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第5章07話 忘れられた街再生


 サキバさんが朝、宿の食堂に現れた。


「お父さんがミノルさんに時間が有ったら来れないかなーって」


「ラルドさんも念話で呼んでくれれば良いのに。今すぐ行きます?」


「父が喜びます。4人でどうぞ」


 という訳で我々4人は魔王様の宮殿に飛んだ。


「ミノル殿、お久しぶりでした」


「ラルドさん、お久しぶりです。丁度、連絡しようと思っていたところでした」


「何か有りましたか?」


「メダル持ちが増えまして、中でも我々4人がメインに動いているんですよ。マネさんとテリッチさんです」


「これはこれは、始めまして。魔国の王宮にようこそ。美人は大歓迎です」


 マネさんとテリッチさんが緊張気味だ。


「最近、ラルドさんから貰った再生を凄く使うので、この二人に再生をあげて良いか相談しようと思いまして」


「そんな事わざわざ言わなくても、私があげましょう」


 ラルドさんがマネさんとテリッチさんの頭に手を伸ばして魔法を与えてくれた。


「ミノル殿は随分と強く成りましたね。これが再生の一番強いのです。ミノル殿には使えるでしよう。アデルさんはまだ全ては無理ですね、ここまでは使えるでしよう」


 俺とアデルさんにも新型をくれた。


「ミノル殿のは死人でも再生する事が出来ます。滅多に使うべきでは無いですけど。未来を変えますので」


「皆の前で言って良いのですか?」


「聞こえてませんよ。安心して下さい。2人の会話です」


 相変わらず面白い人だ。


「有り難う御座います。これで仕事がはかどります」


「何を再生するのです?」


「捨てられた街というのが有りまして、そこを再生しようと思っているのです」


「ほう、街を丸ごとですか」


「そこに新規の流入者を入れて、特に魔人、ドワーフなんかの職人さんですね。ホフマブルグは店が高くて仕事を始められない人が出て来ると思って」


「それは皆、喜びますね」


「その街に素晴らしい館が在るんですよ。フェン兄さんとサキバさんが使わないかなーって思ってるんですけど」


「えー、凄い! ミノルさん大好き!」


 サキバさんが乗り気だ。良い臭いをポッポと振りまいている。


「その館を見たいですね」


「行きます? 僕もコツを習いたいのですよ。家を再生したつもりが森になったら悲しいですから」


「確かにコツが有るのです。その館は私が再生しましょう」


「嬉しいですね。ところで兄さん、そろそろ出て来たら?」


「悪かったよミノル。避けている訳じゃ無いんだよ」


「いえ、ゼッタイ避けてますね。僕が王都を攻撃してから」


「いや……スマン」


「構いませんよ。解任して貰えるまで好きにしますから。ところで兄さんも一緒に見に行きません?」


「来た方が良いぞ。私が最高の再生をするからな」


「魔王様に王宮を離れてもらいたく無いのです」


「防衛ならマネさんとテリッチさんを貸しますよ」


「ミノル殿、良いのですか?」


「「お任せ下さい」」


 マネさんとテリッチさんが答える。


「二人共、強いですよ」


「有り難いですな。これで決まりだ。5人で行く! お前ら全員マネさんとテリッチさんを私と思って協力するのだ。良いな」



 という訳でラルドさん、サキバさん、フェン兄さん、アデルさんと俺で捨てられた街にワープした。


「ミノル殿、あの正面に在る館ですか?」


「そうなんです。立派でしよう」


 漆喰塗りのレンガ造りの館だ。


「これは相当金持ちの伯爵クラスでも持ってない館ですね」


「だからフェン兄さんとサキバさんにと思ったのですよ。再生すると相当立派になると思うんです」


「早速やってみましょう。ミノル殿、アデルさん、家屋などの再生のコツは地面から30センチくらいから上を再生する気分でするんです」


 ラルドさんは土台から30センチを確認に行き、戻って来た。


「ではやります」


 音もせずに館は再生された。レンガ造りで漆喰塗り無しの尖塔付きの館だった。


「カッコ良い館ですね。これは500年前ではなく、新築の時の姿ですね」


「そうです。いや、素晴らしい館ですな」


 俺とラルドさんだけ話して、他はポカンと館を眺めている。


「中に入りましょうよ」


 中の装飾や造り付けの家具まで再生されている。天井からは大きなシャンデリアが下がっていた。


「凄いな! 絵本のようだ」


 アデルさんの言う通りだ。大きな階段とシャンデリア、貴族の館そのものだ。

 ラルドさん、フェン兄さん、サキバさんが館見物に行った。


「ミノルは行かんのか?」


「僕は建物再生の練習します。特に警備隊と騎士団の施設を先に再生したいですね」


「あの館が在るから守らせないとな」


 アデルさんと二人で再生練習となった。

 館の周りの建物を順番に再生してみる。土台から30センチで確かにキチンと再生され、やっていると楽しい。アデルさんも楽しそうだ。


 館の左手が警備隊で右手が騎士団の施設だった。凄く立派で風呂だけが無かった。

 アデルさんが、コロンさんとトレルさんを呼んでくれた。


「警備隊と騎士団で街に人が入らないようにして下さい。風呂以外の施設は立派なのが在りますので、すぐ使える状態です」


 2人共、施設の立派さに驚いている。


「すぐに警備隊員と騎士団員を呼んできます」


 2人共消えた。

 ラルドさんが上機嫌で我々の所に来た。


「私だけでも王宮に帰りませんと、マネさんとテリッチさんに申し訳無いですから。フェンとサキバは大興奮で、もっと見ていると思います」


「気に入ったのなら良かったです」


「ミノル殿には礼の言葉も有りませんです。感謝しますよ。さて私は帰ります」


 ラルドさんは、サッサと居なくなった。今日は何で俺は呼ばれたんだろう?


 マネさんとテリッチさんが来て、アデルさんに再生方法を習い片端から再生をしていた。


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