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#92この女狐!

私、ペルは自身のスキル欄を凝視していた。

確かに一つ増えている…

いや、さっきのココくん洗脳計画は雪さんの叫びによって呆気なく終わりを告げた。

どうやら私の洗脳技術は超人の足元にも及ばなかったようだ。

そして今、自身のスキル欄を見ると『先導せんどう』というスキルが新たに加わっていた。

先導とは、相手の意識をある一つの目的に集めたり出来るスキルらしい。

さっきのココくんが私に続いたのは、先導スキルでココくんの意識が私の言葉に向いていただけのようだ。

決して洗脳ではなかった。

このゲームにおいて洗脳スキルってあるのかな?

あるんだったら欲しいな。

あればココくんをいくらでも洗脳できるのに……

「あー残念。非常に残念だー」

「ペルさん反省しているんですか?」

「はい、してます」

「してないですよね、絶対に」

「してるよ〜ココくんはまだまだ女の子を見る目がないね!」

「ペルさんは人としての一般的な考え方がなってませんね」

「えへへ…ココくんに褒められた〜」

「褒めてません」

「ココくん厳しい〜」

「厳しくありません」

「さて、これからどうするか?」

「まったく反省してないじゃないですか!」

「私はこう見えて深く深〜く反省した上で発言しているんだよ」

「そうだと良いんですが…」

「それでココくん!何かすることはありますか?」

「する事ですか?」

「うん、今回のことは反省したって意味で二人でデートにでも行こうか!」

ここで反省した感じを出した上で誘うことによって軽く落ちるかもしれない。

「で、デート……」

ココくんの顔は少し赤かった。

もしかしてデートって言葉に反応したのかな……ココくんは本当にウブなんだから〜

「ココくんダメ!そんな悪女の誘いに乗ったら滅茶苦茶にされちゃうよ」

この声はココくんのクラスメイトの咲ちゃんだ。

咲ちゃんのゲームでの名前はポット。

私と雪さんのココくんイチャイチャ大作戦を粉々にした張本人。咲ちゃんが入って来なければすべて上手く行ってたのになぁ〜

あ、雪さんはというと彼女は床に向かって嘆いている。

何についてか?

それは法律によってココくんと結婚ができないという真実と運命に投げかけているらしい。

雪さんは小説家だからそれぐらいは知っているかと思ったら知らなかったらしい。

なんでも雪さんの小説に出てくる兄妹は本当の家族じゃないのがほとんどで、普通に姉弟でも結婚できると思っていたようだ。

うん、この真実は実に辛すぎるだろう。

しかしこれが現実だからしょうがない……

だから私が雪さんの代わりに幸せにしてあげないと!

「滅茶苦茶ですか?」

「うん、だってこの女の人絶対にココくんを襲うつもりだよ。ココくん、あまり力がないから簡単に食べられちゃうよ」

この女狐……痛いところをついて来おる。

「べ、別にそんなことしないよ!」

「それよりココくん」

「何ですか、咲さん?」

「咲じゃないよココくん。ここではポットだよ!」

「あ、うん…ポットは何かしたいんですか?」

「そのこの街を案内して欲しいんだけど良いかな……二人っきりで…」

「ココくんダメ!その女狐はココくんと二人っきりになったら全裸になるつもりだよ。場合によっては首輪をどこからか取り出して、「私をココくんの飼い犬…いや、飼いウサにしてください!」って懇願し始めるかもよ!」

「ぜ、全裸…」

「そ、そんなこと絶対にしないです!」

ポットは顔を真っ赤にして言う。

多分今、想像したんじゃないの?

この女狐め……なんて小学生で想像できちゃうイヤらしい子なの?

それにココくんみたいなウブな子には全裸という単語は刺激が強すぎる。

だから少し一緒に行動することに抵抗を与えられる。

「私はべ、別にココくんの事が特別好きというわけでなく、ただ案内して欲しいだけです」

「じゃあココくんじゃなくていいね。そこでリックンが寝ているから起こして案内して貰えばいいよ」

私は隣で寝ているリックンを揺さぶりながら言う。

揺さぶられたリックンは……

「まだ食べられないよ〜」

という寝言を言っている。

一体どんな夢を見ているのだろうか……

「それじゃあリックンが可哀想じゃないですか。リックンは今寝ることに忙しいんです」

寝ることに忙しいって……

「じゃあココくんもダメだね」

「どうしてですか?」

「ココくんもこれから私の膝枕でお昼寝なの!」

「そうなの?ココくん!」

「ち、違います……」

「違うって…別に膝枕だったら私がピクニックに連れて行ってしてあげます!」

「………」

「ピクニックだと!それじゃあココくんの気が休まらないじゃん。だから今してあげるの!」

「ふ、二人とも……」

「「ココくんはちょっと待ってて!」」

ここはたとえココくんがいても引き下がれない。

「言っておくけどね…」

私はポットを睨みながら言う。

「言っておきます…」

ポットも私を睨んでいる。

私はこの一文というこの人差しに……自身の威圧を最大まで高めて放った。

「「私が一番ココくんのことを愛してるんだから!」」

次回予告

次回、私とポットは仲良く街をお散歩することになった。

なんでこんな女狐というかメスウサギとお散歩なんかしないといけないの!

私はココくんとデート、デートがしたいの!

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