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第5章23話 アデルさんも療養


 宿で久し振りに露天風呂に入った。アデルさんと背中の洗いっこをしたり風呂の沈め合いをして楽しんだ。


「私達の家みたいになってしまったな」


「本当に楽しい場所ですね」


「精霊様はアデルさんの治療はしなかったけど、削れは治ったんですか」


「後、少しだな。私を甘やかして治すと、またミノルを独占するので放置されたのだ」


「独占して欲しいのですが……アデルさんが僕みたいになったら困りますし」


「私はミノルみたいに特殊域で湯にも浮かべないしな」


「駄目なんですか?」


「あそこはな、とても特殊な場所で入れる人を選ぶのだ。私の種族は入れないのだ」


「ここに合わない日本人が居るようなものですね」


「そうだ。良い例だ。だから会いに行く事も出来なかった」


「妖精の居る池の領域は?」


「大丈夫と思うが効果が薄いだろう。ここの方が真上に鎮樹が在り、隣に聖樹が在るので効果が高い。ミノルの気配も残っているし最適なのだ」


 なる程と思った。


「だから3週間ここに籠もっていたんですね」


「そうだ。だいぶ良くなったぞ」


 今のアデルさんだと、以前の生活は1週間くらいしか持たないようだ。後3週間くらい我慢するとアデルさんの回復力が増し、常に週に2日か3日は以前の生活が出来るらしい。


「なら僕が3週間我慢します。アデルさんがボロくなったら困ります」


「良いのか?」


「良いも何も大切な嫁の為ですから」


「ミノル、まだ戯言を言っておるのか!」


「戯言じゃ無いです! 皆さん嫁と言っているじゃないですか!」


 じゃれ終わり食事に行った。


「司令様、お身体は?」


「もう大丈夫です」


「良かったー。心配でした。全快祝に海老のソテーですよ」


 久し振りで嬉しかった。


「テリッチはまだ食事ではないのかな?」


「今、必死に本読んでますよ」


「おお、あれか。高価な本だな」


「ホフマン家の宝になりますよ、あの本は」


「そうなのか?」


「あれが有れば錬金術の復活も夢じゃ無いです」


「そうか、ミノルがそう言うならそうなのだろう。ところで、ノア様とフェン様が錬金術師なのか?」


「昔から趣味でやっているんです。変な魔法を作っていますでしょう」


「確かに変な魔法を作っておられたな。後で少しだけ2人に会うから本を渡そうか?」


「なら、お願いします」


 アデルさんに本を渡しておいた。

 久し振りの海老とエールは凄く美味かった。弁当より、食堂で食べた方が数倍美味い。


「アデルさん、闘病生活は止めた方が良いや、ここで食べた方が100倍くらい美味しいですよ」


「じゃミノルとの正常化は4週間後だな」


「恨んで枕元に立ってやる」


 アデルさんの笑顔を見て、何でもしょうと思った。


 アデルさんが王都にワープして行ったので、気になっていた禁断の森を見に行った。

 魔素のような瘴気のような黒い物が、うっすらと枯れ木の森にかかっている。確かに魔素は入っている。戦いの時も魔力をふんだんに供給してくれた。

 だが瘴気の沼の時より、遥かに薄いモヤだ。


「司令、お身体も完全では無いのでお一人は困ります」


 トレル警備隊情報隊長だった。


「あの日以来見て無いので、状態を見ていただけですよ」


 追い返されてしまった。何か疲れたような気がするので温泉の池でプカプカしていると、テリッチさんがワープして来た。


「ここに居たのですね。良かった」


「そんな、行方不明になんかなりませんよ」


 池から出て土手に並んで座った。


「マネさんから連絡が入って、探したんです。トレル隊長からミノルさんが青い顔で単身で禁断の森に居たって。今日は司令が初めて外に出たので暗殺の噂も有ったので」


「禁断の森を見ていただけですよ」


「少し青い顔してますね」


 テリッチさんが俺にキスをする。とても楽になった。


「効くみたいですね。なら、これも」


 テリッチさんは錬金術の勉強会をしてくれた。


 意識が戻るとマネさんが来ている。


「顔色は良いな、テリッチの錬金術の勉強会は相当効くようだ」


 確かに体調が良いような気がする。


「まだ4時だ、此処でゆっくりしょう。禁断の森の瘴気にやられたのだろう。まだ完調では無いからな」


「マネさんは仕事、終わったのですか?」


「終わった。御屋形様に呼ばれてミノルの報告だ。明日の朝9時に館に来て欲しいとのお言葉だ。それとノア様とフェン様が錬金術の本の礼を伝えて欲しいと言っておった。凄く喜んでいたぞ」


 やはり兄さん達は錬金術本を喜んでくれたようだ。


「ところでアデルさんは? 今日はミノルさんの護衛役の筈ですけど」


 テリッチさんが不思議そうに言った。


「王都に行くって言ってました。本もアデルさんに届けて貰ったんですよ。まだ二人だけで長時間居るのは辛いみたいです」


 朝の話を全部二人にしておいた。

 マネさんにアデルさんから連絡が入り、俺が池に浮いていて今は顔色も良くなっていると伝えると酷く心配して、念の為に朝まで浮かせて置いて欲しいと言っていたそうだ。


「ミノルは禁断の森に聖域でも探しに行ったのか?」


「いえ、ただどうなったのかなと思って。枯れ木が見えるくらい薄くなっているので、端から再生して行くのも有りかなと考えてます。

 聖域よりオークを作った場所とか転送場所とか、何か在るかもしれないです」


「再生していくのも良いな。明日から少しずつやるか?」


「やりましょう。少なくても街道沿いとか、ホフマブルグの前とかは先にした方が良いかもしれません」


 マネさんとテリッチさんの意見で、明日から禁断の森の再生をする事になった。


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