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金髪と魔剣と冒険とカイルのハーレム!!  作者: オジsun
三章 魔法学院の聖女
26/58

十六 魔法コンテスト

 結局、カイルは見事、本選メンバー八人の中に選ばれた。

 更に、マリン。そして、ユウナも残った。


 ユウナはその圧倒的魔法センスで、帝級風魔法タイフーン、嵐を生み出す魔法を無詠唱で発動するという荒技に出て、しかもそれをオーランに向けて放っていた。


 マリンはしっかりと基礎の詠唱で超級水魔法メルストロム、渦潮を作り出す魔法を成功させた。

 

 そして、大本命ジーニアスは合成魔法の帝級爆炎魔法フレア、超高温の炎の玉を生み出す魔法で周囲を圧巻した。

 これには流石のオーランも舌を巻いて驚いていた。


 そんなこんなで、決勝戦。

 

 カイルはシルフィーにアドバイスを貰う。既に一蓮托生なのだ!


 「ジーニアスさんとは決勝戦......ですね?」

 「うん」


 クジで決まった対戦表を見ながらシルフィーは少し苦い顔をする。

 シルフィーとしてはカイルには、出来るだけ早くジーニアスと対戦して貰いたかったのだ。

 理由は単純にカイルの魔力が心細いからだ。

 シルフィーの魔法理論でカイルは、普通に詠唱するだけも本来の数倍の威力の魔法を使えるようになったが、それはカイルの魔力量が増えている訳ではない。

 ただ単純にカイルが魔力を使うのがうまくなっているだけだったりする。


 その半面、ジーニアスは違う。

 正真正銘の天才児の彼は総魔力量も、もはや異常と言って良いレベルなのだ。

 ユウナでさえ、ジーニアスの魔力量には足元にも及ばない。

 魔力量だけで競えばジーニアスは既に、大陸でもトップクラスなのだ。

 選ばれし者しかなれない【王級】の称号は伊達では無い。


 それでもシルフィーは三週間、付きっきりでカイルを指導してきた。

 カイルの才能の片鱗と努力の量と質を知っている。

 学院が休みの日はカイルと共に泊まり込んで指導していたりもするのだ。

 だから、シルフィーは思う。

 ーーカイルさんはもう、ジーニアスさんには負けません。


 「努力は報われます。そして、あなたの努力は私が知っています。最速を意識して戦ってください」

 「分かった......って。シルフィーは?」

 「私は......目立つ訳には行かないので、こういう催しには参加しませんよ?」

 「そうなんだ」


 カイルは少しだけ、シルフィーが参加し無いと聞いて悲しくなったが、すぐに切り替えた。

 まだ、カイルの雪辱は何も果たせていない。

 確かに、強くなった実感はある。

 けれど、それであの才能の壁を打ち破れるのかは、甚だ疑問だった。

 だから、カイルはシルフィーに


 「じゃあ、シルフィーの分まで戦うよ。俺が勝ったら俺に教えてくれた、シルフィーの勝利だしね」

 

 そういった。そして、シルフィーもまたカイルに穏やかな微笑みを浮かべるのだった。


 「.......ふふ期待していますね」


 順調に仲良くなっている二人を遠目で見詰める視線が一つ。


 「......ふ、ふふ、ふふふっ、カイルは......金髪好き......ふふ、ふふふっ。あの娘は......ハゲる......ふふふ」


 そろそろ、女の子として限界を迎えてきたユウナだった。


 そして、カイルの一回戦の相手は、茶髪ツインテールの上級貴族、ツイテール・ツテールだった。

 ツイテールは優秀な貴族の血筋で、戦闘能力もA組筆頭の一人だ。

 得意属性は土で超級まで使える。


 そんなツイテールとカイルの二人が競技場で百メトル程、距離を開けて向かい合っていた。

 

 本選のルールは対戦者を殺さなければ、どんな魔法も有りの本格魔法戦闘だ。

 決闘戦とは違い、いかなる武器の使用も禁止で、勝敗は対戦相手を気絶又は行動不能にすること。

 要するに、魔法でとことん戦いあえという事だ。

 控えには、ブロの回復魔道師(ヒーラー)も居るので怪我上等の構え。


 魔道帝オーランの戦闘開始じゃぁあーーっ! の合図でカイルとツイテールが同時に詠唱を始める。


 最初に完成させたのは一日の長があるツイテールだった。


 《土の精霊よ、鉄壁の壁で、我が身を守り給え、サンド・ウォール》


 ツイテールの発動した、魔法は中防御魔法だった。

 途端にツイテールの四方に土の障壁が造られていく。


 それに対しカイルも魔法を完成させる。


 《火の精霊よ、神速の、炎の玉で、かの者を燃やし給え、ファイアー・ボール》


 シルフィーのアドバイス通り、最速を意識して、詠唱に《神速の》を入れて、攻低級火魔法。ファイアー・ボールを発動した。


 大きさは普通の、火の玉が百メトル先のツイテールに向かって放たれる。


 「ふっ編入生、今更遅いですわ! わたくしのサンド・ウォールが防ぎょえぇええええ!!」

 

 百メトルの距離を一秒、掛けずにファイアー・ボールは通過した。

 そしてまだ、完成しきっていないサンド・ウォールの間を抜けて、油断していたツイテールの整った顔面を直撃した。


 ボカンっ!!


 ツイテールは余りの事で、生まれて初めてぎょぇえええ!! という叫び声をあげていた。

 そのまま失神。試合はカイルの勝ちとなる。


 低級魔法で【超級】ツイテールを妥当したカイルに驚愕と羨望の眼差しが向けられたのだった。

 少し前までカイルを嘲笑していた者達はもういない。

 誰もが規格外のカイルの強さに口をポカンと開けていた。


 カイルが低級魔法ではなく、中級や上級を使えばどうなるのか、A組の生徒達は期待に胸を躍らせさえしていたのだった。


 しかし、当のカイルはというと。


 (やっべっー! 今のでかなり魔力使っちゃったぜーっ! 思ったより持ってかれたなぁ。後、半分位......やっべっー! やっべっー! マジやっべっー!)


 と内心でかなりの動揺を見せていた。

 そんなカイルはシルフィーに頭を抱えられてしまう。


 「やり過ぎです.......。あれじゃ......ツイテールさんが可哀相です.......。女の子の顔は、あなたの守る対象にはならないのですか......?」

 「......っう。まだコントロールが......ごめんなさい」


 勢いでカイルを怒ったものの、カイルが素直に反省していることがわかると、シルフィーは少しそんなカイルの姿が面白く見えて来てしまう。


 「その殊勝さに免じて許します。それと......これを」


 シルフィーは綺麗な包みから一口サイズの木の実をカイルに渡した。


 「これは?」

 「食べると少し魔力が回復する【マミの実】ですーー」

 「ふうーん。ありがとう。いただきます」


 カイルは有りがたく【マミの実】を口に放り込む。

 今は少しでも魔力の回復を計りたい。


 だが、実はシルフィーの言葉はまだ続いていた。


 「ーーとても苦いので......注意してください、ね?」


 ブベェーッ!!


 この世の物とは思えない程、強烈な苦味に吐き出したのだった。

 因みにカイルが吐き出した、唾液でびちゃびちゃした実は全てシルフィーの顔にかかるという参事に......


 シルフィーはそれでも穏やかに......穏やかに微笑んだ後。

 

 「ふふ私......汚されてしまいました......?」

 「やめてください!! 洒落になってないよそれ!?」


 ブチリ!


 順調にヘイトを溜めていくユウナもまた、一回戦を勝利に飾って、二回戦カイルの相手を勝ち取っていた。

 

 そして、二回戦、カイルVSユウナ 幼なじみ同士の真剣勝負が勃発する。


 カイルとしては、久しぶりにユウナと話せる口実が出来て嬉しい半分、まだ払拭出来ない無様を晒して、軽蔑された事を思い出して、悔しさも半分だった。


 そんなカイルに試合前、ユウナは三週間振りに話しかけた。


 「カイル、忌ま忌ましいわ! 死になさい!! (私の前で他の女とイチャイチャと、許さないわ!)」

 「うっ......ユウナ......。(やっぱり......こんな程度じゃ、ユウナは認めてくれない!)」

 「叩き潰すわ」

 「......ユウナ」


 ユウナが立ち去り、絶妙に勘違いして落ち込むカイルの肩を、そっと支えるようにシルフィーが触る。

 そして、天使の様な精悍さをもって言う。


 「......負けていません」

 「え?」

 「あなたの力は、もう誰にも負けてはいません」


 シルフィーの言葉は何故かカイルの心に火を点すのだった。

 

 「ありがとう......シルフィー......頑張るよ」

 「はい......ふふっ。大丈夫です。あなたなら、きっと勝てますよ?」

 「うん。で? 何時ものアドバイスは?」


 すっかり立ち直ったカイルは、シルフィーの正確なアドバイスに期待する。

 ここまで来れたのはシルフィーのアドバイスが大きいのだ。


 「......頑張ってくだ、さい......?」

 「それ! アドバイスじゃ無いよぉおおー!?」


 とまあ、そんなことをしている間に、二回戦、第一試合のマリン対ジーニアスの勝負がジーニアスの完全勝利で終わっていた。

 

 だから、カイルとユウナの番。


 お互い。何度も剣を合わせ競い合ってきた仲だ。

 カイルは最初こそ、ユウナのプライドを傷つけないように手を抜いていたが、それも昔の話し。

 今は、カイルがユウナと戦うときに手を抜くことは無い。

 それは単純にユウナの方が強くなったから、だけではない。

 カイルもユウナもこういうときに手を抜かれる事を屈辱だと知っているからだ。


 だから二人は何時に無く真剣に向き合っていた。

 魔法勝負とは言え、二人が競い合うのは数ヶ月振り。

 カイルが勝つことは殆ど無くなったが、それでもユウナは一切カイルに対しての油断は無い。


 (カイルは凄い......わかっているわ! だからこそ私が......守りたいのよ)


 ユウナの中では凄いのは何時もカイルだ。

 例え何度ユウナが勝ち越そうと、それは絶対に変わらない。


 (本当はカイルの方が、レンジよりも凄いんだから!!)


 ......少々、過大評価だったりもするほど、ユウナの中でカイルという存在は大きいのだ。

 だからこそ、ユウナに油断は無かった。


 対して、カイルは、カイルを悩ませる天才の一員である。

 ユウナに対して少し恐怖を抱いてた。

 カイルが守りたいと、そう思う少女はカイルが守る必要が無いほど強く逞しい。

 それでも、カイルは守りたい......そして、それをシルフィーは素晴らしいと言ってくれた。


 天才だからと、言って負けるつもりは無い。

 いくらユウナが天才でも、カイルが守りたいのはそんなユウナを危険に晒すことの出来る、更に上の存在だ。


 (ライボルト......ジーニアス......俺は......もう。ユウナにだって負けられない!)


 二度の屈辱的な敗北を思い出し。自らが望む頂きの高さに恐怖を覚える。

 でも、どこかカイルはシルフィーに掛けられた言葉『あなたの力は、もう誰にも負けていません』に励まされていた。


 カイルとユウナの本気の戦いがオーランの合図で始まった。


 と、同時にユウナが素早く動き、詠唱する。

 それでカイルの狙いはつけられなくなった。


 (ふんっ。どう? カイルは低級魔法しか使えないでしょ? ちょっと狡いけど......カイルが相手だもの!付ける弱点はつくかないいと、負けちゃうわ!)


 次々とユウナの詠唱が進んでいく中。

 カイルの狙いは定まらない。そんなカイルにカイルを認めた。クラスメート達が声援を送る。

 もう、今のカイルの事をA組のメンバーは努力と力を認め、同じ高みを目指す仲間だと思っていた。


 「カイル! 中級魔法で広域を対象にすれば良いのさ!」「お前なら勝てるぞ!」「頑張れ!」


 そんな声援にカイルは汗を流す。

 そして、そのカイルの変わりにシルフィーが彼らに答えた。


 「いえ......カイルさんは......中級以上の適性が絶望的に有りません」

 「「「「え?」」」」

 「.....光と闇以外の五つの属性を使えるのと、心層操作術に長けている代わりに、広域系魔法に適性が低く.......八割以上の確率で暴発します......」


 だからこそ、シルフィーは基礎知識である、心層操作術をカイルに叩き込んでいたのだった......と。

 つらつら語ると。

 

 「その......なんだ......ガンバレ」「負けるな」「諦めたらそこで試合終了さ」


 A組のメンバーは同情の眼差しをカイルに向けるのだった。


 そんな、喧騒をつゆしらず、ユウナの魔法が完成する。

 長い詠唱の代わりに威力を高めた、ユウナ最高の水攻撃魔法。水超級魔法アクア・ドランゴン水の巨大なドランゴンを造成し意思を持ったように敵を追尾し激流の一撃を与えて捕らえる魔法だ。


 しかも水魔法だから、カイルの得意属性である火魔法に強い。

 また、ユウナはそれでも更に警戒して既に、水防御魔法アクア・ウォールを張っていた。

 死角無しとはこのことだ。


 カイルは鉄刀丸があったら......と思いかけて首を振る。

 あの力に頼っていたら強くはなれない。


 カイルは出来る事を考える。シルフィーに教わった魔法のド基礎で五つの属性魔法を好きなように改編出来る。

 ......得意属性火魔法で無ければそこまでの改編は不可能。

 しかし、ユウナは水魔法で火魔法の効力は半減。ユウナの魔力と練度からみて今のカイルの火魔法をどんなに改編しようと突破は無理。

 

 ならば出来ることは......一か八かの中級魔法!!


 『カイルさん!! 二度と中級魔法は使っては行けません。約束してくださいね?』

 『......うん』


 そこで、カイルはシルフィーの前で盛大に暴発させた事を思い出していた。

 その時、血まみれのカイルをシルフィーは泣きながら治療し、そう懇願してきたのだ......

 その約束を......破るわけにはいかない。シルフィーは俺に希望を与えてくれた人だから!

 そう思いカイルは中級魔法での対処を捨てた。


 何もかも通用しない......圧倒的な実力差......これだ......これを俺は越えないとだめんなんだ。


 ドブプン。


 しかし、カイルは水竜の牙に捕まってしまう。身体に飲み込まれ窒息する。

 意識が飛べばそれでカイルの敗北になる。


 ーー勝てない......のか? 才能の前には努力は無意味なのか?


 諦めかけたその時。カイルはジーニアスと目があった。

 そして、思い出した。ジーニアスが一番最初にやった事を。

 更に、魔法とは心の具現化であることを。


 カイルは水の中で適当に手を伸ばし詠唱する。


 《火の精霊よ、水を越える炎の玉となりて、かの者を追尾し、燃やし給え!!》


 カイルは想像する。水の中でも燃える炎を、カイルは想像する、敵を自動で追い詰める炎を!!

 カイルの才能、心層操作術と三週間もの間ひたすら続けた改編魔法技術によってカイルの低級魔法は新たな境地にたどり着いた。


 水の中でボワット炎が燃え上がる。

 物理的に有り得ないがその炎は明らかに水を燃料として燃えていた。

 

 「なんだあれ?」 「水を燃やす炎!?」 


 その異様な炎にざわざわと騒ぎ出す中。ユウナは更に風の防壁を追加して防壁を固める。


 (カイルならこれくらい当然だわ!)


 ユウナの表情は何処か嬉しそうになっていることに、ユウナもカイルも誰も気付かない。

 ユウナの水竜の水を燃やし尽くして膨脹したまま、炎の玉へと形を変えてユウナ目掛けて自動で動いた。

 

 ユウナはそれにカウンター魔法で数度、風や水の魔法を打ち込むがそれは炎の火力をあげるだけだった。

 逃げ回るユウナを炎の玉が追尾する。

 そこで......カイルはユウナの身体を捕まえた。


 「っ!?」


 炎の玉に気を取られすぎていたユウナのミスだ。

 カイルは逃げようとするユウナの身体をガッチリ抱きしめる。


 すると、もう......ユウナはパニックに陥った。


 「えっ......ちょっ! カイル!? そんなぁっ......あぅ......今はぁ......うあ......ぅ」


 恋する思春期の少女はしもどろになる。

 そんなユウナの心境をつゆしらない、カイルは


 「ユウナ......降参して。ユウナを怪我させたくない」

 「......っ!」


 普通にユウナに降参を求めていた。

 それでユウナも冷静になってから、ため息を一つ。


 「分かったわ。どうせこの体たらくじゃ、負けたも同然だもね。......降参よ。カイルの勝ちよ」

 

 

 ユウナの降参宣言と同時に火の玉を消して、ユウナとの戦いが終わる。

 するとユウナがクルッと回りカイルを逆に強めに抱きしめた。そして、


 「やっぱり......カイルは強いわね。尊敬するわ」

 「っ!?」


 カイルにとって一番、嬉しく、求めていた言葉を言った。

 そうして、ユウナは鼻を鳴らしてから、さっと離れて、カイルに人差し指をさした。


 「でも! 次は負けないわよ! 私が必ず勝つわ(......そして、カイルを守るわ)」

 

 そう宣言するのだった。

 カイルはカイルで、ユウナにいう。


 「......ああ。次も負けないから (ユウナにもっと尊敬されたいから)」


 こうして、二人は背を向けた。

 その直後、ユウナはマリンに、カイルはシルフィーに抱き着かれるはめになるだった。


 二人の健闘を讃える拍手は長い間なり止まなかった。

 

 

 壮絶だった編入生達の魔法戦が終わり、興奮冷め終わらぬ中、控室に戻ったカイルに贈られるのは称賛の嵐だった。


 「凄いぞ!!」「君ならジーニアスにも勝てるさ」「次も頑張れ」


 カイルの努力を知っているのは、シルフィーだけでは無かったのだ。

 一人、夜遅くまで三週間ひたすら魔法に打ち込むカイルの姿。

 そして目的、編入初日にズタボロに負けた、ジーニアスへのリベンジ。

 それを、A組の生徒達は知っていた。

 そして、努力という『事実』と、決勝戦にまで勝ち残ったという『結果』で、生徒達はカイルの評価を百八十度変えていたのだ。


 もう、カイルを笑うものは誰も居ない。

 そして、カイルが雪辱を果たすその時を、生徒達は望んでさえ、いたのだった。


 そんなカイルに、白い天使の様な少女が飛びついた。

 ふわん.......カイルの知る、どの感触よりも心地好く柔らかい感触が、ぎゅっとカイルを抱きしめた。


 「必ず勝つと.......信じていましたよ?」

 「あ、ありがとう.......」


 カイルがシルフィーの行為にどうしたもんかと、わなわなと手を動かしていると。

 シルフィーはそっと離れて何時もの穏やかな微笑みを浮かべた。


 「ふふ.......駄目ですね.......。笑いが止まりません。ふふっこんなに.......爽快な気分は久し振りです」


 ギロリ。


 学院の白天使シルフィーと良い雰囲気のカイルに、哀の男達からの鋭い視線が突き刺さる。

 先程までの、カイル歓迎ムードは無くなり、カイル地獄送り計画を立てはじめる生徒達.......。

 そんな黒いオーラを発する男達に混ざり、一番ドス黒いオーラで、哀の男達すら震え上がらせていたのはユウナだった。


 「.......禿げる.......ハゲる.......ハゲさせる.......ふふっ.......ふふふっ.......ふふふふふふふーーっ」

 「あわわわ.......」


 狂った様にぶつぶつ、呪詛を吐きながらケタケタ笑う、ユウナはなんか色々台なしだった。

 

 ((((あんなにすごかったのにーっ!!))))


 周囲の心が奇跡的に一つになった瞬間だった。


 

 魔道王ジーニアスVS編入生カイルの決勝戦は少しだけ、時間を置いて行う。

 これは、連戦による魔力消費を回復する為の時間だ。


 その時間でカイルは【マミの実】を噛んで、強い苦味に顔を歪めながらシルフィーやA組の数名と作戦会議をしていた。

 ユウナも行きたかったがカイルが、友達を作ったという事が嬉しい親心で遇えてそこには近づかなかった。

 マリンもまた、たまに壊れるユウナの傍から離れる事はしなかった。


 「カイル! あの魔法は何なのさ~」

 

 そこで話題に上がるのはやはり、カイルが最後に使った水をも燃やす炎の魔法についてだ。

  

 「何なのさ~って、言われても.......何なのさ~?」


 割と最初からカイルの事を応援していた、A組の男子、無駄にイケメンのカーキの口調を真似てカイルはおどけて見せる。

 因みに普通にわからないだけだったりする。

 

 「あれは.......既に改編魔法ではありませんわ」


 驚愕!! というようにカイルと本選一回戦で戦った、ツイテールが言う。

 何故かちゃっかりかりカイル応援団に加わっていた。

 けれど、A組トップクラスの頭脳は伊達では無く、カイルの魔法に一つの答えを示した。


 「.......特殊魔法.......ふっまさか.......、ありえませんわね」

 

 一度、言葉にしてからツイテールは特殊魔法の特殊性からありえないと言ってしまう。

 が、そこで、


 「いや! アレは特殊魔法じゃ!!」

 

 学院長オーランが急に現れてそういった。

 息を呑んで「ありえませんわ」とか「凄すぎるのさ」とか言っている、ツイテールとカーキを前にカイルは一言。


 「特殊魔法? って何?」


 と、言ったのだった。


 「.......特殊魔法。固有魔法とも言われるその魔法は、血筋や精霊契約、個人の魔法適性によってのみ特殊な魔法が発動する魔法です。.......カイルさんの水を燃やす魔法はおそらく、カイルさんの特殊な魔法適性から来ているものだと思います」

 「おお!! シルフィー。解りやすい説明ありがとう.......契約、ね」

 「いえ.......特殊魔法は少し興味があるので丁度調べていただけですよ?」

 

 殊勝なシルフィーだったが、今の説明でカイルも特殊魔法を理解した。

 そして「ある」事を思いつく.......がそれは置いておく。


 「で? オーラン学院長。俺のあの魔法はなんて言う魔法なんですか?」

 「うむ.......ワシがまだピチピチギャルと毎晩の運動を欠かさずしていた頃.......の事じゃ」

 「.......」


 誰しもがオーランの前置きに『今の必要無いだろ!?」と思っていたが、遇えて誰も突っ込まなかった。

 それに、オーランは悲しそうに「詰まらん奴らじゃのぅ.......」といって、何も無かったように語り出した。


 「水を燃やす炎を操る魔道帝がいのう.......そうさのう.......確か名前は「(ほむら)」と呼んでいた気がするのう」

 「焔.......」


 カイルは小さく復唱した。それを聞いたシルフィーが。

 カイルの手をさっと握って言う。


 「.......その力どうか使わないでください.......。そんなもの無くてもカイルさんはジーニアスさんに勝てますから.......っ」


 シルフィーの必死さにカイルは少し黙考してから、


 「うん。使わないよ。そもそも詠唱も分からないし.......」

 「本当ですか?」

 「うん.......焔は使わない」


 カイルの言葉を聞いてシルフィーほっと息をはいていた。

 そんなシルフィーの様子に首を傾げるが、それよりも、オーランが致命的な事を言う。

 

 「ワシもあの魔法を使う事を禁止する為にきたのじゃ。焔の魔法はあらゆるモノを燃やして永遠に燃えひろがるからのう。術者以外に消す方法が無い危険な禁忌指定魔法じゃ」

 「あらゆるモノを燃やす? っけ!」

  

 禁忌指定魔法とは、余りにも強力で世界環境を変えてしまう様な魔法が指定さている。

 その多くは、帝級以上の魔法なのだが.......カイルの場合は魔法属性そのものが禁忌指定を受けいるのだった。

 因みにこの禁忌指定をしているのは、シルフィーよろしくの、ミリス教団だったりする。

 もしも、犯せばカイルはミリス教団に異端認定されて、異端審問会にかけられた後処刑されるであろう。

 よしんば、逃げたとしても、ミリス教、特務機関の大司祭直属【断罪者】や教皇直属【制裁者】等のエリート暗殺機関に追い回されるハメになる。

 これは、子供でも知っている事だ。


 呪い持ちを不吉だと騒ぐのもミリス教だったなと、オーランの説明を聞いて途端にカイルは不機嫌になる。

 しかも、カイルの知っている中で一番、嫌いな男が使っていた能力に似ているという惨事。


 「.......と、言うか俺.......そういう使えないモノばっかりだよ.......」


 使えば命を削る望叶剣。使えば異端にされる焔魔法。

 少しばかりカイルが頭を抱えるのを誰がせめられようか?


 「まあ.......良いや。それなにより今は、ジーニアスだ」


 それでも、カイルは前を向いていた。

 それは先のユウナとの戦いで言われた言葉『尊敬するわ』がカイルにメラメラと闘志を与えて居るからだ。

  それと.......


 「ジーニアスを倒せる.......って、俺の代わりに信じてくれてる人も居るしね」

 「はい。私が貴方の代わりに信じます.......と言っても、今のカイルさんには必要無いかも知れませんね。.......貴方はもう壁の上を見上げてますから」

 「いや.......どうせなら登るまでは付き合ってよ」

 「不肖の身ですがお供しましょう.......ふふっ.......告白です、か?」

 「断じて違う!! .......告白だったら?」


 俺は金髪一筋だ!! と反射的に否定してから、カイルは白い天使の答えが不覚にも気になってしまうのだった。

 それに、シルフィーは楽しそうに笑って、


 「よろしくお願いします」

 「.......っ!?」

 「と、言いたい所ですが、私はミリス教の.......修道女。.......残念。私にその類に生きる道はありません」


 一瞬.......ドキリとした心の動揺を返してほしい!

 しかし、シルフィーはカイルの慌てふためいた姿を見て、悪戯が成功した子供のように笑っていた。


 時は流れて、決勝戦開始直前。


 カイルはシルフィーに言う。


 「前にも言ったけど、俺が勝ったら、その勝利、君に捧げるよ。シルフィーが居たからここに俺は居るんだし.......」

 「ふふふ、ではかった暁には祝勝会を開きます.......奢ってくれますか?」

 「分かった。ユウナ達も呼んで今日はパーティーだーっ!」

 「わっ......ふふ.......、期待.......していますよ?」

 「おうっ! 期待.......しててくれ」


 カイルはシルフィーと約束して決意を固めて競技場へと登った。

 そんなカイルに沢山の声がかけられる。


 「かんばるのさ~」

 

 という、カーキの声援に手を挙げて応えれば、


 「編入生!! わたくしに勝ったのですから、負けたら許しませんわ!」


 という、何故か良いポジションいる好敵手風に言うツイテール。

 なんか知らない間に沢山、友達が増えたかも知れないとカイルは思っていた。

 

 そんな中、カイルの前に立つ、天才、魔道王ジーニアスがカイルへと話しかけた。


 「あの魔法は僕の真似かな?」

 「まあね.......お前が火炎弾を爆発させてたから、俺も出来るかと思ったんだよ」

 「ふっ。あんな外道魔法と同列にしないでもらいたいな。改編魔法の知識と技術だけでは【創作魔法】はできないと、言っておくよ.......僕が教えてあげても良いけれど?」

 「そりゃあどーも!」


 明らかにカイルを舐めているジーニアスにカイルは指をピンと伸ばして宣言する。


 「俺はお前に勝つ! 負けた後で言い訳するなよ!」

 「もちろんだよ。僕は何時でも全力で叩き潰すだけだよ」


 ムキーっ!!

 カイルはどうしてもジーニアスのすかした態度が気に食わなかった。


 だからそれ以上は離さずお互いに距離をとる。

 そして、


 「始めるのじゃ!!」


 オーランの声と共に戦いが始まった。


 始まるとすぐにカイルは詠唱を唱える。


 『ジーニアスさんはカイルさんの完全上位互換です。なので開始早々、最速でやってください』


 試合前、対ジーニアス戦の戦術をシルフィーが考えてくれた。

 だからカイルは魔力消費の多い最速のファイアー・ボールを詠唱する。

 カイルの詠唱を聞いて、ジーニアスがニヤリと笑った。そして、


 《火の精霊よ、神速の、炎の玉で、かの者を燃やし給え!! ファイアー・ボール》

 《火の精霊よ、神速の炎玉で、かの者を燃やし給え!! ファイアー・ボール》


 ジーニアスもほぼ同じ詠唱.......いや、カイルよりも簡潔になっている、改編詠唱を行った。

 ほぼ同時に完成した魔法は同時に発射され、カイルとジーニアスの中心で激突した。


 相殺.......では無かった。カイルの炎弾を撃ち破りジーニアスの炎弾が迫った。

 カイルは咄嗟に跳んでかわしたが、ジーニアスが格上だと思い知るのは十分だった。


 顔の近くを横切った為にチリチリと燃える自分の髪の毛を見て、


 「ハゲたらユウナに嫌われるだろうがーっ!!」


 叫び、詠唱する。


 《火の精霊よ、連弾の、炎の玉で、かのものを焼き給え!!》

 《火の精霊よ、二重の炎の連弾で、かのものを焼き給え!!》

 

 カイルとジーニアスの詠唱が交差して同時に終わる。

 お互いの目の前に火の玉が無数に連なって、朱く激しく燃え盛る。


 その数、百。

 詠唱改変により、低級魔法の《ファイアー・ボール》が大量に展開される。

 

 その光景を離れて見ていた生徒達の半分は、二人の魔道師が何をやったかも理解できてはいなかった。

 それ程、高度で稀少な才能.......改変力。


 まるで、二人の王が数多の兵を率いているかのよう。


 奇しくもジーニアスも同じ事を考えていたから.......否!!


 「ーーっ!! .......読まれたの.......か?  だが!! それでも、行けぇええええええいーーーっ!!」


 正確には読またのではなく、ジーニアスがカイルの詠唱を聞いてから合わせたのだが、どちらにしてもカイルはそのまま《ファイアー・ボール》を放った。


 「ふんっ.......いけっ!! 僕の魔力達!」


 同じくジーニアスも迎え撃つ。

 その表情はどこか待ち望んでいた好敵手を見つけた様な熱い微笑に包まれていた。


 百メトルの距離の所々で《ファイアー・ボール》がぶつかり合い、爆散する。

 威力、総数、共に互角.......全ての炎弾が消えて硝煙の香ばしい香と静けさだけが残った。


 余裕の澄まし顔をしているジーニアスに対して、二度の改変魔法で既に魔力を半分以上、消費したカイルは身体中からびっしょりと汗をかいていた。


 なぜなら、改変魔法にこの三週間、打ち込みつづけてきたカイルには分かった。

 ジーニアスの炎弾が.......


 「もう一回だ! 行けっ! 僕の魔力達!!」


 二度発動する事が。


 二重詠唱.......一度の詠唱で二回の魔法を行使出来る、高等魔法技術だ。

 だから、ジーニアスの魔法の終わりをもって、再び現れる百の炎弾。

 それが一斉にカイルに襲い掛かる。


 ドクン。


 その光景を見ていた、シルフィーの心臓が音を立てた。

 そして、白い天使は腕を組んで天に祈る。


 (.......カイルさん。負けないでください.......私に、あなたが壁を越える瞬間を、見せてください)


 そんなシルフィーの姿をチラリと見て、


 「.......ああ、そうだよシルフィー。君が俺の代わりに信じてくれ。その代わり俺は、天才を.......今、越える!!」


 絶望的、才能の差を前にカイルは諦める事はしなかった。

 なぜなら、カイルが勝つことを信じている少女がいるからだ。

 カイルが勝てないと思っても、彼女は勝てると言ってくれる。カイルの背中を支えてくれる。


 だから、無数の炎弾が迫る、数秒の刹那に勝つための手段を模索する。


 同じ魔法の連続詠唱は、精霊を酷使するため暴発する危険が格段に上がる。

 それは、同じ属性でも使えば使うほど増していく危険性だ。

 そして、魔力の流れを変える、詠唱改編をマスターしたカイルには、次に火属性魔法を使えば暴発することがわかるようになっていた。


 だから、


 《鉄の精霊よ(鉄の龍よ)》


 カイルは、適性の高い火の精霊の力を使わない。

 おおよそ、カイルには魔法概念を全て理解することは出来ない。

 けれど、カイルにはその属性が一番合う、ということを本能で感じていた。


 《我が身を守れ!!》


 そして、その精霊が必ずカイルに答えることも。

 

 魔法が完成して、鉄の壁が現れる。


 ドドドドーーっ!!

 

 嵐の如く壁に炎弾が着弾し、爆散する。

 が、鉄の壁には傷一つ付かなかった。


 その詠唱を聞いていたツイテールが気づく。


 「中級鉄魔法!? .......特殊魔法ですわ」


 そう、カイルが使った魔法は壁魔法。中級防御魔法に属するウォールの系統だ。

 

 「.......しかも、二節詠唱ですわ.......」


 通常。低級魔法は三節に分けて詠唱する。

 それが一番、魔法の行使に適した形だからだ。だが、才能に恵まれ精霊に愛される稀少な天才達は、その詠唱を省略出来る。

 

 中級魔法以上の才能が皆無なカイルに出来る芸当では無いのだ.......。

 が、現実は違う。

 さらに魔法学院に在籍する生徒達はカイルの省略詠唱が暴発ギリギリの運だのみでは無いことが分かった。


 火の玉を防いだカイルは更に新たな詠唱を始める。


 《鉄の精霊よ、頑強なる、鋼鉄の槍をもって、かのものを貫き給え!!》


 弾ける紫電が鉄の槍を生み出した。

 

 「今度も美しい中級攻撃魔法メタル・ランス.......ですわ! どういうことですの? シルフィー、あの編入生には中級魔法は使えないのでは無かったのでは.......ないですの?」

 

 ツイテールに聞かれたシルフィーは目を大きく見開いて、驚愕しながら微笑んだ。


 「ふふ.......とても美しく温かい.......。分かりませんか? アレはカイルさんの心の形そのもです、よ?」

 「.......魔法の根源は心の具現化.......貴女らしい答えですわね」

 「はい。最初にあの鉄の魔法を見たときから、カイルさんがとても優しく強い方だと分かっていましたから」

 

 周囲を魅了する白銀に輝く一本の大きな槍が、ジーニアスへと向かう。

 それに対してジーニアスはカウンター魔法で、行くもの魔法で迎撃する。

 それでも止まらない槍の前に、ジーニアスは闇以外の全ての属性防御魔法ウォールを発動し、六つの壁を作り出した。


 一つ一つが並の魔導師の上級魔法すら防ぐ鉄壁の壁......


 バリン、バリンっ、バリンっ!、バリンーっ! バリンっー!! バァリンーッ!! 


 そして、鉄の槍が六つ全ての壁を撃ち抜いたその時!


 「ハッハハーーっ!! 面白いよ! カイル!!」


 盛大に笑って。

 ジーニアスの目付きが変わる。

 それと同時にカイルはゾクリとした悪寒を感じた。


 それは、イグニードやライボルト達と戦った時に感じた、圧倒的な何かが起こる予感。

 ゴクンと唾を飲み込み、その何かに備える。


 《六精よ、集まり合わせ混ざり合え》


 ジーニアスの詠唱で、六つの魔力属性が一つの魔力合成される。

 そして、


 《撃ち抜け、シックス・プロージョン!!》


 集まる事で、何倍にも膨れ上がった魔力をそのまま撃ち出した。

 

 ーー。


 音は無かった。ただ圧倒的な破壊が起こった。

 鉄の槍は分子にまで分解されて、跡形もなく消え去った。

 

 カイルの身体の真横を通り抜けて、魔法で強化されている競技場の壁をも撃ち抜いて弧をえがきながら空高く消えていった。

 その魔法を、カイルはシルフィーから聞いていた。

 

 「六属性合成魔法.......シックス・マジック」


 ジーニアスが魔道の【王級】へと至らせた、合成魔法にして固有魔法にして特殊魔法。

 世界で最も強力な魔法属性。全てを分子に還す魔法だ。


 その威力を直に見てカイルは脚を一歩後ろに.......


 「カイルさん!! あなたの魔法は負けていません、まだです!!」

 「ーーっ!!」

 

 ギリリっ!


 「クソがぁあああああああああああーーっ!!」


 前に出した。

 そして、叫ぶ。


 「そんなもんっ! 全っ然! 恐くねぇー!! ユウナに.......シルフィーに失望させる方が百倍怖い」


 ドクン、ドクンと明らかにカイルの心臓は恐怖で爆音の警鐘をならし、身体はガクガクと震えまくって、一瞬、無理だよ、アホか! って思ったが。


 「良いぜ! ハハハっ、証明してやる!」


 それでもカイルはジーニアスに指を指して言い放つ。

 後ろで信じてくれた少女の為に。


 「こんな絶望。簡単にぶち壊せるって事をな!!」


 そうして、闘志を燃やした。

 

 

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