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チョロイン☆デビュー!  作者:
再び城下町
81/83

第八十話「決戦の朝」

「――ア」



「――リアっ、アリア!」



少しだけ痺れた頬を、硬い床から引き剥がして、

眠い目を擦りながら、ぼんやり光るカーテンを見つめた。



「……あれ、もうみんな起きてるんだな」


「当ったり前だよっ!」


「そうやって吞気に寝てられるのも才能かもね」


「お前にだけは言われたくねえよ」


他人事みたいに、変に冷静なライズのことを見て、

クリスちゃんのちょっと固い表情も解けて、いつものように笑う。

やっぱ可愛いなぁ――。





「さ、行きましょ」


「え――」


「……はやくない?」


クリスちゃんの呟きに、無言だけど全力の肯定をしてから、


「まぁいいや――。 行こ、クリスちゃん」


「うん」


彼女の背中に手を回して、仕方なく一緒にライズの背を追う。



まだ中途半端に残る眠気。

現実味を伴わないままでも、展開は私をひとり置いて、どんどん先へ進んでいく。


――でも、少しだけ、

今の状況を夢みたいに感じているのは、良かったのかもしれない――とも思った。


だって、逃げ出していたかもしれないから。

目の前に迫る大きな課題と、正面から向き合ってしまったら。





「……結局どこに居るんだよ、あいつ」


「もうちょっとだってさー」


「ふーん……」



はぁ、と小さく溜息をついて、

前に大きく足を踏み出した。


焦りっていうか、不安っていうか――。


今までそんなに無かったんだよなぁ、って、改めて考えなおしてみる。

他三人はよくやってると思うよ?


でも、たぶん私はこれが初めてだ。

人の命とか、そういう重くてめんどくさい物に向かい合うの――。








「……来るわよ」


その歩みを止めるよりも早く、ライズがポツリと呟いた。



「う、うん……っ!」


「――」



それを合図に、久々に剣やら杖やらを構えて、

――あ、私は何にも持ってないけど――一気に緊張感が走るのが肌で感じられる。



視認できないほど薄っすらとした弱々しいそれが、

濃く黒い霧に変わったとき、





「…………兄、貴――」




緑色の光とともに、ジェイドは現れた。

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