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#56服装

「ねぇねぇペルちゃん」

「何ですか、雪さん?」

「お腹空いた…」

「そうですか?じゃあコンビニに唐揚げ棒でも買いに行きますか?」

「そうだね〜じゃあ、唐揚げ棒買って来るね!」

「はい」

 雪さんがコンビニの方に駆けて行く。雪さん…そんな…スカートで走ったら転びますよ。私はベンチを見つけるとそこに腰を下ろす。私と雪さんは只今、秋葉原駅にいた。バラバラで行くのも何だから一緒に行く事にしたのだった。

 そして私は雪さんと朝であって心が折れてしまったのだ。何があったのか?それは10分前に遡る。

 私が改札口のそばので待っていると、雪さんがやって来た。そこで、そこで私の心の柱…ビルの窓ガラスが全て木っ端微塵になった。女子としてファッションセンスの差が大きかった。私は東京に来る前に東京の人たちのファッションセンスを学習して来たつもりだった。そしてこっちに来て…自分なりに服を買ってみたのだ。だが…それでは届かなかったというのだ。雪さんは…チュールのスカートに薄い茶色…ベージュかな。ベージュのTシャツ。そして子グマのイラストの描かれた手提げ。なんとも可愛らしいお姿をなさられてやって来たのであった。そのお姿はファッション雑誌にも載る事間違いなし!といっても過言ではないぐらい美しかった。

 それに比べて私は何だろう?水色のミニスカートに猫の肉球模様のTシャツ。そして極め付けには猫模様の肩掛けバッグ。明らかにこれでは『the cat!』ではないか。まぁ、それでも良いけど。私と雪さんを比較してみればなんという事でしょう。ファッションセンスの差が丸わかり。私は猫をアピールしすぎだけど、雪さんは手提げに子グマのイラストでアピール…この差ですよ、この差。胸が痛いです。まぁ、これからもっと恥ずかしい格好するから別にもう良いけど。

 今の時刻は午前7時。電車の中は休日の事もあってか、いつもの通勤ラッシュよりは混んでなかった。私が住んでた方じゃ、駅まで車で15分ぐらいかかるからあまり乗る機会はなかったけど、東京に来て通勤ラッシュの恐ろしさを体験した。そして今後、生きていく上では電車が必須なのだと悟った。

 それにしてもだ…

「高校入学を機に色々なことが起きてるな…」

 私は高校生活が始まったり、あまり乗らなかった電車を日々の当たり前のように使うようになったし…

 初めての事が多くて毎日忙しいけど…

「ペルちゃん、買ってきた〜」

 雪さんが笑顔で駆け寄ってくる。うん、友達も出来た。高校を東京にして…

「良かった」

「何が良かったの?それとペルちゃん、はいどうぞ」

 雪さんが私に唐揚げ棒を差し出す。私は受け取りながら

「ありがとう」

「うん!」

 雪さんは笑顔で唐揚げ棒を私に渡すとベンチに腰を下ろした。私の村には唐揚げ棒はなかった。

 私は将来、私の住んでいた村にコンビニを召喚する!という夢が最近新たに加わった。コンビニのオーナーさんになる。それには年齢などの条件を満たせば問題ない。だがしかし、過疎集落のためコンビニが建たないという問題がある。これに関してどうすれば…

「ペルちゃん、美味しい…」

「うん」

 私は唐揚げ棒を食べながら思考する。まぁ、こんな事を考えるバカな人なんていないだろう。けどコンビニあったら結構便利じゃない。

「それじゃあ食べ終わったら行こうか〜」

 隣で雪さんが唐揚げ棒を食べながら言う。…………⁉︎

「あの…雪さん?」

「?どうかしたの?」

「いや、その量を今全部食べるんですか?」

 私は唐揚げ棒が大量に入った袋を見る。1…2…3…4…6…ってなんか数えきれないほどある。今、ちょっと遅かったのはその大量の唐揚げ棒を買うためだったのか!

「え、うん。唐揚げ棒25本買ってきたんだよ」

「25本…」

「朝御飯食べ忘れちゃったから、唐揚げ棒で朝食を済ませようかなって」

「そうなんですか」

 それにしても朝食で唐揚げ棒25本は多すぎでしょ…

「雪さん、そんなに食べたら太っちゃいますよ」

 だって25本はまずいって。雪さんのボン、キュ、ボンがボン、ボン、ボンになっちゃう。ボンが3連続の女の子なんて男の人に見向きもしてもらえなそうじゃん。というかその美貌は毎日、栄養価の良い野菜料理とかを食べてそうなってるよね。

「私、あまり太らないから大丈夫だよ!」

「流石にその量では…」

「うん、大丈夫であります!私は朝からごはんだけに5杯食べてるから」

「それでよくそんな美貌をキープできますね」

「そうなんだよ。私、かなり大食いなのに体型が変わるわけでもなく、体重も変わらないよ」

「羨ましい…」

「ペルちゃん、体重増えてるの?」

「いや、フ、フエテナイヨ〜ユキサンッタラハヤトチラナンデスカラ〜」

 究極的に今の会話内容の弱点を突かれた私は片言になる。そんな私は食べたらその分、体に出るタイプだからバランスが大変なの!中学時代は学校まで歩いて登校だったから3食分の脂肪を登下校で補えたけど今は違う。今は電車を使うからお腹にお肉がつきそうで怖い。学校に通った日数は入学式を入れて3日間。それだけでもう体重が増えてしまっている。それが問題なのだ…

 私が体重のことを考えているうちにペルさんは唐揚げ棒25本を食べ終わってしまった。雪さんの食べる速度はかなり早かった。もしかしたら大食いとかにも出れるかもしれない。

「ペルちゃん、行こっか!」

「うん」

 雪さんが食べ終わると私たちはベンチから立ち上がってお店に向かった。今の時間帯だと会社員の人が多いのかな。オタク〜って感じの人があまり見受けられない。秋葉原って言ったら『the otaku!』って感じじゃない。なんかどこもかしこもオタク。さらにはコスプレイヤーと言う名の人種の方々の楽園アヴァロン

「そんな感じがするんだけどな〜」

「どうかしたの?」

「いや、秋葉原ってオタクが沢山いると思ってたけど、この時間帯あまりいないね」

「うん、秋葉原でコスプレのイベント!とかゲームの発売!とかそういう重要イベントになると朝から沢山の人がいるけど基本朝方はあまりいないよ」

「そうなんだ〜雪さんってよく秋葉原来るんですか?」

「うん、秋葉原って東京とか新宿とか便利なところに近いからね。けど基本的に秋葉原で大体ことが済んじゃうから行かないよ」

「そうなんですか…」

 確かに秋葉原は万能だ。アニメグッズが大量に売ってるし、電気街があって便利だし、電車ですぐターミナル駅とかに行けるし。私は最初、秋葉原に部屋を借りようと思ってたんだけど駅に近くてペット可で安いアパートがどうしてもなかった。それで秋葉原に近い駅で探した結果、御茶ノ水駅のそばのアパートとなったわけである。

「ペルちゃんストップ!」

 雪さんが私のスカートを引っ張る。や、辞めて!そんなスカートが公衆の面前で脱げたらどうするんですか?痴女ですよ、痴女。ただの変態じゃないですかやだ。私はそんなただの変態に成り下がるつもりはないです。私はショタコ…じゃない。こんなところでスカートの中見られたら大問題ですよ。

「ちょ、雪さん。スカート脱げたらどうするんですか!」

「シー…静かにお店の前に並んでる人たちがいるよ」

 そう言われると私は大人しくそっとお店の方を見る。お店の前には10人程並んでいた。これは正面から入れないではないか!

「ペルちゃん、裏口から入るよ」

「はい、それで今日はアレあるんですか?」

「勿論、お父さんに「雪、もしも男の人に襲われたらこれを使って八つ裂きにしてしまいなさい!」って渡されてるから!」

 おい、お父さん。なんて事を娘に吹き込んでんの!まぁ、お父さんってロクなもんじゃないって事はここ最近、私のお父さんとかリナさんのお父さん見てればわかるけど…

 雪さんがカバンからアレを出す。そう、アレとは…

「たったら〜MR空間拡張腕輪!」

 どっかで聞いた覚えのあるアイテムの出す音を口で言いながら手提げから出す。

 MR空間拡張腕輪はその名の通り、MR空間を生み出す腕輪である。

「ペルちゃんも何回か動かしたから大丈夫だよね」

「うん」

「それじゃあ大丈夫だね。とりあえず人気のない路地に入って起動して裏庭からお邪魔しますしようか」

「う、うん…」

 なんか私の日常がどんどん非日常になっていく。昨日もMR空間で活動をしたが、あまり上手く動かせない。昨日やった事はまずMR空間上での服装を設定して少し運動をしたくらいだけどかなり疲れた。MR空間上なら運動能力を向上させたりする事が出来る。しかしMR空間は広範囲で展開は出来ないんだっけ…この技術は確か雪さんのお父さんの会社の研究の一つだったかな。雪さんはその研究を実証するのにこの腕輪を借りているのだとか。

 私たちはまるで泥棒のようにコソコソ〜と人気のない路地に入って行く。路地にはいると雪さんは誰もいない事を確認すると白色の腕輪をはめて頭の上に翳す。そして…

「MR空間拡張腕輪始動!」

 なんかロボットとかを起動するのに言いそうな言い方だ。「クロサイト起動!」的な感じ。あ、クロサイトっていうのは雪さんの小説の主人公が操作している真っ黒い超巨大ロボットだとか…

 私たちの周りだけさっきよりちょっと明るくなる。昨日もそうだったけどMR空間の中ってちょっと明るい。雪さんの服もさっきより一層明るくなる。

「ペルちゃんって身体強化の方にどれくらい振ってるの?」

「大体満遍なく振ってあるよ。剣技と剣術をレベル10にしたら中剣技とかが出てきたから剣技と剣術に関しては全部コンプリートしてるよ」

「じゃあペルちゃんが部活動大戦も前線だね」

「うん、ココくんは私が守るよ!」

「そこは私の仕事!と、とりあえずそろそろ行こうか」

「うん」

 私たちは胸のネックレスを強く握って…

「私は猫の剣士。変身!」

「私はクマさん、シロクマさん。人々を楽しませるシロクマさん!」

 私たちの体に白い光の粒が集まって来る。そう、そうして私たちはそれぞれの姿に変身した。学校の部活大戦では、自分たちの学力で作り上げた戦士となって戦うのである。学校の教訓には、『やりたい事を努力して出来るようにする』という教訓がある。それに伴って要望が叶わないのならばその部活動や委員会、生徒会などに戦闘を挑むことができる。そして負ければ相手の要望を絶対に聞かねばならない。そう、それが戦う意味である。相手に戦いを挑まれてもいいようにしっかり勉強もしなければいけない。けど勉強ができるやつが強いわけではないらしい。運動部の生徒は素早さが違ったりとかそれぞれまた違うらしい。

 私たちの体から白い光の粒が離れていく。その頃にはさっきの気に入らなかった服装は私からおさらばしていた。体には防具、腰の鞘には剣があった。雪さんも同じように…いや、同じじゃない。白いシロクマの着ぐるみを着ていた。

「ゆ、雪さん…そのお姿は…」

「シロクマだよ」

「そ、そうなんですか…」

「うん、可愛いでしょ」

「とても似合ってて、雪さんらしいです」

「それじゃあ行こっか」

「はい!」

 私たちは路地の壁を飛び越えたりしてメイドカフェの裏庭に侵入した。この腕輪さえあればほぼなんでも出来ると思う。そうして私たちは本日出勤を果たしたのであった。

次回予告

さて、お店に着いたらメイド服に着替えて接客準備だ!

私目的のお客さんはいないだろうけど…


作者から

学年末テスト3週間前に入ったので、しばらくの間投稿ペースが不安定及び未定となります。

どうか温かく見守っていただけるとありがたいです。

それと只今、夏に向けてホラー?and推理?な感じで小説を書いています。この小説は人狼ゲームを主で書いているので、出した時良かったら読んでください。

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