第9章18話 結婚式で一区切り
次の朝も我が家全員でミリーさんに感謝してカッコ良い司令服を着ていた。白いシャツに変えただけでマントが凄く似合うというか、カッコ良い。
「何か普段も着たくなりますね」
「ミリーさんが気にしていてくれなければ何時ものままでした。パトリックに箝口令までひいていたとは」
ミズリさんミアさんがと嬉しそうに話している。
「乳母の鏡みたいな人だ。何が坊やの為になるかだけが考えの基準だからな」
女王様がミリーさんに感心している。
「ミノルが子供の時からミノル専用みたいなもので、ノア様やフェン様には目もくれなかったと聞いている」
マネさんが笑って話す。
全員で館に寄ってミリーさんに晴れ姿をチェックして貰った。
「坊ちゃん、奥様方、ミリーは誇らしいです」
何時もの言葉を聞いてから式場のロドニー公の館に飛んだ。
我々は館の前に降り並んで館の階段に向かうとマントに風が入って全員のマントが広がった。
階段の上でロドニー公はレオニー夫人と迎えてくれた。
「儀礼服がカッコ良いですなぁ。羨ましい」
「本当に全員揃って歩くとカッコ良過ぎてノア様とテルリアが皆さんの引き立て役みたい」
ロドニー公夫妻と大笑いをしてしまった。ミリーさんに感謝しないと。
ホフマン家の控え室に案内されるとフェン兄さん夫妻にラルドさんハリーさんパトリックさんが既に来ていた。
「皆さん早いですね」
「ステン王子夫妻が一番乗りだったようだよ。ノアに挨拶に行っている」
フェン兄さんが面白がっている。
ハリーさんがミアさんの儀礼服を見て、また両手で顔を覆っている。
「しかしカッコ良いですなぁ。如何にも司令グループという感じで。魔国も真似しませんと」
ラルドさんの言葉で、ハリーさんが部屋の隅に隠れるようにして嗚咽と顔を隠しながら泣いている。
ドヤドヤと貴族達が入って来た。寄子さん達だった。フェン兄さんに無理矢理引きずられて挨拶をしてゆく。
元ゼンダチームのレンさんが居た。
「お久しぶりです」
「今日は父の名代で来ました。健康を少し害しまして……司令様にお会い出来なく残念がっておりました」
「今度マネさんと遊びに行きますよ」
「レン、そんなに緊張するな。本当に今度ミノルと行くからな」
マネさんが懐かしそうだ。
ステン王子がトトちゃんと部屋に入って来た。トト師匠は本当に綺麗になった。
「ライリエ伯爵が廊下でウロウロしてますよ」
ステン王子に言われて見に行くと、控え室に入り辛いのか困っているようだ。
「ライリエ伯爵、お待ちしてました。ホフマン家の招待を受けて下さり感謝しております。さあどうぞ中でお茶でも」
ライリエ伯爵がホットしたように笑顔で控え室に入って来た。俺と少し世間話をして、後はフェン兄さんに任せて寄子さん達に紹介してもらっている。
「サキバさんトメラさんがまだですね」
「あの人は王家の招待リストだよ」
「本当に!」
「ビックリですよね。王家が魔人の魔道具屋を招待ですから」
「まさか……最近王様と仲良しだったけど……」
「私もまさかとは思っているの……でも、これだけは分からないからねー」
「トメラさん呼べるならライリエ伯爵を呼んであげれば良かったのに」
「ボナブル公爵が角ポーションのファンだったのと同じくらいビックリ」
「それ本当に?」
「フェンの販売リストに載っていたモン」
ライリエ伯爵は新たな知人が出来て満足そうにしている。ラルドさんが話しながらワインを飲んでいる。
女王様とドレッチェルさんが俺とサキバさんの所に来て話していると、ミズリさんも来た。ミアさんとボニーさんはハリーさんの面倒を見ている。
「ミノルちゃんはどうしてホフマン家の一員になっているの?」
ミズリさんが聞いて来た。
「ホフマン家の男はね、館に有るあるものが見えるし触れるの。僕がそれを見てフェン兄さんに何か聞いたらフェン兄さんが『お前、俺の兄弟じゃん』て言ってノア兄さんも確認してから僕はホフマン家の第三継承者になっちゃったわけ」
「フェンから聞いた。前辺境伯は見えなかったんですって。宰相の叔父さんも見えなくてダニエル君も見えなかったらしいの」
「ふーん。それってどんな物」
「内緒」
「魔王の権利に似ているな。ラルドと私だけある物に近寄って触れたのだ。それ以来、生ける精霊になった」
「似た話しですね。じゃあの跡継ぎ騒動は無駄だったの?」
「そうだ」
全員で笑ってしまった。
「サキバはまだ触れれぬのか?」
「見えるんですけどねー」
「不思議だのう」
女王様が考え込んでいる。
「叔母様また若返ってません?」
「そうなのだ。坊やと一緒に居ると若返って来るのだ」
「僕は再生も何もしてませんよ」
「不思議じゃのう」
「いいナー」
「ミズリも若くなっているではないか」
「三歳くらい若返って見えますよ」
ドレッチェルさんにも言われてニマニマしている。
ノア兄さんとテルリアさんが顔見せに来た。テルリアさんが相変わらず顔を紅潮させて汗ばんでいる。
「こんな日は少し控えれば良いのにな」
「あんな天然ボケの美人はめったに居ないですから、ノア兄さんが暴走しているように思ってますけど」
「私はテルリアさん主導だと思う」
女の感は鋭いからサキバさんが正しいのかもしれない。
「皆様、庭園にお集まり下さい」
執事さんに連れられ庭園に移動した。庭園は見た事の無い貴族達で一杯だった。
「身内で簡単にではなかったのか?」
マネさんが不思議そうにしている。
「家とロドニー公とボナブル公爵の寄子さんだけでも30人くらいで王様の関係者を入れるとこうなっちゃったのよ」
フェン兄さんが諦めたように言った。
箕輪さんがサラリーマンスーツで駆け込んで来た。
「遅れるところでした。スミマセン」
相変わらず忙しそうだ。ノア兄さんが役に立って無い。
「王国の新一大勢力の御披露目だな」
女王様が面白そうに眺めていた。
庭の雛壇で王様により婚姻を認められノア兄さんとテルリアさんは公式の夫婦となった。流石にパレードをしなかっただけで十分に立派な結婚式だった。
王様の子飼い貴族達やロドニー公、ボナブル公爵の寄子さん達の挨拶だけで疲れ切ってしまった。
慣れない仕事はするものじゃ無いなとつくづく思った。
結婚式の最後は我々夫婦全員による祝福魔法で、そこいら中キラキラだらけにして終わった。
どこで使ってもこんなに喜ばれる魔法は無いと思う。
ホフマブルグに午後に帰ってから騎士団のパレードの後、館前の広場で市民に御披露目して酒と料理を無料で振る舞い夕方に全ての結婚式日程が終わった。
「男兄弟だけだから簡素にし過ぎだったかな?」
「いや、俺から見ても派手過ぎたくらいだ。フェンとミノルには心から感謝している」
ノア兄さんがテルリアさんと一緒に来てフェン兄さんと俺に言ってくれた。
疲れたので洞窟にサッサと帰って池に浮かんだ。
「これで一区切りですね」
テリッチさんが側に来てホットしている。
確かにホフマン家にしてみれば一区切りだけど、皆が眼を瞑っているだけで余裕が無くて無視している事も有る。
パスコ王国の領土の4分の1以上が王様の権力の外に有り、その原因は俺が資金援助して延命させた辺境伯達に有る事を。




