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第9章03話 トト師匠


 宮殿に行くとテリッチさんが既にラルドさんと酒盛りになっている。


「これはこれは親戚大集合ですな」


 ラルドさんが嬉しそうだ。


「ミア・ポニー・ミズリは王様の招待で王宮で昼食会ですからこれで全員です」


「ステン王子とトト師匠を呼ぼうではないか」


 女王様が面白がって提案した。


「トト師匠には会いたいですな」


 ラルドさんとロドニー公が乗り気になっている。


「よし、儂が連れて来る。ギルドに帰っている頃だ」


 マネさんがワープして行ってしまったと思っているとすぐに二人を連れて来た。


「丁度二人でギルド飯を食べておった」


 二人は何も分からずキョトンとしている。マネさんは完全に拉致して来たようだ。


「トトちゃん、魔王様とロドニー公だよ」


 トトちゃんが目を丸くしたまま固まっている。


「トト師匠、甥が大変世話になっておるようで一度挨拶せねばと思っておりました」


 ロドニー公が公式に挨拶している。トトちゃんは魔法帽子を手に呆然としている。


「まあ、二人共座るが良い。これが私の弟だ、これから宜しくな」


 女王様がステン王子とトトちゃんを自分とラルドさんの間に座らせてトトちゃんの頭を撫でている。


「今日トトちゃんに来てもらったのは他でも無い。ステン王子がホフマン家の客人としてノア殿の結婚式に参加する事になってな。すると第一王子がステン王子に手を出す可能性が出て来るのだ。

 そこでトト師匠に結婚式に参加して貰い、ステン王子を守って貰いたいのだ」


「何とか甥を守って貰えませんかな?」


 ロドニー公もノリノリのようだ。


「結婚式のドレスはパトリックさんが揃えてくれるから気にしないでね。全てホフマン家が費用は持つので安心して」


「第四王子と出席に相応しいドレスを作らないとな」


 マネさんがトトちゃんに絶対にドレスを着せる気だ。


「ステン王子も文句は無いな」


 ロドニー公がステン王子を脅している。


「は、はい叔父様」


「トトちゃんも受けてくれるよね?」


 俺がたたみかけるとトトちゃんは思考力停止状態で返答した。


「は、はい。頑張ります」


「カワユイ声ですなぁ」


 ラルドさんがニコニコしている。トトちゃんはロボットみたいに固くなっている。


「ステン王子。トトに飲み物でも勧めてやれ」


 マネさんが少し助けに入った。だがトトちゃんが護衛を引き受けてくれると警備が楽になる。有り難い事だ。


「王様を誘ってみたらすぐに来るそうです。ロドニー公も夫人をお呼びしたら如何です?」


 ラルドさんがどんどん悪乗りしている。


 王様達はすぐに現れた。家の奥様方の他トメラさんまで居る。

 王様は何とトトちゃんに自己紹介している。


「トト師匠には王子が世話になって……何と礼を言って良いか。お陰様でステン王子は男らしくなりましたぞ」


 王様が少し涙を浮かべている。本気で感謝しているようだ。迷惑そうにしていたステン王子まで神妙な顔付きになっている。

 トトちゃんのカクカクロボット化はより一層進み、魔法帽子を手にペコペコしかしなくなっている。


 女王様が王様にステン王子がホフマン家の客人として結婚式に出ることや、トトちゃんがステン王子の護衛も兼ねてステン王子のパートナーで結婚式に出席する事を説明している。


「そのようにして貰えれば助かりますぞ」


 王様も快諾だった。

 フェン兄さんも現れトトちゃんと挨拶をしている。


「これだけの顔ぶれですから、ついでに式当日護衛の仮打ち合わせもしてしまいませんか?」


 フェン兄さんらしく合理的だ。

 全員の賛成でドロン騎士団隊長、フランツ騎士団隊長を呼んで式典と警備の話しが始まった。


「ロドニー公の顔を潰さないようにとは思うが、ここを狙うのが次の国王を狙う者には最大の機会だぞ。ホフマン家とステン王子の騎士団も出さないと奇襲をかけられる可能性が高い」


 女王様が心配そうだ。


「確かに言えてますな。相手が諦めるくらいの兵力を見せ付けて諦めさせるのが安全と思われますな」


 ロドニー公も現実的のようだ。


「ホフマブルグにも同じようにしておきませんとな。ミノル殿お馴染みフライト将軍の騎士団でも出しましょうか?」


 ラルドさんが気を使ってくれている。


「なら、結婚式に魔王も出席するのだから式典もホフマブルグも三騎士団とステン王子親衛隊で守れば良い。王国の貴族達だけで無く、魔国内の敵にも脅しがかけられるぞ」


 女王様は本当に頭が良い。


「面白いですな。女王後釜派の慌てる顔が見たい」


 ラルドさんが面白がっている。


「私も国内貴族達の慌てる顔が見たいですな」


 ロドニー公が言うと王様まで笑って頷いている。


「ではその方向で打ち合わせを進めましょう」


 俺も賛成して話しが進む事になった。フライト将軍が呼ばれフェン兄さんから説明を聞いている。


「宜しかったら、ラルドさんの騎士団も毎日の合同練習に参加しません?」


「嬉しいお誘いですな」


「是非やるべきと思いますぞ。合同練習で私の騎士団がどれだけ強くなり、騎士らしくなったか言い表せません」


 ロドニー公も賛成で騎士団合同練習が決定した。フライト将軍が嬉しそうなのが印象的だ。

 ステン王子とトトちゃんを酒菜に重要事項がスムーズに決まった一日だった。


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