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第5章10話 敵魔都へ


「援軍が近くまで来ているようなんで少し片付けませんとね」


「今なら奇襲攻撃が出来るな」


 マネさんが、やる気満々だ。


「私も参加したいけど、透明になれないから邪魔になるし……」


 サキバさんがイジケている。


「はい、最後の透明腕輪」


 サキバさんの顔がパッと明るくなった。


「だからミノルさん大好き! アデルさんゴメン」


 サキバさんが良い匂いをバラまいて抱き付いて来た。アデルさんが苦笑いし、マネさんとテリッチさんが大笑いしていた。


「済まないですな。ミノル殿の予備ではないのですか?」


「サキバさんには何時も助けて貰っているんで、気にしないで下さい」


 ラルドさんが申し訳無さそうな顔をしている。


「5人になったので効率が上がりました。敵は進軍して渓谷に居るようなので、三往復くらい上空から攻撃して大きく削れた場合フライト将軍に連絡入れますね」


「ミノル司令殿、期待して皆さんの近くで待ちますぞ」


 フライト将軍とラルドさんに見送られ、我々は再び透明になって飛び上がった。


 10分も飛ばないで敵が見えて来た。


『全員バリアーと加速魔法で盲目撃ち攻撃から逃げて下さい。僕が空軍引き受けますので、皆さんは地上兵をお願いします。高い高度を維持して』


 渓谷がそれ程広く無いので、空軍も地上兵も5列くらいの縦隊で進んで来るので狙い易い。

 真っ先に俺の射程圏に敵が入って来たが、少し引き付けてから雷神の連射を始めると全員が撃ち始めた。

 5人の雷神連射は凄まじいものだ。


『数回往復しますから適当に撃って通り抜けましょう。なるべく荷馬車は壊さないように、食糧と思われます』


『『『『了解』』』』


 適当に撃って通り抜けただけで、空軍がほぼいなくなった。地上も混乱し矢やファイヤーボールを、何処にでも撃っている。

 我々は最後尾までサッサと通り抜け、方向転換して復路攻撃に入った。


『儂は残って逃げて来る敵を叩くぞ」


 マネさんが言って来た。


『結構逃げて来ているのでテリッチも残りましょうか?』


『じゃマネさんとテリッチさんお願いします』


 敵の真上が余り攻撃が無いので、真上から攻撃を再開した。バリアーを張っている兵も居るので、ゆっくり進む。

 谷間が雷鳴と稲妻で埋め尽くされる。往路はすぐに終わってしまい、敵勢力は半分くらいになっている。

 引き続き二往路目に入った。

 今回は攻撃の薄い場所に時々止まりながら、丁寧に攻撃をしてゆく。魔法使いが多いらしくバリアーを張っている敵が増えているがレベルが低く二発も当たるとバリアーが壊れ倒れてゆく。

 面倒だが丁寧に傾けてゆく。


『どうする? 4分の1くらいになったぞ』


 アデルさんが聞いて来た。


『もう少し削りたいんですけどね』


『ミノル司令殿、残りは我々が片付けますぞ』


 フライト将軍が我々の念話を聞いて、こちらに来ていたようだ。バリアー壊しの槍を構えた重装備騎兵が凄いスピードで走って来るのが見えて来た。

 我々は騎兵が来るまで雷神で攻撃を続けなるべく数を減らしておいた。

 重装備騎兵の威力は凄まじく、残った敵を片端からなぎ倒してゆく。


『勝負は決まりましたね。サキバさん敵の本拠地は近いの?』


『この渓谷を出た所です。飛んで1時間くらいですから、ワープで行くなら私の周りに来て下さい』


 サキバさんが透明で無くなった。全員いることを確認して再度サキバさんも透明になってワープし、それ程高く無い岩肌の山の頂上に着いた。真下が渓谷の入口だ。

 少し先に城壁に囲まれたホフマブルグくらいの街が有り、城が中央に建つていた。


『隠れて行っても危なそうな感じですね』


『とても強い魔術師が居ますから、近寄って粒状化なんかは危険ですよ』


 サキバさんが忠告してくれる。


『また爆裂でもするか』


『アデルさんは爆裂マニアですね』


『その癖を付けたのはミノルだろう!』


『爆風の影響無い場合に隠れて、全員で爆裂の連射しましょう。バリアー張られる前に』


 我々は岩陰に隠れホコリ除けに各自バリアーを張り、俺はワンドを出し用意した。


「念話だと気分が乗らないので、全員で城に集中攻撃です」


 俺は前に腕を突き出し、ワンドが青く光を放つ程魔力を貯めた。


「いきますよ。爆裂!」


 全員が爆裂の連射を放った。


「ズドドドドーン!」


 派手な音と光で埋め尽くし、核爆発のような姿が目の前に現れ街が見えなくなった。


「続けてやります?」


「街が見えてくるまで待とうではないか」


 マネさんの意見に従い、待つことにした。我々は腕輪を外して透明も解除した。


「でも爆裂は癖になるような快感が有りますね」


「本当に快感ですね。もっと撃ちたいですー」


 テリッチさんもサキバさんも爆裂派になったようだ。


「バリアーを張ったようですね」


 赤いような色のバリアーが見えて来た。


「城は半壊みたいですね」


「城壁の半分くらいは無いみたいだな」


「また集中攻撃してバリアーを壊してみよう」


 マネさんが物騒な事を言い出した。


「ダメですよ。渓谷に居るフライト将軍の軍が爆風で凄い事になります」


 30分くらい経ち、まだホコリの舞っている中、フライト将軍達がついた。

 ラルドさんが我々の所に現れた。


「スミマセンです。街まで片付けて貰って」


「あの半壊状態でもバリアー張って来ましたし、中にまだ居ますよ」


「後はこちらで兵糧攻めでもしますから、気になさらずに」


 という事で今回は無事終わりとなった。


「帰って風呂に入りたいです」


「その後に宴会だな」


 アデルさんの提案に全員賛成だった。


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