↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
151/223

第6章24話 会議とアデルさん


 アデルさんが池の近くで膝を抱えてションボリしている。


「鼻から出て来るゼリー状の生き物は何です?」


「人は目の上に空洞が有るのですよ。そこに入って脳に快感を与える粘液を出す生き物です。

 前回も入っていたので、次は廃人になる可能性があります。通常はあれ1回入れられたら最後なんです。奥様みたいになります。本人は気持ち良いのですけど」


「治療方法は?」


「廃人になってなければ1ヶ月くらい安静で大丈夫ですけど。その位で毒性が完全に消えます」


「昨日も会議で出たようにボロミア公爵が軍を集めています。アデルさんの乱行で、戦争だって起きます。

 アデルさんだって、次は無事では無いでしょう」


「ミノル、その通りだぞ。昨日もアデルに関わった多数の貴族が死んだ。アデルで遊んだ貴族は次は自分かと疑心暗鬼になっている。リストにボロミア公爵も載っていた。これ以上アデル奪還で貴族を殺すと戦争が起きる」


「ミノルさんやマネさんの言う通りです。女の為に戦争に出来ないですよ」


「マネさんやテリッチさんみたいに、黄色いのに耐性が有れば良いのに」


「村に1ヶ月くらい入れておきます? 麻薬や毒性が抜けますよ。帰って来てからは黄色いので、紛らす事が出来るようになります」


「あそこで、身体を改造されれば完全なんだが」


「組織が変わってしまいますからね。マネさんはどのくらい居ました」


「儂か、6ヶ月くらいだ。大学に行くのを断念するまで入れられていた」


「誰にですか?」


「あの奥様とピーター隊長だ」


 話しを聞いて愕然とした。


「だから騎士団を辞めて冒険者だ」


 涙が出て来た。


「儂の為に泣くな。今はアデルだ」


「アデルさんは魔法使えますし、メダル持ちですから心配ですね」


「魔壁壊す以外にも1つだけ手は有りますよ」


「何です! 教えて下さい」


「アデルさんをミノルさんの奴隷にするのですよ。魔法禁止の命令をしておけば良いのです。

 ミノルさんは奴隷印を消せるのですから、正常になったら消せば良いのですよ」


「なるほど、良い方法だ。ミノル、それをやれ。このままでは、アデルの悪影響が大き過ぎる」


 選択肢が無いようだ。


「そうします……」


「通常のと違った奴隷印を使います。夫婦とか愛人とかに使われる印です。2つ押して、片方が強い衝撃と苦痛です。もう片方が強い快感です。逆らうと脳に凄い衝撃が走るので村に居る時でも有効ですよ。苦痛だけでは無いので、恨まれたりもしなくて使いやすいです」


「アデルさんに嫌われ無いなら、それでお願いします」


 テリッチさんが先日手に入れた奴隷印セットから、2本の焼き印を出して来た。先端に3センチくらいの丸い印が付いている。


「最大刺激のを使いますね。これが最初に押す快感用です。二重丸に変な文字の印。こっちが衝撃、丸に三角で中に変な文字。

 柄を持ち魔力を流すと真っ赤に焼けますから、赤くなくなるまで強く押し続けて下さい」


 アデルさんに事情を話し、了解を得た。とても素直だった。


「アデルさんの右足から、外から見えない所。そこです」


 真っ赤な焼き印を押し続けても騒がない。


「快感用ですから」


 テリッチさんが教えてくれた。結構時間がかかって赤い色が無くなった。

 続いてアデルさんの左足に、左右対象になるように焼き印を押した。


 立たせて見ても、前からも後ろからも見えない。成功だった。

 実験してみる。


「本当の事を話しなさい」


「はい」


「後、知っている行き先は本当に無い?」


「無い」


 身体を硬直させ、反り返えって口をパクパクさせている。落ち着いた所で再度聞く。


「後、知っている行き先は本当に無い?」


「3ヶ所」


 また身体を硬直させパクパク。結局会議のリストを全部知っていた。

 大分素直になったので気軽に聞いてみた。ボロミア公爵の名を期待していた。


「僕に話して無い最も知られたく無い事は」


 暫く答えない。


「セントニアだ。そういう名前とさっき知った。王都のホフマン家屋敷で針で入れられたのだ。屋敷だったので安心してしまっていた私の失態だ。

 トメル公爵の館で2日程デク人形のようになって、あの薬を何回も与えられた。

 帰って来た時、まだ自制心が残っていた。あの時ミノルに話すべきだった」


「何故話さなかったの?」


「御屋形様だ。貴族工作に私を使ったのだ。ミノルを悲しませたく無かった」


 聞かなければ良かった。硬直しないから本当なんだろう。


 アデルさんが大声で泣いている。


「ミノル済まなかった。私が馬鹿だった。こんな大事になるとは……見捨ててくれ。メダルを外し殺してくれ」


「アデルさん。何が有っても僕のアデルさんだからね。絶対見捨てないからね」


 横に行って背中をなぜてあげた。傷跡がゴツゴツしている。


「アデルさんが被害者なのに、自分を責めないで」


 アデルさんは暫く泣いていた。


 落ち付くと、髪留めと両手のリングを外し俺に渡した。


「預かってくれ。生まれ変わってくる」


 俺は頷いて受け取り服のポケットに入れた。


「アデルさん、魔法禁止だよ。僕の命令に絶対逆らえないよ。良いね」


「どんな命令でもしてくれ」


 透明化してテリッチさんが見つけていた村に4人でワープした。20人くらいの村だった。

 裸のアデルさんを置いて2メートルくらい上空に上がった。ゴブリン達がアデルさんに群がった。

 ゴブリンの魔術師が俺の目を見ている。見えるようだ。この魔術師と交渉しないとならない。


『コノオンナ イイノカ ナオスノカ?』


 念話で話してきた。


『頼みます。1ヶ月くらい預かってください。身体も改造してくれると嬉しいです』


 通じただろうか。


『ワカツタ カイゾウスル ナオス』


『何が欲しい?』


『タベモノ マイニチ』


『待ってて、持ってくるから』


 近くの森で鹿や猪を10頭捕って持って行った。村の真ん中に獲物を置いて上空に行った。


『タベモノ タクサン ウレシイ』


『明日また持ってくるから』


『タノム』



 洞窟に帰った。

 俺がアデルさんの貴重品をしまってから、服を脱いで池に行った。


「アデルさんが羨ましくなりました」


「アデルさんが終わったらテリッチさんが行けば?」


「良いのですか! 4年も居たせいか、時々行きたくなるのです。組織が変わっている分補修も必要なので。でも、行ったらここに帰れない気がして」


「何でです? テリッチさんの望みなら何でも聞きますよ。テリッチさんも僕の嫁さんと思ってますから」


「嫁なんて、妾で良いので側に置いてください」


「マネさんも良かったら順番に行きません?」


「本当に良いのか? 儂も時折、無性に行きたくなる。体調も戻さんと。3日くらいで良い」


「マネさんも僕の嫁ですから、遠慮しないで」


「済まん。一度改造されると時折苦しくなり、我慢出来なくなる」


「約束ですよ。今奴隷契約して下さい」


「儂も頼む。奴隷契約した方が安心出来るのだ」


 結局マネさんもテリッチさんも、アデルさんと同じ焼き印を押してしまった。


「嫌になったら、すぐ消しますからね」


 2人共、断って来た。


「帰る場所の保証なんです。奪わないで下さい」


 マネさんも同じだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。