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第9章14話 トメル公爵にプレゼント


 我々は全員で洞窟に帰って来た。俺は暫く女王様の池で療養だったので、久し振りの我が家だった。


「ノア兄さんの結婚式まで、後一週間チョットだから早く手を打たないと面倒な事になるよね」


「そうですね……結婚式の日に王都占拠とかなると、結婚式どころじゃ無くなると思います」


 テリッチさんが不快そうに応える。


「今まで放って置き過ぎたのだ。一連の騒ぎの背景には必ずソシル子爵かトメル公爵が居たのに、王都の隣りで面倒だから放置したのが間違いなのだ。儂は今叩くのに賛成だぞ」


 マネさんが過激になっている。


「アデルに手を出したのも彼奴が最初と言う噂だ。トメル公爵を沈めれば誰も手を出せ無くなるぞ」


 女王様の言葉で方針が決まった。


「またダンジョンの魔獸を使いません? いつものに、35層の巨大イノシシの群れと20層の地獄の使者5体

に30層のブレス吐くデカいボスも付けてあげるとか」


「いいですね! 37層の何時のやつと3メートルを超える巨大イノシシは仲が悪いらしくて、一緒にすると群れで走り回って戦うみたいですよ」


 ポニーさんが嬉しそうに話している。


「じゃトメル公爵のライテンブルクを叩きましょう」


「じゃボス階用の大きな魔法陣を作りますね。余り動いてくれませから」


 テリッチさんが仕事に掛かった。今回は出口の魔法陣は一週間用を使う事となった。今まで使っていた3日用が倉庫の引っ越しで行方不明なのが理由だ。


 ミズリさんとポニーさんが35層の巨大イノシシのフロアに魔法陣を仕掛けに行ってすぐに帰って来た。


「飛べないワイバーンみたいのも巨大イノシシも増え過ぎで溢れそうです。ついでに39層の巨大なトナカイと牛の混血みたいなヴオフォォーンの群れの所も魔法陣を設置しておきました」


 ポニーさんが報告してくれた。


「クマさんは増え過ぎて無いの?」


「時折ロドニー公の平野に放してますから大丈夫です」


「出口も数カ所必要だな」


 マネさんにミアさんがニヤニヤしている。


「女王様に言われて先週のうちに三カ所に設置済みです」


「黙ってやって悪かった。何かキナ臭かったのでな……坊やに負担を掛けたくなかったのだ。スマン」


 女王様がマネさんに謝っている。


「いや謝る必要など有りませんぞ。ならテリッチの大型魔法陣が出来たらすぐに出来るな」


 ポニーさんがどこかに行って帰って来た。


「ライテンブルクは兵で溢れてます。ざっと城内と場外に二万くらいは居ますね」


「時間的余裕は無いようだな……」


「魔法陣が出来次第始めましょう。20層と30層の地獄の使者シリーズから送りたいな」


「坊やも好きだな」


 女王様に笑われてしまった。


「王様に念話で現状を伝えて、ライテンブルクの兵に気が付かないふりをして貰って下さい」


 ミアさんが念話を始めOKを指で作り俺に見せた。


 テリッチさんの魔法陣が出来たようだ。


「ボス階は毎回綺麗にクリアされるので、実験的に床の材質を変化させてみる事にしました」


 テリッチさんが魔法陣が描かれた紙を出した。


「最初にサッサと全滅させて、拡縮して床全面にこれをひいてから魔力を流すと床の材質に溶け込んでしまう予定なんですよ」


「じゃ、30層の三体を全員で方付けて魔法陣設置しましょう」


 俺の提案に全員ですぐ行く事になった。


 30層に着いて部屋に入ると、相変わらず10メートル近い大きな赤茶色の身体牛と羊を混ぜ合わせたような頭が迫力だ


「ブオオーン」


 大音量の吼えも迫力満点だ。全員で氷弾を撃つとアッサリ終わってしまった。ご褒美を貰って粒状化で床を綺麗にしてテリッチさんの魔法陣を出して設置を始める。

 全員で空中に浮いてテリッチさんが魔法陣に時間を掛けて魔力を流し込む。

 魔法陣が床全面に模様のように見えるが床はツルツルだった。


「これでイケると思うのですが。5回は送れるくらいの魔力は入れてあります。魔力不足になると魔法陣の模様が薄くなる予定です」


 早速やってみる事にした。ボス部屋に入り直すとボス三体が現れて、吼える前に居なくなった。何故かご褒美の宝物は出て来た。

 フロアに存在しなくなると終了判定らしい。


「透明化してライテンブルクに見に行こう」


 マネさんが嬉しそうに言うと、ミアさんが全員をライテンブルクに運んでくれた。

 巨大型地獄の使者はいきなり領主館にブレスと両手のファイヤーボールを叩き込んでいる。


「ブオオーン」


 領主館前の広場に仕込んだ魔法陣から出現して、いきなり一番大きな建物を叩いたらしい。集合していた兵士達が慌てふためいている。


『上手く行っている。もっと送るぞ』


 マネさんの念話で俺と女王様が残って、皆さんダンジョンにワープして行った。

 5分もしないうちにまた3体の30層ボス、巨大地獄の使者が現れた。

 正門前広場からは飛ばないワイバーンが走り始めた。スピードと数の迫力は満点だ。始めて見たので感心してしまった。

 中央広場みたいな所からは3メートルを超える巨大イノシシが飛び出して来た。群れで走り回っているので破壊力がハンパ無い。


 あちこちで兵士達が蹴散らかされている間に30層のボスは15体になっていた。

 マネさん達が確認に来たが、ただ見ていても仕方無いので昼食をとりに宿に行きエールで乾杯した。

 とても美味いエールに感じられた。


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