第七十話「さらばフォーサイス」
――色々あって、今は宿に帰る途中。
あの建物、なんか凄いバリアが張ってあったみたいで、
でも、時間が止まってたらそんなの関係ないみたいで、
『ジェイドが居るならあれを壊せたのも納得いく』って感じで収まった様子。
……勿論、アレを壊しただけで全部が解決するわけじゃないけど。
でも、普通に雑魚だと思われてた(っぽい)クリスちゃんが、意外と強ーい仲間を引き連れて帰ってきた……っていうのは、
独裁者志望な王家の皆さんには、けっこうなダメージになったんじゃなかろうか。
「ね、みんな」
「……どうした」
道の左右には色とりどりの花が咲き、
夕陽に照らされ、ほんのりオレンジ色に染まった景色は、
今のクリスちゃんの……あの、可愛さっていうかカッコよさっていうか、
そういう魅力をより一層引き立てている。
常人だったら霞むほど、美しい景色だけども、やっぱりクリスちゃんだからね。
十二歳にして革命起こしたクリスちゃんだからね。
「ありがとう。 ――ボク一人だったら、きっとこんな事できなかった」
「いえいえ……クリスがやりたい事なら、私たちが手を貸してあげなきゃ」
「うんうん、私ら仲間だろ!」
やっぱり、人の絆っていうのは素晴らしいもんだな。
そういう事に縁のなかった私だからこそ、それの素晴らしさは身に染みて解る。
だからこそ、こういう時にノリノリでこういう事言えるんだよ。
最高。 楽しい。
「ああ――。 良かったな、クリス」
「うん!」
元気よくそう言って、クリスちゃんは心底嬉しそうに微笑んだ。
――あ、国王はクリスちゃんがなる予定だったんだけど、
『このまま旅を続けたいから』って理由で、その役目はまだマトモそうなおねーちゃんに任せたらしい。
でも、あの人王位には興味ないって言ってたような……?
「……まあ、おねーちゃんなら何とかしてくれるハズだよ。 でさ」
うんうん、大丈夫か。 なら大丈夫だな。 大丈夫。
「どうした?」
「次、どの町に行けばいいの? ボクの都合で、ギルドの依頼もやれてなかったけど……」
「大丈夫、まだランクはSのまま」
「えす……?」
S、A、B、C、D、E、F、G。
ランクがこういう並びで合ってるとしたら、え、私が死んでる二年のあいだに何があったの。
「そっか、じゃあ大丈夫だよね!」
「え、えす――」
「……そろそろ昇級でも申し込めばどうだ?」
ランク上げるのって申し込み式なの?
付いていけない。
「そうしましょうか。 じゃあ、次は城下町にでも戻りましょ」
「わかったー」
「あ、えっと、おう! よくわかんないけど分かった!」
「……この身体が保てるうちに、な」
――意味深にボソっと呟かれたその言葉は、私にしか聞こえていない様子だった。
ふざけんなよ、ここまで来て死亡フラグ建てるつもりか。
おわった…花の都編が…




