#21料理を勉強しようかな…
私はふと目が覚める。まだ周りは暗い…けど昨日、木を伐りに行った森の方が少し青みがかっていて綺麗だ。私はゆっくり体を起こす。
「ペルさん…早いですね」
隣で寝ていたココくんが私に言う。
「ココくん起こしちゃった?」
「いいえ、僕も今起きました」
今の時間は…あれ今まで時間が表示されていたところに何もなくなっている。
「ココくん…時間が表示されないんだけど分かる?」
「僕も時間が表示されないです」
「そうなんだ…」
ココくんもそうなんだ…ログインしてる人が多いから一部機能が使えなくなっちゃったのかな…
「とりあえず今日の予定は魚人族のところに行くんだよね」
「はい。今日はペルさんとミケさんが変身スキルを使って、ギョギョさんと一緒に僕を囮にして王様を倒すんです」
「とりあえず朝御飯は昨日の狼の丸焼きにでもしようか?」
「はい!」
私とココくんは狼の丸焼きを作り始めた。
やる事は次元収納から昨日倒した狼…森林狼を火炎魔術でじっくり焼くだけ。
「火炎魔術火炎放射!」
私は手の先から火を出す。魔力をさらにこめる。火の色が赤から青に変わる。
「ペルさんどれくらい温度が出てるんですか?」
「わからない…」
実際この火炎放射がどれくらいの温度かわからない。温度がわかれば火力調整できるのに…
ココくんがじっと火を見てる。ココくんはまだ魔術ローブのフードを被っていない。だからクマ耳が見える!朝もう少し早く起きてココくんの耳触ればよかった…今、お願いしたら触らしてくれるかな…
「ココくん…クマ耳と尻尾見せて!」
私はストレートに言う。あれ、野球のピッチャーがど真ん中にストレート投げる感じ!
ココくんは顔を赤くして、モジモジしながら
「え…良いですよ。それともこれから…」
え、良いの。それじゃあ遠慮せずに…
「ペルさん焦げてる焦げてる!」
「え…あ、本当だ!」
私は火炎放射を止める。私が妄想しているうちに狼が焦げかけていた。
「ペルさんどうしたんですか?もしかしてVR酔いですか?」
VR酔い?車酔いみたいなものかな?
「違うと思う。VR酔いって何?」
「VR酔いは長時間入ってると起きる症状で吐き気に襲われます。特に現実の体型よりも大きく変えると起きやすいらしいです」
そんなのがあるんだ…VRゲームのやり過ぎには注意だ。ミケは体型が大きく変わっているからしっかり様子見ないと。とりあえず…
「とりあえず…ココくん」
「はい。何ですかペルさん?」
「お肉どうしようか?」
私とココくんの前には焦げかけた大きな狼。これからどう調理しよう…
とりあえず…ここは年上として責任を持って行わなければ!
「わ、私が責任持って調理するから大丈夫だよ!」
「そうですか?じゃあ僕は2人を起こしてきますね」
ココくんは歩いて2人を起こしに行く。
と、とりあえず何をどうしたら良いんだろう。まだ焼けてないような気がするから火炎放射でじっくり焼くか。私は焦げかけたところ以外を火炎放射で焼いた。結果…
「ペルちゃん料理練習した方が良いよ…」
ミケが黒くなったお肉を食べながら言う。
「はい…反省してます」
「VRゲームで料理をするには調理スキルがないと難しいですから気にしなくても良いと思いますよ」
ココくんは優しい。それに比べミケは
「ココくん…ペルちゃんはいつもこんな感じだよ」
ミケがお肉を引っ張りながら言う。私、料理勉強した方が良いかな…高校の部活で家庭科部的なのあったら入ろうかな…
「そんな事ないと思います。現実だともっと料理上手だと思います。ですよねペルさん!」
ココくんが私に期待の目を向ける。そ、そんな期待の目で見ないで〜
「うん…一応は」
「普通にうまいであります!」
ギョギョさんは笑顔で言う。しかしこの焦げた狼のお肉…お世辞でも美味しいとは言えない。ギョギョさんの味覚がおかしいのかな…無理やり食べてもらってる気がする。私はギョギョさんにそっと言う。
「ギョギョさん…無理しなくて良いですよ。まずかったらまずいって言ってください」
ギョギョさんは首を傾げて言う。
「そんなまずくないでありますよ!」
ギョギョさんの味覚がおかしくなった…それか海の中じゃ狼のお肉なんて食べられないのかな。そうだ…きっとそうだ。あまりにも珍味で私が焦がしても美味しく感じたのか!と脳内変換をした。
私たちは狼のお肉を食べ終えた。というかギョギョさんがほとんど食べてくれた。残らなくてよかった…
「ペルちゃんとりあえず料理の練習した方が良いよ。というかあんなのばっかり作ってたら体に悪いよ」
「はい。練習します」
私はミケに言う。そんなちゃんと家庭科の授業出たのに…ちゃんと評価5だったのに。
「とりあえずそろそろ動き出しませんか?」
そうだ。今日は魚人族の王を倒しに行くんだっけ。
「うん。じゃあまず私とミケが変身すれば良いんだよね」
私はギョギョさんを見ながらスキル変身を発動した。私とミケの体が光り輝く。体の形が徐々にギョギョさんになっていく。
「2人とも大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ!」
とミケが元気に言う。私はうまく出来ない…
ギョギョさんのことをよく観察した上で変身してるのにうまく変身できない。もしかして私、変身と相性悪いのかな?それとも王道の敵を倒しながら進めっていう呪いかな。なんか徐々に視界のものが大きくなってる気がする。それにしてもココくんかわいいな〜なんか困った顔してるけど可愛い。お持ち帰りして、朝まで寝かせないで色々したいな〜
そんなことを考えているとココくんが
「ペルさん…なんでクマの獣人になったんですか?」
「え、そんな魚人になったはずなんだけど…」
私は自分の体を触ってみる。頭には丸いフワフワとした触り心地のもの…触っているとなんかくすぐったい。お尻にも丸いフワフワとした触り心地のもの尻尾かな…引っ張ると痛い。
ココくんが首に下げていたポーチから手鏡を取り出して私に渡す。のぞいてみると…そこにはクマの獣人の女の子がいた。身長はココくんと同じくらい。制服を着ていて、背中に剣を背負っている。もしかしてこれって私?
「私、もしかして今クマの獣人になってる?」
「はい。なってます」
私は何度か試したが、魚人族になれなかった。結局、私とココくんが囮でミケとギョギョさんが捕まえてきた魚人族をやる事になった。
身長が130センチくらいになると視界が結構変わる。去年の身体測定で155センチだったから25センチくらい違うのか…なんか変な感じだ。
私とココくんは手を後ろにして、縄で結んでもらった。何だろう…なんか興奮しそう。じゃなくて意外と痛い。一応、ココくんの魔術で簡単に切れる。一応、剣は次元収納の中にしまっておいた。剣を背負っていたら、取り上げられちゃいそうだから。クマ耳はココくんからパーカーを貸して貰って隠す事にした。ココくんの匂いがいっぱいだよ…ある意味この姿になって幸せだ。
私たちは昨日の浜辺に転移する事にした。
「じゃあ昨日の浜辺に転移するよ」
「わかりました」
とココくん。
「早く行こうよ!」
とミケ。
「頼みますであります!」
とギョギョさん。
「行くよ。ユニークスキル異世界転移!」
私たちの視界が真っ白に染まる。魚人族の王様を倒して、誘拐された人たちを助けるぞ!
私たちは浜辺に着くと、ミケとギョギョさんに後ろから掴んでもらう。何だろう…縛られてるはずなのになんかドキドキする。私ってMだっけ…
ミケは私を掴んで、ギョギョさんはココくんを掴む。
ギョギョさんが静かに言う。
「出入口に向かうので、皆さんしっかりついて来てください」
私たちはうなずく。
私たちは静かにココくんを掴んだギョギョさんを先頭に進んで行く。
浜辺には誰もいない。誰かいたらある意味大変だったかもしれない。それにしてもここの浜辺ゴミが多いな。このゴミが原因で、誘拐とかされてないよね。
ギョギョさんを先頭にして歩いて5分ほど。大きな岩の前に辿り着く。岩の大きさは約2メートルくらい。やけに丸いな…と私は思った。なんか浜辺にあるといかにも怪しい感じ。
ギョギョさんを先頭に岩の後ろに回る。そしてギョギョさんは岩の真ん中あたりを手で押す。すると突然視界が真っ暗になる。え、どういう状況…これって大丈夫なんだよね。
私とココくんとミケは表には出ていないが困惑していた。
次回予告
魚人族の国に転移。
そして私たちは二手に分かれる。これからどうなるのか!




