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第9章06話 合同演習1


 正門の外に騎士が集結し出した。ロドニー公とボナブル公爵は自領が手薄になる程の騎士を参加させる。フライト将軍は魔国騎士団500名、飛竜騎兵300名を参加させる。


「スミマセンなワガママを言って。魔国も若手育成に苦労しておりましてな」


 ラルドさんも大量派遣に恐縮している。


「騎士団だけで1200ですな。飛竜騎兵が300、この演習は見物ですぞ」


 王様がワクワクしている。でも演習では無く実戦なんですけど。


 外に並んだ騎士団をドロン騎士団隊長、フランツ騎士団隊長、サンスタイン騎士団隊長、フライト将軍が騎馬して整列させている。以前映画で見たワーテルローの戦いみたいでカッコ良い。

 魔術師と飛竜騎兵が飛び始めた。空中に整列してから魔獸の森に入るようだ。


「サイクロプス見学に行くか?」


 マネさんが俺達に言った。


「私は久し振りに見たいな」


「僕も見たいですね。見た事無いですから」


「目から光線を出すらしい。ミアとポニーに怒られないように、少し離れて見るぞ」


「はーい」


 女王様が大笑いしている。

 透明になって見に行ってみると、サイクロプスは最後尾にいた。頭一つ森の木から飛び出しているのですぐにわかった。

 テリッチさん達が飛んで来て雷神を撃つと、サイクロプスが轟音と雷光の中で吼えた。


「ギャァァー」


 大きな顔の中心に有る一目から青い光線が放たれた。テリッチさんはヒラリと光線をかわすと、大きな氷槍弾をサイクロプスの目に突き立てた。

 サイクロプスが、ゆっくりと後ろに倒れてゆく。


『飛竜騎兵は光線を避けて後ろで待機!』


 念話からミアさんの指示が飛ぶと、魔術師集団が一斉に大型氷槍弾がサイクロプスの眼に飛んで行く。

 やはり女王様にリミッターを外して貰った我が家の奥様達の氷槍弾が大型で、眼を貫かれたサイクロプス3体が倒れてゆく。

 他の魔術師達も二発か三発でサイクロプスを倒してゆく。あっという間にサイクロプス20体が全滅した。


 竜騎兵達はトロルの間引きを始めている。トロル20体を騎士団に渡す為に気を使っているようだ。

 魔術師達が雷撃でトロルを追い立てている。オーガやオークと少し離れているので、まとまって森から出るようにしているようだ。

 あちこちからピカピカドンドンと雷撃の騒音と雷光で、森から追い立てている。


『距離とスピードから見て1時間くらいは、森から出て来ないな』


 マネさんが三人用の念話チャンネルで言って来た。


『ギルドに戻ってエールでも飲むか』


 女王様が、やる気無さそうに言って来たので俺とマネさんも賛成して冒険者ギルドにワープした。


 ギルドに戻ると王様、ラルド魔王、ロドニー公にボナブル公爵が4人娘達とゴキゲンでエールを飲んでいる。


「まだ攻撃は始まりませんか?」


「一時間以上はかかりますね」


 王様の質問に俺が答えるとエールの追加をボナブル公爵がしている。


「ホフマブルグは自由で明るくて良いですな。冒険者にこんなに可愛い若い娘が居るなんて信じられません」


 ロドニー公もボナブル公爵も獸人と魔人ダークエルフに囲まれてゴキゲンに飲んでいる。


「スミマセン。騒がしいのばかりで。こいつら僕の古い友人で、ステン王子の先生なんですよ」


「甥が世話になってばかりでスミマセンな」


 ロドニー公が嬉しそうな顔でネコ耳イリアの頭をモフモフしている。


「孫が世話になって申し訳無いですな」


 ボナブル公爵もゴキゲンだ。二人共人族だらけの領地を持っているのが信じられない光景だ。


「皆、冒険者ギルドで飲むのは初めてであろう? 良いものだぞ。ここのエールも焼き肉とソーセージも美味いのだ」


 800歳を超えた女王様が一番偉そうにしている。なにせ子供の時のボナブル公爵を抱えた事が有るらしく誰も文句を言えない。


「サイクロプスはどうでした」


「ここのダンジョン30層のボスより弱いくらいですね。簡単に片付いてましたよ」


 王様がサイクロプスに期待していたようだ。


「トロルが20体残してあるので、楽しめると思いますよ」


「ウチの飛竜騎兵は働いてましたか?」


「まだ慣れてないみたいだが頑張ってましたぞ」


 マネさんがラルドさんに応えている。


「飛竜騎兵は作り直しでして、大量に訓練中なのです」


「増員ですかな」


 王様が興味深く聞いている。


「古い連中が反乱軍に付いて、ミノル殿に全滅させられたのですよ」


 全員で大笑いとなった。


 この後はパトリックさんが色々な種類のフライとカツを持って来てくれた。


「外はリヒトブルグからも冒険者が来て、冒険者アーチャーだけで200人が城壁の上で待機中ですよ」


 パトリックさんの報告を聞きながら皆、揚げたてフライに集中している。


「ボエナブルグにも店を出して貰えることになりましてな。楽しみなのです」


「家も妻と食べに行くようになりました。買って来て館で食べるより楽しいですぞ」


 ロドニー公とボナブル公爵がフライ談義をしていると、トレル警備隊情報隊長が現れた。


「もう少しでオーガが現れると思いますので、皆様城壁の方へ移動なさいますか?」


 この人達が移動しない訳が無いだろう!


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