第6章14話 お遊びの準備
ダンジョンから出て、三人でトメラさんの店に行った。
「ミノルさんいらっしゃい。今日はアデルさんが来ないんですか?」
「うん、忙しいらしいよ」
トメラさんはフーンといった顔をしてた。
「これトメラさんへのお土産」
透明リングの新型をあげた。
「良いんですか? 嬉しい! ミノルさん大好き!」
トメラさんは抱きついて来て、良い臭いをポッポさせている。テリッチさんが使い方を説明すると、トメラさんは透明化したり現れたり念話したり忙しい。
「嬉しいな。私、絶対に外さない。リングが消えちゃうのが良いですよね」
「内緒ね。仲間内にしか配らないから」
「絶対に言いません!」
「ところでトメラさんの所で魔石なんて有るの?」
「有りますよ。色々と。全然売れませんけど」
トメラさんが奥から大きい宝石箱みたいのを持って来た。
「今の在庫は小型の石で高性能なのですね。全部2.5倍石です。普通は2倍なんですけど、珍しいです。ミノルさんが付けて2.5倍になる保証は無いです。嘘臭くなりますから」
宝石箱を開けると、赤、青、紫、緑の小粒の石が10個くらいずつ並んでいる。
「えーと、赤が魔力で青が魔法効果、紫が抗魔法力と抗呪いで緑が珍しい抗物理的攻撃。バリアー代わりになりますよ」
「テリッチさん、これ透明リングに付けられる?」
「簡単ですよ、このサイズなら全部付きます。ここで付けてみます?」
「1つ、いくら?」
「安いですよ。製品に比べれば。ミノルさんなら1つ200万デルです」
「じゃ全部ください。8000万デル?」
「はい!8000万です。ウレシー! 在庫一掃ですよ!」
「テリッチさん、トメラさんの透明リングに付けてあげて」
「エーッ、良いんですか?」
「いつも手伝って貰っていますから。リングをテリッチさんに渡して」
トメラさんはテリッチさんに透明リングを渡すと、テリッチさんがポケットから道具を出してリングにはめてゆく。
「ナンカお勧めは無いの」
「今日は、まだですが例のコレクションがまた売り出すみたいですよ」
「出たら教えて」
テリッチさんがリングをトメラさんに渡して、トメラさんが装着した。
「ナンカ、凄く強くなった気がします!」
「サキバさんにあげるのも、付けちゃいます?」
「そうして下さい。マネさんとテリッチさんのもですよ」
「済まんなミノル」
マネさんの遠慮が、また始まった。
トメラさんと銀行に行って、コーヒーを買って帰って来たら、サキバさんが来ていた。呼び出したらしい。
「ミノルさんアリガトー! フェンの見て羨ましく思ってたの」
サキバさんもポッポポッポさせている。店全体に2人の良い香りが充満している。
「戦闘グループは強化石付きです」
「ミノルさんのも出してください」
テリッチさんが細工をしている間、コーヒーを飲んで世間話をしている。
トメラさんの店は順調なようだ。王都からの移籍組が結構買いに来るらしい。
「魔道具の方が売れてますよ」
「何が売れてます?」
「トラップ探知機」
「何、それ?」
「トラップが近くに有ると、ピコピコ教えてくれるだけの魔道具。比較的安いので売れてます」
四角いプレート状の魔道具だ。
「いくら?」
「100万デルです」
「1つください」
財布からお金を払っていると、俺のリングも出来た。装着すると確かに強くなった気がする。
「魔石はまた仕入れられます?」
「同じのは、もう1セットくらいなら何とか。滅多に出ないので、石が」
「仕入れて置いて下さい」
「入ったら連絡しますよ」
コーヒーを飲み終えて、ついでにセリちゃんとミアさんのリングに魔石を付けに行った。
二人共ダンジョンにまだ居た。
警備隊の詰め所でテリッチさんが二人のリングを細工している。
「ダンジョンの攻略は、どこまで行ったの?」
「まだ20層まで行って無いですね」
ミアさんが教えてくれる。
「日本に着くっていうダンジョンも在るから、最後は我々がやらないと駄目かな?」
「そうですね。その場合、最終層は立ち入り禁止で警備隊置かないと」
「だよね」
「10層とか最終層の前の移動石を提供義務にしてありますので、こちらで出来ます。10層はセリちゃんと私が最初に倒しました」
「ずっと迷路なの?」
「いえ、11層からはフロア全体が草原だったり森だったり色々です。溶岩だけなんてのも在るらしいですよ」
話しているうちにリングが出来た。2人でスゴーイとか騒いでいる。
宿に戻ってエールと魚のフライを頼んだ。
「これで装備無しでも楽に遊べるな」
「楽しみですね。夜に行ってみましょうね」
「ミノルが楽しめるように大きな動きにするか」
自分達が一番楽しみにしているのに、俺用の遊びになってしまった。
俺も楽しみなのは確かなので何も言わなかった。




