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第5章06話 クレマドルフへ

スミマセン……一時間程、間違いで 第4章06話 ドワーフ達の移住 を掲載してました。 本当にごめんなさい。


「精霊様の数も増えて来たので、朝のお詣りだけで一仕事終わったような気になるな」


 アデルさんが朝食のオムレツを食べながら勝手な事を言っている。


「今日は何をするのです?」


 テリッチさんは既に食事を終えてお茶を飲んでいる。


「大いなる森の瘴気が無くなりましたので、クレマドルフを探しに行くつもりです」


「そんな所に聖樹域が有るのかな凄い荒れ地と聞くぞ」


「200年前には有ったんですよ。クレマドルフの聖樹にあの呪いのようなものを入れられたのですから」


 マネさんの疑問にテリッチさんが答える。


「結果はどうあれ現場を見てみないと、先に進みませんよ」


 結局4人で行く事になった。

 大いなる森の端まではワープで行ける。後は空を飛んで、少しずつワープで行ける距離を伸ばして行くしか無い。


 大いなる森の端から飛び始めると、林が暫く続く。徐々に痩せてゆき低木林となり、草原となった。

 草原で一旦降りて休憩を取る。


「あの林も再生した方が良いのだろうな」


「毎日、少しずつするしか無いですよ。広過ぎです」


「出発前に少しだけでも、やっておけば良かったな」


「戻って二人で再生1回、宿で休憩1時間でどうです?」


 満場一致でそうなった。

 出発点に戻って二人で再生すると結構広く森になった。


「次に始める前にもう一度するぞ」


 アデルさんがやる気を出している。宿に戻ってエールタイムとなった。


「ただ飛んでいると飽きるな」


 マネさんがブツブツ言っている。


「捨てられた街を探して、アデルさんと飛んだので慣れました」


 汗をかいたのか、鳥の塩焼きとエールが美味い。


 1時間の休憩はすぐに終わってしまった。林の再生をアデルさんと今度は二回ずつすると、先端部は少しショボイがまだ森になる。

 結構広く再生しているので、多少は地脈に水の供給と保水力の役に立つような気がする。


 草原に戻って、また飛ぶことになった。少し飛ぶと集落の跡地と街道が見える。

 降りてみる。


「宿場町だったのかな?」


「そうですね。私の知っている頃には廃墟でした」


 20家屋くらいの宿場町だ。500年前には交通の拠点だったのだろう。

 試しに宿場町の周りを再生すると林になった。アデルさんが面白がって周囲を全部再生して林にした。


「先に進みましょう。宿場町が在るという事は半分は来ていると思います」


 我々は、また飛び始めた。街道に沿って飛んで行くと、草原の草が徐々に減って荒れ地になってきた。

 山も遠くなり荒野となった。街道もここで消えている。

 疲れたので降りてみた。


「山の大きさから見て、そんなに広い荒野ではないな」


「砂漠では無いだけ感謝しよう。荒れ地と荒野だけでも喉が乾く」


 マネさんにアデルさんが答える。


「それは休み時間の要求ですか?」


「良いではないか、そろそろ昼だぞ。風呂にも入りたい」


 アデルさんが強硬なので、宿に帰って休むことになった。


「ミノル、真面目にうがいをしろ。喉をやられるぞ」


「はーい」


 二人で並んで歯を磨き、うがいをする。

 頭もホコリでガサガサしている。全身をしっかり洗ってから露天風呂に入った。アデルさんと並んで湯に浸かっていると緊張が解けてくる。


「ミノル、余り頑張るな。疲れてしまうぞ」


 アデルさんが俺の肩に手を回して言った。


「そんなに頑張っているように見えます?」


「少し気が急いているような感じだ」


 アデルさんがキスをしてくれた。心が落ち着く。きっとアデルさんの言う通りなんだろうと思った。


 食堂に行くと、マネさんとテリッチさんはエールを飲み始めていた。


「余り飲むと、やる気が無くなるからな」


 マネさんは、そう言いながら二杯目を注文している。口と行動が矛盾している。

 だが、確かに食事とエールで体力が戻ったような気がした。


 昼食後、気合いを入れ直して荒野に戻った。


 身体がジャリジャリになりそうなので、バリアー張って飛ぶことにした。

 荒野は思ったより広くなかった。正面の山が小さかったので遠く感じたようだ。山の麓に灰色に見える壁に囲まれた街が見えてきた。


 クレマドルフだ。


 見えてから着くのに少し時間が掛かった。

 途中から石畳の街道が復活している。


「捨てられた街より少し大いかもしれんな」


「意外に壊れていないようだ」


 アデルさんとマネさんが話している。


「今のところ森が無いし、食糧が確保出来ませんよ。聖樹域を探しましょうよ」


 クレマドルフの上空から見渡してみる。

 すぐに見つけた。街からそれ程離れていない場所にドーム状の聖樹域が見えた。

 飛んで行って中に入ってみる。草地で半径10メートルくらい、いつもの聖樹域だった。

 無傷で残っている。


「外の荒れ地に比べると天国だな。ミノル、種は持つているか?」


 アデルさんが聞いてきた。


「持って歩いてないですよ。それに、ここに植えたらマズいんじゃないですか?」


「発芽しない可能性が高いですね」


 テリッチさんも考え込んでいる。


「山の精霊様にでも相談してみましょうよ」


 ここに居ても仕方ないので、帰って山の精霊様に相談に行った。


 精霊様は待ち構えていた。


「皆、良く来た。今日は報告のようだな」


「はい、精霊様。本日クレマドルフと聖樹域を見つけました」


「言わなくても分かっておる。例えその場所で種が反応しても、私が許可を出すまでは種は植えてはならんぞ。種が駄目になる。

 森の精霊が力を戻さないと、あの荒れ地に聖樹は難しいのだ。暫くは森と林の再生をして貰えんか?」


「了解しました」


「ミノル、先に相談してくれて感謝するぞ」


 精霊様に礼をして、宿に帰った。


「場所が分かっただけでも良しとして、祝おうではないか」


 マネさんが完全に宴会モードになっている。

 大した成果でも無いけど祝うしか無いなと、虎3匹を覚悟した。


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