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第9章11話 魔国反乱軍2


 マネさんと女王様が帰って来た。


「なかなか帰ろうとしないので、先に帰って来た」


 二人はウンザリ気味だ。


「装備を見て一万相手でも行ける、みたいな事を言い始めた」


 マネさんが呆れている。


「今、我々に任せてくれるなら安全に終わらせるのだが……」


 女王様も心配になって来ているようだ。


「まだ帰って来そうも無いなら僕はコーヒーモドキを飲んで来ます」


「儂も行く」


「私も行くぞ」


 マネさんと女王様も参加でリリアドルフに行く事になった。


「ポニーとミアで話しを進めて置いてくれ」


「用が有ったら連絡をしますよ」


 テリッチさんが材料の在庫帖を見ながら笑っている。


「司令様、オヒサでーす」


 リリアドルフのカフェテラスに行くと、何時ものお姉さんが全員のコーヒーモドキとクッキーを持って来た。


「最近、何か変わった事は有ります?」


 お姉さんは腕を組んで、右手の人差し指で顎をポリポリしながら首を傾けた。


「魔国からのお客様の質で変わりましたね。立派な服を着ている紳士やレディーが増えて、リリアドルフの宿やお店も高級化してますよ」


「へー、そうなんだ」


 カフェテラスの前を魔国の紳士と淑女が腕を組んで、女王様に挨拶して通り過ぎて行った。


「お忍びで来ているようだ。魔国の伯爵夫妻だ。以前なら、どっちにつくか大騒ぎするのだが……平和になっているようだだな」


 女王様が夫妻に手を振りながら話している。


「魔国との交易は絶好調だからな。もめ事に関わらない方が利益になるのだろう」


 マネさんが海を見ながら話している。

 港の船も小綺麗な貨客船が増えて、リリアドルフの雰囲気が高級化しているようだ。


 クッキーをポリポリ食べているとお腹が空いて来た。


「久しぶりにエビのバターソテーでも食わぬか? 腹が空いて来た」


「私も食べたいが、料理が来た頃に迎えが来ると思うぞ」


「僕もそう思います。サッサと戻って作戦だけ終わらせてからバターソテーとエールにしません?」


 3人で指令テントに戻る事にした。指令テントの中はドロン騎士団隊長とフライト将軍が残りの隊長さん達を説得している最中だった。


「魔国軍もホフマン軍も土魔法のレベル70以上は50人くらいは居る。先に穴など掘らなくとも必要な時に穴なり壁なり作れば良いではないか」


 フライト将軍が経験の浅い指揮官達を説得している所だった。


「先に地形をいじると、かえって動き辛くなるからな。まして今回は飛竜騎兵も居るので騎士は自由に動ける方が楽ですぞ」


 ドロン騎士団隊長も丁寧に説得している所だった。

 魔術師の少ない軍隊と魔術師が多い軍隊では戦いが全く違うので仕方無いのだが、理解し辛いようだ。


「新しい作戦に順応する為に、今回は参加させて貰ったのだ。素直に学んで帰るべきじゃぞ」


 なんとボナブル公爵が一言で議論を終わらせてしまった。


「ミノル司令は何度も戦い、魔術中心の作戦が正しい事を証明したて来たのじゃ。学ぶのだ」


 王様も説得してくれて丸く収まったようだ。


「ではミノル司令に、どのくらい間引いて貰うか決めてしまいましょう」


「先程見た所では大型の武器も無いようですから、1万相手でも行けるように思いますな。飛竜騎兵もおりますので」


「フライト将軍は強気ですな。安全第一なら5000くらいにしておいた方が良いと思いますぞ」


「ドロン騎士団隊長。反乱軍の魔術師達のレベルは低くて攻撃魔法でレベル60くらいしか無いのです。それも多くは複製人間ですから、思考力も欠けてますので、1万くらい残さないと演習にもなりませんぞ」


 という議論の末、取りあえず魔術師達で半分の軍勢を間引いて様子を見ながら演習をする事になった。


「敵はまだ半分も来てませんから全軍行動の演習をしてます」


 フライト将軍からの報告が上がって来たので、我々はまたミアさんとポニーさんに任せてリリアドルフに行く事にした。サキバさんがリリアドルフを知らないらしく誘ったら喜んで付いて来た。


「司令様お帰りなさい。何にします?」


「エビのバターソテーとエールを頼む」


「はーい」


 マネさんはここのバターソテーがお気に入りだ。


「坊やは良い店を知っているな」


 女王様とサキバさんは海を見ながら食事が出来るカフェテラスが気に入ったようだ。港を歩く人達も女王様とサキバさんに軽く挨拶して行く。


「魔国の貴族が相当遊びに来てますね」


「本当に信じられないな。皆にこやかに挨拶して行く」


 穏やかな光景に女王様とサキバさんが驚いている。


「ここの治安は相当良くなりましたし、城壁も出来て来てますから観光ついでに食事に来れるんだと思いますよ」


「魔国の港は治安が良く無いからな。これなら港を楽しめる」


 お姉さんがエビのバターソテーを配り出した。バターと香草の良い香りが広がった。


「相変わらず美味いな!」


 マネさんはエールとエビに専念している。


「魔国には、こういう場所が無いですから魔人には良い観光地ですよね」


「そうだな、魔国の港町は殺伐としているからな」


「話しているとエビが冷めますよ」


 女王様とサキバさんが食事を始めた。


「「美味い!」」


「このテラスで、この料理は反則ですね」


「私もそうだと思う」


 これから戦争だというのに、二人もマネさんと一緒にエールをガブガブやり始めた。


「皆さん飲み過ぎないで下さいね」


「ミノル、大丈夫だ。任せておけ」


 あてにならない。テリッチさんも現れた。マネさんが呼んだようだ。酒好きが良いつまみを手に入れて、控えめにしている訳が無い。


「山を崩すまでヒマですよね」


 テリッチさんは自然破壊しか興味が無いようだ。


 結局昼過ぎにポニーさんが迎えに来るまで飲み食いを続けていた。


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