第7章14話 2月は冒険者ギルドから
2月になった。1月は葬式やアデルさんとマネさんの治療などがあり、ドタバタしているうちに終わってしまった。
ステン王子が冒険者に凝っているのでポニーさんが貼り付けになってしまって可哀想だし困ったものだ。
冒険者ギルドにマネさんと様子を見に行くと、ダンクさんチームが何時もの所に陣取っていた。
「坊ちゃん、マネさん今日は」
マネさんは冒険者ギルドではスーパースターだ。皆でワイワイやっていると、ミズリさんがやって来た。最近仲良しになった王都組のAクラスの綺麗なお姉さんだ
「先日は大変お世話になりました。お陰様で命拾いしました」
カッコ良い帽子を脱いで頭を下げている。黄色みたいに見える金髪だった。何時も帽子を被っているので分からなかった。
「何かしましたっけ?」
「31層で助けて貰いました」
「あれミズリさんだったの! 僕の奥さん達が大変失礼しました」
「とんでもない。自分がどんなに弱いか思い知らされました」
「最近、訓練でギリギリのを除けるのをやっているので見苦しい格好で失礼しました」
「いえ、羨ましかったです。私も基本的に普段はあれですよから」
「じゃ宿代が大変でしょう」
「そうなんですよ。私は見られても構わないのですが、一緒に泊まる人が困るようで」
「ミノル、儂がポニーの代わりに狩りに出る。ポニーを置いて行くぞ」
「はーい」
「これなんですけど。マネさんが31層でお前等にやると言って置いて行ったのですが」
魔石がマジックバッグに大量の魔石が入っている。
「ミズリさんに差し上げますよ。お仲間と分ければ?
」
「あの方は今回の事故を作った当事者なのに、サッサとリリアドルフに行ってしまいました」
「じゃミズリさんの物です」
「……助かります。借金が返せます。装備も買わなくてはならないので」
「ミズリさん良かったらプレート見せて貰えます?」
凄い全てレベル60以上で攻撃関係が70を超えている。
「基本的な読み書きと計算は出来ます?」
「一応出来ます」
「年齢は?」
「26歳を超えてしまいました」
「就職しません? 警備隊ですけど」
「私がですか? とても嬉しいのですけど難しいのでは」
「何故です?」
「歳が歳ですし冒険者以外したこと無いですし」
ミアさんとジャンさん、トレルさんを呼んだ。
「司令、お呼びで」
全員飛んで来た。トレルさんにミズリさんのプレートを見せる。
「当然うちが貰います!」
「ジャンさん書類と辞令を本日発行で」
「了解です」
「ミアさん。ポニーさんを副司令補佐官に。ミズリさんに宿の部屋を」
「了解でーす。いいな宿の部屋」
「ミアさん独立したくなったの?」
「したいです」
「お父様と話し会って許可貰って来て」
「了解!」
ポニーさんと俺だけ残った。
「ステン王子でメダル持ちらしい訓練も出来無いからこうしました」
「31層の話しをミアさんから聞いて、羨ましかったです」
「ミアさんと飛行訓練をしているのですか?」
「はい、とても勉強になります」
ミアさんが帰って来た。
「マイヤー商会の払いを司令が認めるなら許可するそうです」
「仕方無いな。認めるよ」
「ミズリさんのレベルを、ステン王子の護衛に相応しくしておきますね」
「任せます」
完全にミアさんペースだ。
少し二人でポニーさんと話そうとした所に、アデルさんとテリッチさんがやって来た。三人でエールを飲み始めて盛り上がっている。
マネさんの所に行く事にした。
マネさんは魔獸の森の真ん中辺りに居た。ワープして行くと索敵中だった。
「坊ちゃん、来たなら手伝え」
犬族のタタがニヤニヤしている。
「ステンさんは?」
「トトが索敵の特訓中だ。だから、こいつ等はヒマにしている」
マネさんが楽しそうだ。
「ステン! もっと前」
森の奥からトトちゃんの怒鳴り声が聞こえる。王子も森に来ると呼び捨てか。命がかかっているので当たり前なのだが、トトちゃんも大人になったなと思う。
トトちゃんが低空で猪みたいな大型魔獸を引いて来た。ステン王子は見えない。
マネさんが雷撃で片付けた。
「坊ちゃん司令いらっしゃい。一緒は初めてですから緊張します」
そう言えばトトちゃんと森に出るのは初めてだ。ステン王子がノロノロ帰って来た。
「ステンさんの索敵特訓は時間が掛かりそうだから、先に稼いでしまおう」
警戒で見ると周りに結構な数の魔獸が居るようだ。
「警戒で魔獸の位置確認して」
ステン王子以外、全員確認済みのサインをくれた。
俺が雷撃で20頭くらい、まとめて倒すと回収に全員で走った。
「ステン、早く!」
ステン王子はトトちゃんに引きずられて行った。
「ミノルの友達は良い娘ばかりだな」
マネさんが笑って言った。
少し待っていると皆が帰って来た。
「少し先に固まっているから、もうひと稼ぎね」
「坊ちゃん、いいのかい」
ノレルさんが申し訳無さそうに言った。
「構いませんよ。久し振りで楽しいです」
また20頭以上の魔獸が周りに居た。ダンジョンに行くグループが多いので、捕り放題だ。
「やるよ。位置確認」
確認済みが帰って来た。また雷撃でまとめて倒すと、全員で走って行った。ステン王子も遅れ無いでトトちゃんに付いて行く。
マネさんが大笑いしている。皆が居ないのを確認してマネさんにスリスリするとヨシヨシしてくれた。
「坊ちゃん、大儲けだよ」
ダークエルフのリレがニコニコしている。
「大型魔獸たくさんだよ」
猫耳イリアがご機嫌だ。
「何か凄く嬉しいものですね」
ステン王子も満足そうだ。
「冒険者生活は良いでしょう」
「はい、もう冒険者に専念します!」
ステン王子がすっかり変わってしまった。
「専念するなら索敵特訓再開です!」
トトちゃんがステン王子を引っ張って行った。
それから2時間ステン王子はトトちゃんに怒鳴られ続けた代わりに、使い物になって来た。
「ステン。トトちゃんに感謝する。使えるよ」
猫耳イリアに誉められて、ステン王子が凄く嬉しそうだった。
冒険者ギルドで獲物60頭近くを鑑定して貰ったら1280万デルになった。
「僕とマネさんは要らないよ」
「掟破りはダメ。坊ちゃんとマネさんはチーム員。警備隊と違う」
猫耳イリアに怒られた。
「じゃチーム基金に200万くらい入れようよ」
「さすが坊ちゃん、1000万を分けて残りは基金でどうだ」
ノレルさんの意見に全員賛成だった。
「チーム基金て何です?」
ステン王子が聞いて来た。
「狩りに出れない時や、誰かが大怪我したりの時に使うお金を皆で貯めているのですよ」
「それは良い事ですね」
我々も久し振りにプレートを出した。
「10名に100万ずつで1000万、残りは全て基金に入れる。ポイントはAクラスは貰っても仕方無いので6名で均等割りね」
ダンクさんの裁定に歓声が上がった。普段の3倍以上の収入だそうだ。
「僕も冒険者収入は久し振りですね」
「儂もだ。ミノル、たまには狩りに出よう」
「良いですね」
我々が食堂に入ると夕方で人が一杯だった。ミアさんとミズリさんも帰って来ていた。
「皆さん。ポニーさんが精霊の守護人になりました。祝いに付き合って下さい。今日はこれから全部僕の奢りです」
大歓声が上がってエールが配られた。
「乾杯!」
冒険者で祝いが始まりポニーさんが泣いている。
「冒険者に祝福を!」
俺が祝福魔法でギルドをキラキラさせると、アデルさんが続いた。
「冒険者に幸福を!」
マネさんが更に
「冒険者に幸運を!」
ギルドの食堂がキラキラだらけになってしまった。




