第9章12話 魔国反乱軍3
3人に治療と浄化魔法をかけてから指令テントに戻った。
「計画は決まりました?」
「はい。全軍を平野に招き入れてから、魔術師の皆さんに敵魔術師と弓部隊、雑兵を中心に半数くらいにして貰えると有り難いです」
フライト将軍からの要請で、他の隊長さん達も納得しているようだ。
「構わないですよ。それが終わったら我々は敵の城を無くしに行きますので。それでよろしいですよね?」
ラルドさんが頷いている。
「ミノル司令。敵が平野に入り始めました」
フリンさんが伝えて来た。
「いかにも陣地構築中に見せて放っておこう」
「了解です。敵が陣地を整えるのに2時間は必要と思われます」
思ったより早い展開だ。
「兵士達を先行させてます。補給部隊まで平野に入れるのなら4時間くらいと思われます」
「じゃ2時間後に開戦予定でお願いします」
「こちらに雑兵がいないので、敵は早めに攻撃して来ると思われます」
「街道上で半数くらいにしてしまいます?」
「いや、先に敵の城を片付けてしまいましょうよ」
テリッチさんが早く山を崩したくてウズウズしているようだ。
「大分離れているので奴らも気が付かない可能性が高い。やってしまおう!」
参謀長の女王様が決定した。城の攻略に我が家全員と経験付けにステン王子。サキバさんにトメラさん残りの魔術師達は騎士団に付いていて貰う事になった。
「この仕事も慣れてくると感慨に欠けるな」
マネさんがボソッと言った。確かに何回もやっている仕事だが気分の良いものでは無い。ステン王子は少し緊張気味だ。
「城崩しは経験しておいた方が良いだろう」
「はい! 是非御願いします」
ステン王子が元気良くマネさんに応えていた。
「全員、透明化して先程の山にワープする」
透明化して山頂の目立たない場所に着くと、岩陰に隠れて城を観察してみる。
「人が殆ど居ないな。本気で最後の決戦のつもりなのか?」
マネさんが驚いている。城下町も無人に近い。
「リリアドルフでわかるように、人心が離れてしまっている。本当に最後の戦いではないかな」
女王様が気の毒そうに言った。
「良いか、後ろの山もついでに崩す! 最初に城を崩したらすぐに山にかかるからな」
「はーい」
「城に全員で爆裂三連射」
全員でワンドを取り出し構える。
「爆裂!」
マネさんの号令で全員が一斉に爆裂を発射した。先にバリアーを張っておいたので直撃は避けたのだが、凄い光と爆風が襲って来た。バリアーの中を冷却しているのだが、温度が上昇してゆく。
「一時、旧魔国王宮に撤退!」
マネさんの撤退命令が出たのでワープで撤退した。
「凄い熱波でしたね!」
ステン王子が驚いている。
「あんなのは初めてですよ」
テリッチさんも驚いている。
「全員が思っているより強くなっているのだと思うよ」
「坊やの言う通りだ。熱とホコリが収まるまでここに居よう」
女王様がエールを王宮従者に注文している。
「平野まで爆発音が届いたようです。敵軍はまだ半分くらい届いてないらしいですね」
ポニーさんが念話で報告を聞いている。
「敵の指揮官は城を捨てての決戦のつもりだ。平野に2万の軍勢を入れるまで自分からは動かんだろう。こっちは準備をしているような動きをして待ちだな」
女王様が待ちの決定をし、マネさんも合意した。
「少し早めに平野に戻りましょう。城に後2~3発打ち込んで指令テントに戻りませんか?」
俺の提案に皆さんが賛成で、さっそく城に飛んでみた。
「まだ埃っぽいな」
マネさんが目を細めて城を見ている。
「城は無くなっているようです。後ろの山崩しをしましょうか?」
またワンドを持って全員で爆裂を三連射して、自分達がやけどする前に即座にワープで指令テントに戻った。
平野には両軍、陣を張り伝令将校が馬で走っている。映画みたいで、やたらカッコ良い。
「面倒くさいので始めてしまわぬか?」
女王様が騎士団隊長達に言うと、全員が頷いた。
「魔術師達は全員透明化して空からの攻撃となる。魔国の飛竜に魔術師が乗る場合が多いので注意。飛竜騎兵、魔術師、弓部隊は我々魔術師が片付ける。後、雑兵を刈って1万くらいの敵軍にした所で魔術師の仕事はお仕舞いだ。これで良いか?」
女王様の説明に隊長さん達と将軍が頷いている。
「では全員念話チャネルを開けフライト将軍の準備終了報告で開戦だ」
マネさんに即されて隊長さん達が各自の隊に行き訓示を始めている。陸上の総指揮官は魔国が戦場だし、軍の規模が一番大きいフライト将軍だ。パスコ王国側の総指揮官はドロン騎士団隊長。
フライト将軍が訓示を終え、ドロン騎士団隊長に一言を即す。
「我々連合騎士団は本日、魔国国王に命を捧げようではないか!」
「オー」
騎士団全員が剣の柄で胸プレートを叩く。
「バン バン バンバン」
かくして戦争は開始された。
『魔術師全員透明化、最初に敵飛竜騎兵、魔術師、弓部隊を徹底的に叩き潰します 横隊列を崩さないように』
久々の戦闘指揮に緊張してしまっている。
射程距離の長い俺と女王様が敵弓部隊を雷神で攻撃開始した。二人で6発くらい打ち込んでいると、マネさんが続いて雷神攻撃を始めた。
慌てた敵飛竜騎兵が奥から飛んで来た。我々全員の集中攻撃を食らって撃墜されて行く。
『400騎くらいだな。少ない……』
女王様が飛竜騎兵の少なさに驚いている。
『魔術師の反撃も終わったようなので、雑兵を削って下さい』
『ミノルは参加禁止だ。テリッチと山を見に行っくれ』
最近は一方的な戦いでは仲間外れにされてしまう。マネさんに抗議しようとした時にはテリッチさんに捕まってワープしていた。
「さあミノルさん。私達は片付けてしまいましょう」
山が殆ど無くなっていた。
「見に行ってみます?」
「まだですね。ホコリが降って来てます、あっちの山に移動しましょう」
移動した山の木陰でテリッチさんにヨシヨシして貰っていると寝てしまった。




