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#59能力(スキル)カフェアートを再覚醒!

 カフェアート…それはすなわち人を楽しませるための(スキル)の1つ。

 カフェアートはラテアートの別称である。カフェアートはバリスタによりエスプレッソを基本とする飲み物の上で作られたデザインをさす。

 ラテアートには大きく分けて次の2つの種類タイプがある。

 1つはフリーポア。

 これは、エスプレッソの入ったカップに、スチームしたミルクをピッチャーから注ぐだけで出来上がるアートのことを言います。

 例えば、ハート、チューリップ、リーフなどが作れる。

 もう1つはエッチング。

 こっちは、ピックやスプーンなどを使って、絵を描いていく方法を言います。

 例えば、猫やうさぎなどのキャラクターなどをこの方法で描いています。こっちの方はフリーポアよりも少し難易度が高く相当練習しないと上手く出来ない。

 私は一週間でエッチングをしたけど成功率が低いのが現実である。少しでも手元が狂えば猫の顔が真っ二つになったり耳が欠けちゃったりしちゃったなぁ…あの頃は。

 うん、あの頃は。私はあの頃とは違う!

 何故か?それは1年前からもうカフェアートを作っていないからだ。

 いや、たまに作ったよ。けど難しいエッチングじゃなくて簡単なフリーポアの方を…ね。

 だって3年生に進級したら、高校入試のための勉強が始まったから。

 3年生の春に真山先生と遭遇…いや出会って、そこから鬼のような勉強の無間地獄へと足を踏み入れたのだから。

 私はそんな回想をしながら桜の花を書いていた。

 本格的に作ろうとしたんだけど…久しぶりってこともあるから簡単な花にした。あとはエスプレッソの量的にミルクを入れちゃうと溢れちゃうから。

 まぁ、無難に桜の花にした。

 何故、桜の花なのかは時期的にかな。春といったら桜でしょ。

 まぁ、この作り方は私の固有製法(オリジナルの作り方)。この作り方はなんと言っても早くて簡単に作れる。そしてそれっぽく見える!が決まり文句の作り方である。

 桜はミルクを何滴かエスプレッソに垂らして、垂らしたミルクを少し広げて形を整える。

 ポイントは広げる時に5つの方向に満遍なく伸ばしていくことである。そうしないと形が安定しないのだ!

 けどこれだけでだいぶ桜に見える。

 エスプレッソ先輩の量が多すぎるため小さい桜しか書けないけど他にも何個か書けば問題はないだろう。

 いや…桜に見えれば問題ないだろう!

「ご主人様、これでどうでしょうか?」

 私は書き終わるとスプーンをエスプレッソの入ったコーヒーカップのお皿にスプーンを置いて言う。

 するとご主人様の反応は少し驚いていた。

 私は人並みに書いたつもりなんだけどどこか変だったかな…

「す、凄いですね」

「そうですか?」

「はい…これって桜の花ですよね」

「はい、桜の花です。今回はエスプレッソの量が多かったのであまりミルクの量を使わない桜の花にしたのですが、どうでしょうか?」

「すごいです。こんなにすごいカフェアート、どこのメイドカフェ行っても見られませんよ」

「そ、それは良かったです。また何かありましたら呼んでください」

 私はそう言って笑顔でご主人様の前から下がった。

 久しぶりにやったからなのか、すごい目が疲れた。私もこのままだと眼鏡メガネかけることになるかな…

「ペルさん、目を押さえてどうかしたんですか?」

 後ろからキュウちゃんがそっと声をかけてくる。

「いや、久しぶりにカフェアートをやったから目が疲れたんだよ」

「ペルさん、カフェアートって何ですか?」

 こ、この娘!か、カフェアートを知らんのか…

 カフェアートってアメリカ発祥じゃなかったけ?

「カフェアートはエスプレッソとかのコーヒーの上にミルクで絵を描くんだよ」

「ペルさん、そんな高技術できるんですか!」

「うん、中学2年生の時に少しハマって多少はできるよ」

「そ、そうなんですか。凄いですね」

「そんなにすごくないよ…良かったら今度教えてあげようか?」

「え、良いんですか」

「うん、私も久しぶりに練習しようと思ってるし」

「じゃあ約束ですよ」

「うん」

 私、人に教えるの苦手だから教えられるかなぁ…

「ペルちゃん〜」

 後ろから私を呼ぶシロさんの呼び声が聞こえる。

 な、何があった。

「どうかしましたか?」

 私は調理場から素早く出動する。

「ペルちゃんのカフェアートをして欲しいっていうご主人様がたくさんいるよ」

「え、あ、うん」

「4番と5番と7番と9番、あと13番テーブルね」

 お、多くね…

「お、OKです!」

 私はこの後、数多くのカフェアートを書くことになった。

 猫や犬、熊やウサギなどの動物や花模様のカフェアートなど幾千にも及ばないけど及びそうな数のカフェアートをこなしたのであった。

 こ、これは私の他にもカフェアートができる人がいるといいなぁ…

次回予告

無事、開店初日を終えた私は…

「魂が抜けてますね」

「ですね」

という状態になっていた。

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