第8章02話 オークプチ発生
ミアさんと冒険者ギルドに行くとダンクさんチームが居た。
「何か用が有るんだって?」
「ワンルームという安い住む所が出来ると聞いたのですけど」
トトちゃんが切り出した。
「出来るよ。月に4万デルしないで、風呂とトイレが部屋に付く筈だよ」
「安いですよね。私達も借りれますか?」
「5人全員?」
4人娘とトトちゃんが頷いている。
「ホフマブルグとかリヒトブルグのは、まだ出来ないけどダンジョン前のはそろそろ出来ると思う。魔法陣でホフマブルグやリヒトブルグのベッドハウスとも繋がっているから便利だと思うよ」
「パトリックに聞いてみますよ」
ミアさんが念話で話している。
「来月から住めるって。1月に37500デルだそうです」
「入りたい! 薬草集めでも食べれる」
「そうだよね。1日に3000デルも稼げば、余裕だよね」
女の娘達がワイワイ言っている。パトリックさんが自ら来た。
「契約書にサインして下さい。最優先で部屋を確保しておきますので」
「埋まっているのですか?」
「大成功みたいですよ。ミノルさんの狙いが当たりですね。現在、増築の手配中です」
「随分早く建ちましたね」
「ワンルームですから、部屋を先に作って現地で積んでから外壁を作るのですよ。早いですよ」
ホフマブルグの人口が増えるに従い女性比率が高くなっている。地方の口減らしで、どうしても働き手として余った女の子が都会に流れ込んでいる。
そういった娘やハーレム脱出の若い娘が借り手になっているみたいだ。
「街を大きくすると人が流入して来るので、いたちごっこですよね」
最近ダンジョンの間引きも、魔獸を捨てるのももったいないのでバイトを雇って集めて貰っている。
「バイト代は幾らです?」
「1日、1万デル。時間は短いし人気のバイトだよ」
ミアさんがパトリックさんに説明している。
「間引きは進んでいるのですか」
「徐々にですね。早く冒険者の皆さんが減らせるレベルにならないと面倒で」
パトリックさんが忙しそうに帰って行った。
「そういえばステン王子は?」
「最近元気無い」
「グァルダーゼ侯爵の所から帰ってから鬱いでいる」
「なんだか、幼なじみの娘があの中に居たようですね」
ミアさんが教えてくれた。
「なら、あそこで引き取れば良かったのに」
「お前なんてアッチ行けみたいな事言われたらしいですよ」
「あらら、待合室で既に中毒なんだ」
ミアさんが他人事だ。仕方無い事だ、何もしようが無い。
「坊ちゃん、オークが出てますよ」
ダンクさんが知らせてくれた。
「またですか」
「おかげで稼ぎ、少ない」
「奥の方?」
「そう、前と同じ」
マネさんが館から帰って来た。定期打ち合わせだったらしい。
「ご苦労様です」
「やっと終わったわい」
ミアさんがオークの事を話している。
「ミノル、狩るぞ」
「行きますか」
ダンクチームが大喜びしている。タタがステン王子を呼びに行った。
魔獸が減っている訳では無いようなので、いきなり森の中心当たりにワープした
オークも居ないし魔獸も少ない。そんな筈が無いので上空から見てみる。以前オーク村の有った場所に凄い数の反応が有る。魔獸達はあれを避けて散っているようだ。
「居た居た。前にオーク村の有った場所。凄い数だよ」
「ヤッタ!」
4人組みが小躍りしている。
「儂等三人で十分じゃろう。お前等ボロ儲けだぞ」
「私も参加させて下さい」
トトちゃんが参加を希望した。ステン王子も行きたそうだったので5人でやる事になった。ダンクさんが場所を知っていたので片付いたら知らせることになった。
我々は5人で飛び上がった。俺が一番射程距離が長いので、先に撃ち始める。3発くらい撃った時マネさんが撃ち始めた。
『残しておいて下さいよ』
『坊ちゃんズルいです!』
トトちゃんとステン王子から抗議が入った。俺が大分減らしてしまったので俺は撃つのを止め、周囲のオークを捜しているとトトちゃんとステン王子が周囲のオークを片付けた。ダンクチームに連絡を取ったようだ。
ミアさんは4分の1くらい残して攻撃を止めた。トトちゃんとステン王子が引き継ぎ、どんどん叩いている。
村の外にマネさんと降りて見ていると、ダンクさん達が来た。
「片付け終わったようだから俺達で後はやるよ。坊ちゃんとマネさんミアさんは休んでて」
実は鼻削ぎは苦手なので助かった。ステン王子はトトちゃんに怒られながらやっている。ミアさんもやって来た。
「ステン王子が少し元気になったみたい」
「そうみたいだな、グァルダーゼ侯爵の所から帰って鬱いでいたからな」
「幼なじみが好きだったんじゃないですか」
「違うんですよ。トトちゃんに聞いらその貴族の娘の余りの変わりざまに唖然としているとアデルさんを思い出して、アデルさんに自分の血縁者がなんて酷い事をと思ってミノルさんに悪くて泣いてしまったらしいんですよ」
ミアさんの説明に驚いた。ステン王子にまで気を遣わせてしまっていた。
「思ったより良い奴だな」
「私もそう思いました」
マネさんとミアさんが変に納得している。
「ミノル、変だと思わんか? この村は生活感が無いぞ」
「マネさんの言う通りです。去年の春と似てますよ。禁断の森のオークは大規模な統率が有りましたが、こいつ等は小規模の統率は有るけどバラバラです」
「だいたいオークが何で狩りに行かず、ここに固まっているのだ?」
「僕はダンジョンの大発生からはみ出した奴等かもしれないと考え始めてます」
「どこかの層がオークだらけなら有り得ますよね」
「安全弁の吐き出し口がここなのかも、熊も魔獸の森に大量に出ましたでしょう」
「間引きを後にして39層まで見に行く必要性が有りますね。進めておきますよ」
この1週間くらい、ミアさん・ミズリさん・ポニーさんがダンジョンを片付けている。テリッチさんは治療師や薬師へのポーション使用の指導、マネさんは隊長達との打ち合わせや俺と一緒にあちこち飛び歩いて忙しい。
セントニアと闇奴隷と街の開発で時間が取られている。
「坊ちゃん片付けが終わりました」
思ったより早く終わった。見ると粒状化も終わったらしく何も残ってなかった。チームメンバーは全員機嫌が良い。
ギルドに帰って鑑定に出した。316体のオークだった。
「私は抜いて下さいね。副司令補佐官で来てますし、ギルドメンバーでも無いですから」
ミアさんが固辞して冒険者ギルドのメンバーでも無いので抜きになった。俺とマネさんは断りきれないので、諦めている。
「ミアさん、ギルドメンバーに登録しておいて下さいよ」
ダンクさんにミアさんが言われている。お金に全く興味の無いお姉さんに何を言っても無駄だ。
「オーク1体20万デル、316体で6320万デルになりました。320万デルをチーム基金に入れて1人600万デル。ポイントは6人に均等割りです」
ダンクさんの発表にステン王子まで大歓声を上げている。全員プレートを出して処理して貰った。
「坊ちゃんAクラスになったよ」
4人娘とトトちゃんがAクラスに、ステン王子がCクラスになった。6人で手を取り合って喜んでいる。
「じゃ御祝いだ! 食堂に来ている人も全員僕の奢りだよ」
昼食時間で御祝いしてくれる人が多くて良かった。俺も4人娘とトトちゃんのAクラスは凄く嬉しい。
ダンクさんチームはギルドのトップクラスになった。ステン王子も短期間で順調にレベルが上がっている。今日のポイントは大きい。Bクラスも目前だろう。
「乾杯!」
午前中で1人600万デル稼いでクラスも上がった。盛り上がらない訳が無い。ミアさんが呼んだらしく、ミズリさんとポニーさん、テリッチさんも来て大パーティーとなった。ミアさんの手配で海老フライやカツまで持ち込まれている。
ジグロさんまで出て来て祝ってくれた。
御祝い事だし、お姉さん達も息抜きで喜んでいるので夕方まで宴会を楽しんだ。




