第5章08話 エリナさん現る
もう三日も街の再生をしている。やればやる程、建物の再生が上手くなりやっていて楽しい。
アデルさん達も同じらしく、毎日楽しそうだ。
「ミノルさん、お呼びですか?」
「パトリックさん、この街の分譲を引き受けません?」
「丸ごとですか?」
「はい」
「非難、受けません?」
「叔父さんと兄達に言ったら、出来ないから好きにしろって」
「……はい」
「訂正な値段を決めて、大通り、裏の通り4本に何の店を入れるか計画的にして貰えると嬉しいです。
二ヶ所に土化してある広い場所が在りますが、警備隊が経営するベッドのみの宿にしたいのです。500デルで泊まれるような宿で300ベッドくらい、1ヶ所です。2ヶ所で男女で600ベッド。風呂は別料金。馬小屋に泊まるような人を吸収したいのです。
経営計画をして早く建て始めて下さい、警備隊の収入にして警備隊員を雇いますので」
「本職が必要ですね、探します。確かに早くしないと仕事と住居不足でホフマブルグにスラム街が出来そうですから」
俺はパトリックさんを連れてワープした。街壁の外で川辺に大きい石造りの建物が建っている。
「ここは?」
「何かの作業場所だったと思います。ここ買ってガラス工場にしません? 魔人の国から設備と職人を持って来て、普及品のみ大量に作るんですよ。良い物は今まで通り魔人の国から仕入れる事にして」
「面白いですね。この街だけでも相当売れますから、良い考えと思います」
「じゃ進めて下さい」
またパトリックさんとワープした。
「ここは街の正門前に在る丘なんですけど、このように此処から大草原なんですよ。安いから大量に買って農場にしません? 労働者の宿泊も全部街に任せれば、実験農場みたいに村を作る必要性が無いです。土壌試験やって適していたら価値が有ると思います。
それと定期馬車をやって欲しいのです。ホフマブルグと此処とヘフナドルフを物流と旅客で日に何度か結んで欲しいのです。資本が足らない時は言って下さい」
「良いですね。早速動きます」
パトリックさんが帰って行った。これで全部、人に押し付けたので後はのんびり出来る。
「アデルさん、大いなる森の再生やり直しを軽くやってから御飯にしません?」
「そうだな、枯れ木が多少目立つからな。パトリックさんは帰ったのか?」
「はい、先程。たっぷり宿題を抱えて帰りました」
「ミノルも大変だな。館は、まだ仕事放棄状態なのか?」
「現状が理解出来ないみたいで…」
「そうか……私に出来る事は何でも言え、我慢するな」
「はーい」
我々は、大いなる森にワープした。瘴気の中を無理矢理再生したので、また弱って枯れ気味なのが時々有る。
最初の集落の上空から点検していると誰かが歩いている。飛んで行ってみると、お婆さんが魔法杖をつきながらノロノロと歩いていた。
探していたお婆さんかと思いお婆さんの近くに降りてみた。
お婆さんが顔を上ると黒くなったメダルが首に掛かっている。当たりみたいだ。
「今日は、貴方はクレマドルフの聖樹の守護人ではありませか?」
お婆さんは恐れたような顔をして暫く黙っていたが、俺が守護主と知ったのか口を開いた。
「はい、守護主様。エリナと申します」
「早速で申し訳ないのですが、あの日に何が起きたのです?」
エリナさんは、黙っている。
「そうですか…山の精霊様に会いに行きましょう。精霊様も心配されていると思います」
エリナさんが、いきなり俺と反対方向に逃げ出した。杖をついているのに意外と早い。
テリッチさんがエリナさんを捕まえて、杖を奪った。
「この杖は、私の師匠の杖と思います。すぐに精霊様の所へ」
全員で山の精霊様にワープした。
「ついに捕まえて来たな。何処にいた?」
「大いなる森の近くに在る集落です」
「意外と遠くへ行けなかったな。事件後、すぐにメダルと魔力を凍結したから動けなかったのだろう」
エリナさんが必死になって話し出した。
「聖樹域が突然襲われたのです。私も抵抗したのですが相手は魔術師ばかり20人以上でして、聖樹を守りきれず聖樹の根から呪いの液体みたいな物を流し込まれてしまいました」
「無駄な言い訳だ。誰かが招き入れないと聖樹域には入れぬ。お前しか招き入れる者はおらんのだ」
テリッチさんが精霊様に杖を差し出した。
「私の師匠の杖です」
「どれどれ。フム、身体乗っ取りの魔法陣が刻んであるな。お前エリナを乗っ取ったろう、だからメダルは効力を殆ど発揮しなかったのだ。良く今日まで生きていたな」
エリナさんが震えながら立ち竦んでいる。
「エリナの魂は消滅しているようだな。在るべき姿に戻るが良い」
森の精霊様がエリナさんのメダルを取った。するとエリナさんの身体が徐々に消え出し消滅した。
「困った錬金術師だ、邪悪な魔法陣を作りおって。エリナは相当精神的に弱っていたのだろう。メダルは新型になっておる、お前らには乗っ取りは起きないので心配するな。テリッチ、お前は危なかったな。良かった良かった」
山の精霊様が樹の根に座り俺をチラチラ見ている。
「気分が悪くなった。こんな時には何か、こう……飲み物など有ると良いのだがな」
「すぐにお持ちします」
「ミノル、お前は良い守護主だ」
宿に帰り、お姉さんにエールと串焼きを山の精霊様に届けるように言ってから、集落にワープした。
お婆さんの小屋を浄化してから粒状化して消滅させた。集落は20軒くらいの規模に増えて来ている。森の復活が大きいようだ。
我々も遅い昼食となった。お姉さんがエールと熱いタオルを持って来てくれた。
「師匠は私より良い乗っ取り先を見つけたので、16歳の時いきなり免許皆伝とか言ってローブ1着で私を追い出したんですよ」
「そうかそうか、エールでも飲め、もっと詳しく」
アデルさーん。完全にデバガメモードになっていた。




