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チョロイン☆デビュー!  作者:
再び城下町
78/83

第七十七話「全部」



――あれ。



『えーっと、ライズちゃんに~……クリスちゃんに~……それから』



あれ、私、





『妹ちゃん、かぁ』





「――、え、あ、」



全身をめぐる血が、何故か今だけ鮮明に捉えられるような感覚に陥って、

私は思わず口を半開きにしたまま、地面に膝から崩れ落ちた。



――ぜんぶ。




「……全部、」



「アリア……?」

「……」



全部、全部、全部、

今までの全部がつながったような、快感にも似た奇妙な驚愕に、

思わず目が少しだけ潤んで、背筋がぞくりと震える。


鳥肌になった腕の皮膚に、少し遅れて震えが伝わった。



――その瞬間、

『もう大丈夫』だって、今までの何よりそう思った。

けれど、それと同時に、どうしようもない不安にも襲われた。



「――わかったかも……私」


『おー、むしろ今まで忘れてたのが驚きなんだけどね』


「え、え、わかるって……な、何……?」


すっかり戸惑った様子のクリスちゃんが、微妙な鼻声のまま、私の顔を覗き込んだ。

――はぁ、いつ見てもかわいい……。



「ふふふふ……もう大丈夫、私らで連れ戻そ?」


自分に言い聞かせるように、一言一言を噛みしめながら、

彼女の頭に手を伸ばす。


なんとなく今にも折れちゃいそうな雰囲気だったから、

ライズのこともついでに二、三回くらい撫でといて――。


「……なんで私まで」


「なんとなく。不安げだったからさ」


「…………ばか」




――あれ、デレた……?


私の腕につかまったまま、少しだけ顔を寄せてくるその姿は、

若干『しなびた』感じ――っていう表現がいちばんよく似合う。


単純に丸くなったのか、それともただただ意気消沈しているだけか――。

多少は前者の要素も含まれてると信じたい、けど。




『え、え、妹ちゃんどこまで思い出した?』


「全部、じゃないぞ――でもそこそこ」




目覚めるまでの数日間。 私がどうやって死んで、どうやってここに来たのか。

あとはこの身体のこととか――あれ、いざ整理してみるとそこまででもないかもしれない。




「……あの、女神様……?」


『どったの?』


「『妹ちゃん』って、仰られてますけど――」


『あー、このー……なんだっけ、ありあ?ってヤツね』



ヤツって。

ヤツって呼ぶのはどうなんだお前。


――あ、女神に向かって『お前』っつってる時点で私も同類か。




『そのまんま、中身は実の妹なのね』


「……え、」

「――」



『――ジェイドくんの』






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