#93私の作戦はこうだ……
「ポットさん、どこに行きたいですか?」
「私、甘いものが食べたいです」
「わかりました。じゃあそこのカフェに行きませんか?そこのカフェには甘くて美味しいフロートがあるんですよ」
「そうなんだ〜」
「ペルさんは来ないんですか?」
ココくんが私の方を見ながら言う。
結局はポットに街を案内することになった。
そして私は雪さんから二人の監視役としてついて行くことになったのであった。
あの女狐…私のココくんを横取りして……羨ましい。
ポットの株は私より確実に高い。
ここでどうにかしてポットの株を落とさねば…ポットの株がどんどん上がっていく。
それと同時に私の株はどんどん下っていく。
この大問題を適切に処置しなければ私とココくんのイチャイチャ生活の未来はない!
「ペルさんどうかしたんですか?早くお店に入りませんか?」
「え、あ、うん…わかったよ〜」
私は返事をしながらカフェの中に入って行く。
どうしよう。
私が立ち入る隙がない……
ココくんとポットが作り出す仲のいい世界に隙がまったくない。
え、学校で少し話す程度の関係じゃないの?
まぁ、けどゲームだと人格が大きく変わる人もいるからポットも同じ感じなのだろう。
普段は人見知りだけど、ゲーム内だと元気いっぱい女の子!っていうタイプ。
よく車に乗ると人格が荒くなったりする感じと同じだよ。
とりあえず私の作戦はこうだ……
まず二人の飲み物を私が買いに行く。
そしてその飲み物に自白剤を混ぜる。
そうすればあの女の本性が暴き出せる!
完璧すぎる。
私は天才か!
天才過ぎてこの作戦の失敗点が見つからないぞ。
フッフッフ……これでポットもやらしいことを考えていたらココくんに引かれること間違いない。
私はそう確信した瞬間笑みをこぼしながらココくんに近づいていく。
そして…いざ作戦を開始した。
「コ、コくん!」
「どうしたんですか?ペルさん。普段よりもやけに笑顔ですね」
「そう?そうなんだよ〜私はついに天才の領域にまで足を踏み入れてしまったようなんだよ!」
「何があったんですか?」
ココくんは私の笑みを見て不審に思ったのか?私に問いかけてくる。
ポットは私の笑みに何かを感じ取ったようだ。
しかしそれを証明することはできないから私の話を聞くことを拒絶することはできない。
「それは席に座ったら話すよ!」
「そうですか。じゃあちゃんと話してくださいね」
「うん」
「ココくん、早く席に座ろう!」
「はい、ポット…どこに座りますか?」
「じゃああそこにしませんか?あの窓側の席」
「わかりました。ペルさん、窓側の席に行きますよ」
「オッケー!けど二人は席で待ってて良いよ。私が二人分の飲み物も買ってくるから!今日は私のおごりだよ〜」
「ペルさん…」
「ココくん…」
ココくんもまだまだだよ。
そんなおごりって言葉で私をそんなに見つめちゃって〜
いや、そこじゃないな。
ココくんがその程度のことじゃ心ときめかない。
多分、これは私が先導していることに心ときめいているのかな…
「その必要はないですよ」
え?なんで?
「どういうこと?」
「ここは店員さんが飲み物とか食べ物を運んでくるので買いに行く必要はありませんよ」
な、なんだって……
え、だってロゴとかはまったく違うけど座席の感じとかだとハンバーガー屋さんの椅子と机の配置じゃん。
だってハンバーガーショップとかって食べたいハンバーガーを言って、その場でお金とハンバーガーを交換じゃん。
それがここではないだと……
私の作戦の最重要ポイントの異物混入(自白剤)を混ぜられないじゃないか!
「ペルさん、ポットがいるからってそんなお姉さんぽくしなくていいですよ。いつも通り普通で良いですよ」
「はい…」
私はココくんとポットの後ろをついて行く。
か、勘違いしないでよね。
別に私はポットのことを気にかけてるわけじゃないし!
ただ異物混入しようとしただけだし!
私はココくんとポットと一緒に椅子に座ると体力の全てを頭に回して頭の回転速度を通常の5倍以上の早さで回す。
どうするか?
この壊滅的に将棋だと詰みの状態にあたる。
この場合、将棋だとどうするか……そう、奪った相手の駒を自身の仲間として降臨させるんだ。
よし、この作戦で行く。
まずは二人から離れて裏にいる店員さんを人目のない部屋に監禁。
そして私がその店員さんに化けて二人の前で注文を受ける。
そうすれば私が店員で飲み物を出すんだから異物混入なんて余裕過ぎる。
思い立ったら吉日。
作戦いざ決行!
「こ、ココくん!」
私は机をドン!して立ち上がる。
これにはココくんとポットは驚いたようだ。
しかしこの程度後でいくらでも挽回できるから今は無視。
「ど、どうしたんですかペルさん」
「ペルさん?」
二人は私に「どうかしたの?」って感じの目でこちらを見る。
「わ、私しばらく席を外していい?」
「何かあったんですか?僕も協力しますよ」
「わ、私も!」
り、理由考えてなかった……
えっと…そうだ。
「きょ、協力してもらえると嬉しいんだけどこれはココくんには解決不可な案件だから」
「え、何があったんですか?」
私は学生服のスカートの端に手を添えて恥ずかしそうに言う。
VRゲームにおいて恥ずかしくて顔が赤くなったりすると、とても顔が赤くなる。
それを今利用する!
「それは…言えない」
「どうしてですか?」
「は、恥ずかしい……から」
私の頬は今頃、りんごのように真っ赤に染まっているのだろう。
「恥ずかしいって…どういうことですか?」
ポットが私を不安そうな目で見る。
「い、言わなきゃダメ?」
「い、言って欲しいです」
私はここで渾身の演技をすることとなった。
「その…女の子にはよく来るもので……ポットちゃんはまだかもしれないけどココくんは一応男の子だから言いづらくて…」
「「…………」」
「その…だから……お腹が痛いの!だからと、お花摘みに行って来てもいいかな」
しばらく私たち三人の間には謎の空気が流れていた。
次回予告
次回、無事に二人から離脱できた私は自らの作戦に移行することにした。




