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#85何としても阻止せねば!

 あ、うとうとしたココくんが宿屋に連れてかれてる……

 私はうとうとしたココくんを宿屋におんぶして運んでいる猫の獣人のお姉さんを見てふと思う。

 一体あの猫の獣人さんは何を企んでるんだろう…

「ココくん、ここの人気のない宿屋で仮眠を取ろうか?」

「大丈夫ですよ…」

「もう片目がほとんど閉じてるよ…」

「そうですか?」

「まぁまぁ、狼の件もココくんが寝ている間になんとかしておくから…安心して眠っていいんだよ」

「安心して眠っていい…」ってもしかしてココくんを監禁か軟禁して身代金を要求しようとしているのかな……

 さっきのカフェで飲んでいた飲み物の中に睡眠薬を入れておいて、「すべての作業は君が寝ている間に済ましてあげるから…」っていう抵抗されないようにする策略では!

「こ…」

 あ、ダメだ。

 私は今ココくんをストーキングしているんだ。

「なんでここにいたの?」って聞かれた時に答えられる理由がない。

 どうしよう…このままだとココくんが捕まって人質にされちゃう。

 けどこのままこの猫の獣人のお姉さんのしていたことを記録して、ココくんのお父さんに直接報告した方がいいかもしれない。

 とりあえずストーキング再開だ。

 宿屋の個室に私が入るとバレる可能性があるから外で計画の全貌を探ろう。

 私はココくんをおんぶした猫の獣人のお姉さんの影に入って移動を開始する。

「ミケさん…泊りに来てくれたんですか?」

 宿屋のおばさんが猫の獣人(ミケ)と話してる…

「うん」

「じゃあ今日もいつも通りのメニューで2人分ね」

「うん、お願いします!」

 いつも通りのメニュー…もしかしてこれはいつも通り人質を捕まえてきたからいつも通りの作戦で!っていう会話なのかな。

 だとしたらこのおばさんもこのミケという女性の身代金目的の誘拐のメンバー…けどこのおばさんCPって表示されてる。

 NPCと身代金誘拐って何を目的でやっているんだろう。だって犯罪系のNPCじゃなくて普通の宿屋のおばさんが誘拐に協力ってありえない。

「じゃあいつもの部屋でどうぞ」

「ありがとうございます」

「そんな敬語を使わないで…私があなたにありがとうをたくさん言わなきゃダメなのに言われてばっかじゃ情けなくなるじゃない…」

 おばさんは笑いながら言う。

 このミケさんはどんな方法でNPCを洗脳したんだ…

「おばさんは困った時はいつでもお互い様だっておっしゃってたじゃないですか?」

「そうね…夫が死んでからもう2ヶ月経とうとしているのね…私、あの人に何かできたかしら……」

「おばさんはいつも笑顔で夫を迎えてたんならそれで夫は満足だったと思いますよ。子供たちに剣技を教えているこの国の騎士団長さんがおっしゃってましたよ。「戦士は戦場で死ぬことが戦士としての誇りだって」けど彼はこんなことも言ってました。「妻の笑顔を戦士として死ぬまでにたくさん見たいと…」だから夫も満足して旅立てたと思いますよ」

 何について話しているんだ、この2人。

「こんなおばさんの笑顔で満足して頂いたのなら嬉しいかぎりだよ」

「絶対に満足してますよ。だって夫の方が騎士団に入団したと共に告白してきたんですよね」

「え、えぇ…彼が十八歳の時、騎士団に入団が決定した時に「君と死ぬまで一緒にいたい」って…ね」

「夫がいつ死ぬか自分でもわからない。だから少しでも自分の好きな人と一緒に暮らしていたいと思ったんだと思いますよ」

 そう聞くとおばさんは少し笑顔になって…

「そう言ってもらえると嬉しいよ。そういえばミケさんにおんぶしてもらってる子は大丈夫なのかい?どこか怪我をしているならお手伝いさせてちょうだい」

「いえ、ただ寝不足なだけなので大丈夫です」

 これは誰かに跡をつけられていると気付いてとっさに演技をしているのか…

「そう、じゃあ後でご夕食はお部屋に持っていく?」

「いえ、ちゃんとレストランでいただきます」

「わかったわ」

 そういうとミケという女性は階段を上がり宿屋の部屋の中にココくんをおんぶして入る。そして彼女が入ってからしばらくするとドアに鍵のかかる音がした。

 これは絶対に監禁だ!

 ココくんが寝ている間にココくんのお父さんに身代金を要求するつもりなんだ!

 けど真実かどうかわからない……

「と、とりあえず盗聴しよう聞き耳スキル発動」

 私は室内の声が聞こえるように盗聴スキルを発動する。

 しかし私の耳に届いたのは予想外の声だった。

「あの…解放してもらえませんか?」

 あれ…聞き覚えのあるような気がする。

 この声はリックンっていうプレイヤーだったっけ?

「ダメだよ〜ちゃんと調合してココくんとイチャイチャするの!」

「いや、それの実験台がなんで僕なんですか?ネズミとかモルモットとかで試してくださいよ」

「人間に使うんだから人間に飲ませないと試せないよ〜」

「そ、そんなことしなくてもココのやつは振り向きますって…胸の大きい人によく目が泳いでるし…」

「ミケも大きいから問題なの…だから媚薬と自白剤はこの作戦の切り札なんだから」

 じ、自白剤…自白剤をココくんに!

 ヤバイ、ミケっていう女性とココくんの部屋の様子も気になるけど隣の部屋もすごい気になる。

 というか隣の方が問題だ!

 ココくんに自白剤なんて飲ましたらいろんなこと洗いざらい喋っちゃうじゃん。

 それに媚薬も作るってことはココくんがエッチなことしちゃうってこと?

 それは小学生が絶対にしちゃいけないことなのに…

 向こうの奥の部屋から聞こえてくる声は女性2人の声とリックンとかいうプレイヤーの声。

 リックンは男のプレイヤーだから問題はないけど…女性2人がココくんに媚薬なんて飲ませたらココくんがエッチになっちゃってエッチな女性2人とエッチなことしちゃうじゃん!

「何としても阻止せねば!」

次回予告

ココくんの寝ている宿屋の一室で起きていたココくんとエッチなことをする作戦。

この作戦を阻止するために中のプレイヤーを皆殺しにしないと!

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