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第5章25話 禁断の森再生


「やっぱり正門前から再生しましょうか」


「私もその方が街に風で流れ無いと思います」


「儂もそう思う。薄くなっているから瘴気が軽いような気がする」


 マネさんとテリッチさんと一緒に禁断の森の再生をする事になったのだが、正門前と街道沿いのどちらを最初にするか考えていた。


「角から森に斜めに風を中央に送って再生してみましょうか? あっちは何も無いですから」


 テリッチさんの提案で、魔獸の森側の角から始める事になった。三人で風をゆっくり送ってモヤが晴れた所を再生してみる。

 角から1辺30メートルくらいの、四角い再生樹木のエリアが出来た。


「魔獸の森に比べ幹も太いし、背も高いな」


 三人で再生樹木を見ていると、セリちゃんとミアさんが来た。


「御屋形様が手伝って来いと出してくれました」


 二人共、嬉しそうにしている。余程退屈なのだろう。


「手伝ってくれるんなら再生魔法が要るね」


 二人に再生魔法をあげると大喜びされた。やはり同じ魔法が使いたいのだろう。


「テリッチさんにセリちゃんとミアさんの透明リングも頼んであるからね」


「ウレシーィあれ羨ましかったんです」


 ミアさんの目が輝いている。


「ほぼ同じ性能の試作品なら出来てますよ。とりあえず使って下さい」


「司令、テリッチさん有り難う御座います!」


 テリッチさんが二人に透明リングを渡すと、付けたり外したりしてニコニコしていた。


「影が出ないのを作成中ですので、出来たら取り替えますよ」


 テリッチさんは錬金術本が手に入ってから、いろんな事をやっている。


「ミアさん、ハリーさんは元気?」


「昨日から私を見ては泣くので困ってます」


「やはり魔人さんの宗教の問題で怒ってるの?」


「逆ですよ。嬉しくてエール飲んでニヤニヤ、暫くすると泣いてます。警備隊に入れて貰った時と同じです」


 ハリーさんの親バカが極まっている頃か。


 マネさんがミアさんとセリちゃんを呼んで、森の再生手順を話している。


「僕が風を送るから4人で一気に再生して下さい」


 仕事の効率が凄く上がった。1回で50メートルは進める。ミアさんとセリちゃんが、早くしろとばかりにこっちを見ている。

 ドンドン進めて行く。正門前だけで3キロは再生しなくてはいけない。再生したつなぎ目を見て次に進むので、以外に時間が掛かる。1キロ1時間以上必要だ。

 残り1キロを切った辺りで昼食時間に館で食べないとマズいらしく、ミアさんとセリちゃんが残念そうに帰って行った。


「残りどうしましょう?」


「ミノルさんの体調を考えると、休んだ方が良いと思います」


「テリッチの言う通りだ、休もう」


 我々は宿に帰り食堂に入った。


「アデルさんの様子を見て来ますので、先に食べていて下さい」


「エールでも飲んで待っておるぞ」


 部屋に入るとアデルさんが寝ていた。また、掛け布団無しで寝汗をベッタリかいている。何時ものようにタオルでお絞りを作って、身体を拭いてゆく。


「アデルさん、早く良くなってね」


 起こさないように小声で言って、手を拭いていると何かタオルに引っ掛かった。見ると何か小さな金属が、アデルさんの手の平にちょっとだけ見える。


 テリッチさんを呼ぶと、マネさんとすぐ来てくれた。


「テリッチさん、アデルさんを拭いていたら手の平にこんな」


 テリッチさんがアデルさんの右の手の平をジッと見ている。


「針みたいな物ですね。凄く気持ち悪い感じのする。抜きましょう」


 テリッチさんが針を抜いてくれた。


「何か身体が不活発になって弱気になるような、気が付かれないように無痛になってます、とても雑で下手な呪いに近い物ですね。握手でもした時に刺したのでしょうか」


 テリッチさんがアデルさんを調べている。アデルさんは目を覚ましたようだ。


「アデルさん、握手をした記憶が有りますか?」


 俺の質問にアデルさんが考えている。


「握手は無いな、ここでは女が握手をする習慣が無い。だが2ヶ月程前だったかパーティーに出された時、ご婦人が酔ってしゃがんでいたので手を取って起こした事が有る」


 その時にやられたようだ。


「メダル持ちには基本的に完全には効かないのです。幸い髪留めが精霊魔法の固まりですし、腕輪が付けている人を守る物なので相当影響が弱まりますが、悪質ですね。アデルさんの浄化をしておきましょう」


 露天風呂に連れて行き、三人でアデルさんを浄化する。

 青い光の渦が起き、アデルさんの身体から紫色の煙りのような物が出て来た。頭の上で煙りは固まりとなり消滅した。


「軽かったですね」


「はい、テリッチさんの時に比べれば無いみたいな物ですね」


 ベッドを乾かしてから、アデルさんをまた寝かせた。


「ミノル、テリッチもマネも迷惑を掛けた」


 アデルさんが暗い顔で礼を言う。


「気にしないで寝ましょうね」


 テリッチさんがアデルさんの額に手を当てると、アデルさんは眠りについた。


「また全快に時間が掛かりますね」


 テリッチさんの言葉に俺はガッカリした。


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