#53自己紹介
何故、真山先生がここにいるのだろうか?その疑問がひたすら頭の中を駆け巡る。
「じゃあそこの金髪の美少女!お名前は?」
「…………………え、あ、私は佐江村梨奈です。リナと呼んでください。出身中学校?はウェストメンフィス中学校です。好きな動物は狐や猫で…好きな食べ物は和菓子です。日本に来てまだあまり日が経っていないので日本語がおかしいかもしれません。けど良かったら積極的に話しかけてください。よろしくお願いします」
「「「よろしくお願いします!」」」
なんかリナさんの自己紹介で一気に男子が騒がしくなったな。もしかして何?このクラスで魅力的な美少女ってリナさんしかいないのかな。だとしたら少し悲しいのぉ…
「次はそこの栗色の髪をした美少女!」
「私は白宮雪です。出身中学校は私立群青中学です。好きな動物はシロクマで、好きな食べ物は牛肉です。趣味は小説を書いたり読んだりする事なので興味のある人は話しかけてくれると嬉しいです。1年間よろしくお願いします」
「「「おお!」」」
男子生徒の視線が一瞬にして雪さんの胸に!雪さんが跳ね上がるかのように机から立ち上がった時、そう、そのほんの僅かに動いた胸だけで男子生徒は心ときめいてるんだけど。私は思うんだよね、うん。胸の大きさで女の子を決めるべきではないと!私もさ、胸大きいけどさ2人はそれより少し大きいくらいだよ。それにプラス大きなお尻でお姉さんキャラだよ。そっちの方が今時の男子にはもてるの!モテてしまうの!
「じゃあ次はとっておきの人!とっておきは…とっておきは美由紀ちゃん。君に決めた!」
「え…私ですか?」
「yes!自己紹介出来ないなら私が紹介しちゃうよ」
それはまずい…いけない…危険である。クラスメイトが全員、私の方へ向く。ちょっと待って…やばい。緊張する。自己紹介って緊張するよね。それに先生の気まぐれで刺されると…やっぱり心臓に悪いと思うだよね。
「え、あ、はい…私は猫沢美由紀です。谷村中学校出身です。好きな動物は猫で、好きな食べ物はコンビニの唐揚げ棒です。私は田舎から進学してきたので、知り合いがあまりいません。なので…なので良かったら仲良くなってください。よろしくお願いします」
「「「……………」」」
What!何故!何故、私だけ男子たちは無言なの!こんなの…こんなの…理不尽な!
「真山先生から美由紀ちゃんについての補足だけど私と同じ谷村中学校から来たんだよ。それで知り合いが全くいないから仲良くしてあげてね」
「真山先生、全くじゃありません」
「じゃあ次!次誰にしようかな〜」
真山先生もう聞いてない。真山先生は教えるのはとても上手いけど、それと同時にとても気まぐれな人だ。正直、初めて会った時はテンション高い先生だとしか思ってなかったけど、中学校卒業の時にはとても大切な人になってたなぁ…
「まだ自己紹介してないよ〜って人いますか?」
「「「……………………」」」
「よし、いないね。それじゃあこれから自己紹介もしたことだし、さっさと係を決めてレクリエーションしましょう。真山先生はしっかり者なので、しっかり体育館の使用許諾を取ってきましたよ!」
「「「おおー!」」」
「なのでみんなでドッチボールをやりましょう!」
「「「おおー!」」」
ドッチボールと聞いた瞬間、クラスが騒つく。ド、ドッチボールだと…私にドッチボールを挑むなど何千年早いと考えるか。貴様らとの違い思い知らせてやるわ。
「とりあえず係を決めますか!まず、学級役員から決めます。学級役員だけど委員長やりたい人とかいますか?」
シーン…やっぱりこうなるよね。学級役員というものはどちらかというと仕事の量が多いと聞く。おそらくこの学校でも仕事量がとても多いのだろう。仕事量が多いとどうなるか?それはだな…VRゲームをする時間が減ったり、部活動での活動時間が減ったりする。そうなればココくんといる時間が減ってしまうのだ。少ないココくんとのふれあい時間が減ってしまうのだよ。
「誰か立候補とかしてくれない?私、早くドッチボールしたいんだけど…」
「「「………………………」」」
この後、教室には15分程の沈黙が訪れた。
「じゃあ皆さん。これで良いですか?」
「「「良いです」」」
「じゃあこれで係の方は決定!あと授業時間は10分だから、次の時間の説明をするよ」
結局、私は雪さんとリナさんと同じ図書委員となった。図書委員の主な仕事は図書室で本の貸し借りを担当するぐらい。放課後には仕事がないからとても楽である。
「次の時間はドッチボールするからとりあえず体操着に着替えて体育館に移動してね。2時間目にドッチボールをして…3時間目、4時間目はARについての説明ね」
「真山先生…『MR』って何ですか?」
真山先生がその質問を聞くと自慢げに…
「良い質問来ましたね!真山先生はちゃんと原理を調べてきました。『MR』とは、複合現実と呼ばれ、CGなどで作られた人工的な仮想世界に現実世界の情報を取り込み、現実世界と仮想世界を融合させた世界をつくる技術です。MRの世界内では、仮想世界のモノと現実世界のモノが相互に影響します。ここがAR技術との大きな差です。AR技術は拡張現実空間の略称で、AR空間の場合、脳に情報を送って現実の景色に違うところの景色などに見せれる技術です。なので違う景色を見せているだけなので周りにあるものまでは変化しません。しかしMR技術は現実空間と仮想世界の融合された世界。なので2つの世界に影響を与えることができるのです」
「「「………………」」」
「まぁ、つまりそろそろ授業が終わります!」
キーンコーンカーンコーン…チャイムが軽快に響き渡る。私は真山先生の言っている事が少し理解できたけど完璧には理解できなかった。けどこれだけはわかった。
MR技術はAR技術とは違って周りに影響を及ぼすことができるということ。
この後、真山先生がなぜこの学校に聞こうとしたら真山先生が突如行方不明になってしまった。
そのままこの日は何事もなく終わってしまった。
いや、帰りの会には顔を出すかなって思ってたら帰りの会に副担任の緒方先生が…
「えっと…真山先生が突如失踪したので代わりに僕がやって来ました。僕は君たちの男子の体育と保健を担当します…よろしくお願いします」
「「「…………………」」」
クラスはただ騒然としていた。
何故か?
体育の先生なのにすごいヒョロヒョロだったからだと思う。
次回予告
ドッチボールじゃ!




