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第5章14話 またオークの間引き


「アデルさん最近、全然相手にしてくれないじゃないですかー」


「スマン。奥様が神経質になっておってな、セリちゃんもミアさんも貼り付け状態でな、私が抜けるとあの2人の負担が大きいのだ」


「そんな事言って、まだ誕生日の事を怒っているんじゃないんですか?」


「違う! 本当だ。マネとテリッチにヨシヨシして貰っていてくれ」


「マネさんとテリッチさんに何して貰ったかの報告も出来ないじゃないですかー」


「身体を拭いて貰いながら、お前の報告は聞いておる」


「タヌキ寝入りだ!」


「違う! 寝ぼけてボケーッと聞いて、また寝るだけだ!」


「兎に角忙しいのだ。許せ」


 今朝5時のアデルさんとの会話だ。慌ててワープして居なくなってしまった。


 歯を磨いてから朝のお詣りツアーを1人で済まし、朝食に行くとマネさんがお茶を飲んでいた。


「マネさんは館じゃないんですか」


「奥様が神経質になっておってな、バカバカしくって付き合っておれん」


 今朝のアデルさんとの話しを愚痴っていると大笑いしている。


「そう怒るな。まだ早いし儂と朝風呂でも入るか?」


「嬉しいです! 本当に良いのですか?」


「おお、任せろ」


 俺の部屋にワープして風呂に入った。


「ミノルは恥ずかしがるのを止めようだな」


 身体を洗いながら話しをする。


「マネさんやテリッチさんに恥ずかしがっても仕方無いですもん」


 マネさんの背中を洗ってあげると、マネさんが俺の背中を洗ってくれた。


「前! アデルに洗うのが下手だからと頼まれておる」


 アデルさんがそんな事言っているんだ


「本当に下手だな。痒くなるぞ」


 洗って貰ってから露天風呂に入った。


「アデルが駄目な時は来い。一緒に二度寝でも朝風呂でも良いではないか。楽しいぞ。夜中でも良いのだぞ。

 アデルはミノルが大人になって一人で全てを庇えなくなっているのだ。アデル自身が消耗してしまう。

 精霊様も言っておったろう。テリッチでも良いのだぞ。あいつも喜んで受け入れると思うぞ」


 マネさんに言われて自分がアデルさんを消耗していることに気が付いた。


「ミノルが我慢しては駄目だぞ、ミノルが消耗してしまう。儂とテリッチに頼れ。徹底的に頼るのだ、良いな」


「はい……でもナンカ罪悪感があって」


「そんな事を考えるな、男の精神は弱いのだ。我々は大量の人の生死に関わり過ぎておる。壊れる前に頼れ」


 黙って頷くしか無かった。


「これからどうする? テリッチはポーション作るので忙しいらしい」


「久し振りに冒険者ギルドに顔を出そうかと思ってました」


「もう少ししたら朝の狩りを終えて帰って来るな、儂も行こう」


 暫くの間、マネさんにヨシヨシして貰ってから出かけた。


 ジグロさんが会議中で挨拶は後にして食堂に行った。何時もの人達が何時もの場所に集まっている。


「坊ちゃん久し振りだな」


「マネは坊ちゃんと一緒か」


 あちこちから声がかかる。挨拶して歩く楽しい時間だ。

 何時もの隅に4人娘がセリちゃんと一緒にいた。


「ミノル司令」


 セリちゃんがナンカ浮かない顔をしている。よく見ると猫耳のイリアちゃんが眼帯を付け左耳が欠けている。


「イリアちゃん、どうした?」


「またコケて起きた時、オークに斬られたんですって」


 セリちゃんが説明してくれた。


「イリアちゃん、またコケたのか」


「コケタ……」


「眼帯外してごらん」


 イリアちゃんが眼帯を外すと左目が完全に潰れている。


「ボチャン、モウダメ、シゴトサガス」


「こんなドジを誰が雇う?」


 傷を確認しながら、からかって遊んでいると右目が涙目になって来た。


「上を向いて」


 再生魔法を部分的にかけると目が再生して来た。弱めにかけているのでゆっくりと再生して来る。


「目を動かしてごらん、見えるかい?」


「ミエルヨ! スゴイヨ!」


 周りから拍手が上がった。見物人が囲んでいた。欠けた耳と目の周りのキズを治して、元のドジ娘に戻った。セリちゃん達と大喜びしている。


「坊ちゃん。俺も何とかならねーかな」


 確かAクラスの人だ。右手首から先が無い。


「オークに斬られたんだよ」


 傷口が新しい。


「酷い治療ですね、膿んで来ている」


 まず治療で膿んでいるのを治してから再生した。


「指や手首がチャンと動きます?」


「動くよ坊ちゃん。ありがとう」


 泣いている。年齢からいって食べれなくなるところだ。


「オークが増えているのですか?」


「増えている。街道沿いを中心に危ないくらいに増えている」


 ジグロさんが現れた。


「マネさん、少し間引こうか?」


「そうだな、早いうちに間引くか」


「皆さーん。これから僕とマネさんで空からオークを間引きます。死体片付けを条件に参加者で報酬とポイントは山分けです。参加者はジグロさんに登録して下さい」


 あっという間に30人くらい集まった。


「司令。間引き参加させて下さい」


 セリちゃんが立候補して来た。


「セリ、奥様の所は大丈夫なのか?」


「大丈夫です。奥様とアデルさんが、お茶飲んで話しているだけです」


 3人で大笑いしてしまった。


 森の前に参加者が集合してギルドは馬車3台を用意したようだ。


 飛んで警戒で見ると街道沿いを中心に結構な数が居る。俺を先頭に縦列でゆっくり飛んで片端から倒して行く事にした。

 範囲で20体はいける。確実性を考え雷神で叩く。3人が通った後には赤い点が無くなっている。森の端まで結構な数が居た。

 戻る途中森の中間辺りの街道に馬車とジグロさんが見えたので降りた。


「森の端まで結構な数が居ました」


「司令、200体以上は絶対やってます」


 セリちゃんがゴキゲンだ。


「坊ちゃんと皆さんが来てくれたお陰で助かりました。ここまでで130体くらいですね」」


「明日も様子を見てみよう。また出て来るかも知れん」


 マネさんが心配そうだ。馬車にオークの死体が積まれてゆく。オークの死体でも嫌な感じがしてくる。セリちゃんとマネさんは強いなと思った。


 セリちゃんが昼食は館で食べないといけないと残念そうに帰って行った。我々は宿に帰って昼食となった。


「館も後二日で街開きだから無駄に騒いでいるようだな」


「アデルさんまで参加してますよ」


「アデルは今まで不当に扱われていたから、嬉しいのだ。目をつぶってやれ」


「不当な扱いならマネさんの方が酷いんでしょう? 勉強は王都の大学に入れるくらいで、剣は騎士団のトップクラスだったと聞いてますよ」


「それぞれ色々有る物だ。気にするな。それよりミノル顔色が悪いぞオークでも駄目か?」


「ナンカ嫌な感じがして、人を連想するんですかね? 気にしないで下さい、今に慣れますよ」


 マネさんが心配そうに見ている。


「テリッチの池に行かんか? 落ち着くぞ」


 マネさんと池に浮かんだり、沈めあっこしたりしてたらテリッチさんも現れた。

 三人で楽しく夕方まで遊んだり昼寝したりで、気分がすっかり良くなった。


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