶絶するわよ。ありがと。」


「何で君たち喧嘩しながら普通にゲームできるの? 思考回路が2つあるの?」


 とかいうばんちゃんだっていつも話しながらゲームやってんじゃん。つか実況しながらゲームやるって普通できないしな、俺も慣れるまで大変だったし。


「うっさいわね、オッサンは横やりしないでくれる?」

「たいして年かわらないじゃん! なんでそんな寂しいこというんだよ! つかさ、俺の顔出し配信にたいして2人から一言もコメントもらってないんだけどおかしくね!? 開始そうそう良……じゃなくてhawk(ホーク)の愚痴きかされて終いにはオッサンですって奥さん!」

 変にテンション上がってんなばんちゃん、まだまだ夜は深いのにオール明けのテンションかよ。間違っても俺の名前を配信すんなよな。


「今日めっちゃしゃべんじゃんばんちゃん。顔出ししてるから?」

「そうね」


 ほかに言うことあったっけか俺は考える。おそらくJILLも同じだ、俺と一緒に黙ってるし。


「「…………………」」


 ばんちゃんは宣言通り顔出し配信を果たしていた。今日も3人(トリオ)でゲームをプレイしているけどばんちゃんだけ顔出しでライブ配信だ。

 

 ばんちゃんの顔出しは結構話題になって視聴者もかなり増えて大成功したらしいけど、俺とJILLにとっては頼れる先輩であって、それ以上にイジリの対象なんだけどな。


「え? まって。それが一世一代、一念発起した俺の顔出し配信に対するコメントなの!? つかお前ら最初の見たのか!? 配信見たのか!?」


「うるさ、いい年してかまってちゃん? 救えないわね」


「成功したんでしょ? 良かったじゃんばんちゃん。もし俺が顔出し配信することになったらよろしくー」


「なにそれ絶対みてないじゃん君たち! せめて見てなくても見てる風に誤魔化せよ! まったく取り繕うともしないじゃん、なんなの!?」


 液体窒素でも蒸発しそうなくらい熱上がってるよこの人。ライブ配信するとそんなに楽しいのかな、ちょっと興味沸いてきた。


「まあ落ち着けよばんちゃん」

「きょええええええええ!!!」


 ヘッドフォンから漏れ出す狂人の叫びは妹の部屋に聞こえるじゃないかと心配になるレベルだ。


「え、うっさ!」

「あら、まだ聞いてたの? 私とっくに無音(ミュート)にしたわよ」

 こいつ危険察知能力たかいな。俺もミュート……ってどこにあったけ。


「うおうおうお! きょええええええええっ!!!」

「ヤバイヤバイヤバイって!」

「あんたのヤバイがうるさいんだけど」

「これの100倍は発狂してんだよ!」

「早く消しなさいよ」

「……………」

「……ヘッドフォン外したわね」


 ───5分後。


「ふう、やっと落ち着いたか」

「あ、戻ってきた。ばんちゃん落ち着いたならミュート解除するわね、司令塔が居ないとやりずらくってしょうがないのよね」

「ははは、確かに。全員まったく違うパーティーと戦ってんだもんな、そのおかげでキル数伸びまくってるけど」


 てかこのペースならキル数の世界記録狙えそうだな、なんか緊張してきたぞ。


「あ、今日もありがとうみのさん! ナイスパです!」


 ばんちゃんのハキハキした声がする。


「大丈夫そうね、みのさん?」

「ん?ああよくコメントくれるんだよ、配信したての頃からコメントくれてさ」

「その人私にも前からコメントくれてるわよ」


 ──ん?聞いたことある名前だな、つかそうか。


「みのって人なら俺にもコメントよくくれるな」


「「「…………」」」


「世界記録頑張って下さいってさ」

「ばんちゃんのとこ集合しよう!」

「そうね、私達のファンを失望させるわけにはいかないからね」


 まさか俺達全員を応援してくれてるファンだとは思わなかったな、ちょっと感動したし、たぶん2人も同じ気持ちだろうな。

 

 俺達は必死にばんちゃんの元を目指す。


「よっし!じゃあこれから世界記録更新しちゃいまーす!JILLは突っ込んで、hawkは上から撃ち下ろせ、俺がホローする!」

「「了解!!」」

 

 さっきまでのプレーとは大違いだ、ファンの為にという活力を得て、3人が一丸となったプロの本気はそう簡単には止められない。

 さっきまでのキルペースよりもっと早くなる。


──そして。


「よっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 最後のキルをした俺は咆哮を上げる。


「ウヒャヒャ! やったわね! 更新よ!」


 はしゃぐJILLに。


「うっし、1キルプラスされどプラス! これは神回きたぜ、マジで俺達強すぎだろ! ……うおおお! スパチャの嵐だ!! これからも頑張りまーす! ありがとう! ありがとう!」


 スパチャのばんちゃん。


 やっぱゲームは最高だ。視線に曝されることもないし、学校1の美少女にフラれたなんて現実を忘れられる。

 しかも楽しくて金まで稼げるってんだから一石何鳥だよって感じだ、ずっとゲームだけやってたいね。


 この考えはこの先も変わることはないだろうと俺は思う。

 まあでも現実もそんなに悪かない、最近はまたそんなふうに思えるようになってきた。


 それもJILLとばんちゃんのおかげだ。

  

 そう簡単に口には出せないけどな。


 ま、今日はとりあえず世界記録更新を祝って朝までフォートファイトやっちゃいますか!


 





 ここまで読んでいただいてありがとうございます。

 2章はこれで終わりになりますが、3章でも告白の杏梨視点を書きたいと思ってます。


 ちなみに3章は凛がメインです。

 

 少しでも面白いと思っていただけたなら、ブックマークや、☆☆☆☆☆をタップして評価してもらえると、やる気でます!


 引き続きよろしくお願いします。

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