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第9章08話 演習の打ち上げ


 演習後ホフマブルグの騎士団練習場まで街を合同騎士団のパレードをしてから、合同打ち上げが行われた。合同騎士団パレードは街の人達にも好評だったようで、珍しい魔国の飛騎竜部隊が大人気だった。


 練習場では騎士団と警備隊の調理担当が腕を振るい御馳走が並び、参加者全員がエールと御馳走に満足している。


「本日の合同演習は皆のお陰で大成功だった! 指揮を執らせて貰い光栄である。参加者全員のホフマブルグパレードまでさせて頂き、全て任せてくれたミノル司令に感謝して乾杯!」


 壇上の各騎士団隊長の中、ドロン騎士団隊長の代表挨拶で宴会がスタートした。


「壮観でした! 我等が顔を出さないで兵だけでパレードは良いものですね」


 ロドニー公がパレードをベタ誉めしている。


「私もそう思いましたぞ。戦った者がパレードをするのが当たり前ですからな」


 ボナブル公爵も満足のようだ。王様もステン王子の親衛隊で面目を保てたのでゴキゲンだ。


「テリッチさん満足するだけ集まった?」


「ミノルさん、最高ですよ。サイクロプスは22体だったので何百年分の素材が手に入ったのか、信じられないくらいラッキーです!」


 山分けして貰ったトメラさんは、角を貰って嬉しいのかポッポポッポと良い匂いをバラまいている。


「もう存在して無いと言われてたサイクロプスの角ですからね。粉末はミノルさんが買った材料セットに小さな瓶が入ってましたけど、それが最後と言われてました」


「そうなんだ」


 俺は何に使うのかも良く解っていなかった。


「今日の演習はいきなり始めたのに、色々な貴族のスパイが来ているらしいですな」


 王様が気になっているらしい。コロン騎士団情報隊長とトレル警備隊情報隊長を呼び出して聞いてみた。


「5~6人は確認しております」


「1500人を超える合同騎士団のパレードまでやって秘密も無いだろう」


 マネさんが笑って言っている。


「マネ殿、他の領主から見るとホフマン、ロドニー、ボナブル三家による示威行為に見えると思いますぞ」


「それならセルファン王国と戦った時から同じだと思いますが」


 マネさんがボナブル公爵と話している。


「イヤ、完全な示威行為と捉えると思うぞ。これで殆どの貴族はホフマン、ロドニー、ボナブル三家に手を出せなくなったと考えるべきだろう。魔国と手を組んで魔術師集団無しでモンスターの大群を片付けたからな」


「そうですな。最強の魔術師集団が参加したら10万くらいの軍勢出してもどの領地も落とせ無いし、攻められる恐怖の方が強いと思いますぞ」


 女王様と王様が同意している。


「この状態に対処したい貴族は王都に駆け上がるしか無いだろう」


 ロドニー公が冷たく言い放った。


「ノア殿の結婚式前は止めて欲しいですな。迷惑ですぞ」


 ボナブル公爵が心配そうだ。


「魔国に女王様の後釜派の討伐に三家で軍勢を出せば暫く大人しくなりますよ。親戚の結束力を見せ付ければ引くと思います」


「そうして貰えると助かります。あの一派が煩くて。未だにマレリア女王を暗殺しようとしているらしいですし」


 ラルドさんがウンザリして話している。


「今月中にやりますか? 殆ど僕達で終わりますし、また陸戦の演習にもなりますよ」


 俺が提案すると、全員賛成らしくにこやかに頷いていた。



 宴会の後にノア兄さんに、我が家の奥様達とサキバさんが呼ばれた。俺とフェン兄さんも一緒に来いと言うので全員でゾロゾロと応接室に向かった。


「なんだか知っている?」


「俺は知らないよ。結婚式の話しかな? これって家族全員だろう?」


 言われてみると確かに家族全員だった。


 応接室に入るとノア兄さんとテルリアさんが待っていた。テルリアさんは相変わらず赤らんだ顔と汗っぽかった。


「皆さん、とても忙しい中、集まって貰って感謝します。本来なら私がもっと働かなければならない所、皆さんに任せてしまって申し訳無いと思ってます」


「素直に辺境伯を継げば誰も文句を言わないから気にすんなよ」


 フェン兄さんが面倒くさそうに応えている。


「お前な、他所の家では兄弟で殺し合って取り合う地位なんだぞ」


「俺、要らねー」


「僕もお断り。司令も早くクビにしてよ」


「……」


 ノア兄さんが絶句している。


「……今日、皆さんに集まって貰ったのは、何を今更みたいな話しですけど絶対に放っておけないと思う事をやってしまおうと思ったからです」


 皆で?マークを出しているとノア兄さんがプレートを出してテルリアさんと配り始めた。


「私達に出来るのは、こんな事くらいですけどテルリア共々これからもお願いします」


 ノア兄さん達は女王様から順番に挨拶しながらプレートを配っている。


「坊や、良いもの貰ったよ」


 女王様が見せたのはホフマン家の紋章入り個人プレートで「マレリア・ホフマン」と記されている。


「生まれて初めて苗字が付いた」


 マネさんが笑っている。サキバさんがとても嬉しそうだった。


「登録もキチンとし直してフェンもミノルも独自になり、正式な婚姻届としておきました。全員、住居は館となってます」


 皆に礼を言われてノア兄さんが照れている。


「食堂に用意が有ります。たまには避けて無いで館で食べて下さい。暫く前からコックは変わって美味しくなってます」


 全員で移動の時、フェン兄さんが来た。


「アイツ、少しは気を使うようになったみたいだな」


「まさか、テルリアさんが入れ知恵したに決まってるよ」


「なるほど。納得した」


 食堂に入ってからは、女性軍が盛り上がって俺とフェン兄さんが久し振りにゆっくり話しているのに、ノア兄さんはポツンとしていた。


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