表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チョロイン☆デビュー!  作者:
花の都・フォーサイス
67/83

第六十六話「人間は人間なんです!」



「……でさ、アリア」



クリスちゃんの表情がちょっと曇ったのを見れば、さすがにこの私だって、ヤバい事を言われる可能性があることくらい理解できる。

――ってわけで、賢い私は瞬時にそういう心構えをして、


「どうした?」


とカッコよく返したわけです。

くぅ、一瞬でここまで考えてるなんて痺れるぅ。 他の人がやってても凄くは感じないけど、やっぱり自分がそういう事やってる……ってのが一番大切なんだよな。

自分がやれてれば、凄いことに感じる。 これすっごくお得。




「……その、決勝のことなんだけど」


「うん」



少しの間を置いて、クリスちゃんが口を開く。


「……ボク、テロでも起こそうと思っててさ」


「えっ」

やべえ、声出た。



「……えーと、なんで?」

さっきの『えっ』が聞こえていないことを祈りながら、とりあえず私はそう聞いてみる。


まあ、クリスちゃんがそうしたいなら、私は止めないけど――。

もしかしたら、の場合もあるしな。 例えば操られてたり、なんか後ろでヤバい組織が動いてたりとか。



「ごめん、今更変なこと言って……。」


何度も『ごめん』を繰り返すクリスちゃん。

私が励まそうとしたら、


「――大丈夫よ、続けて」


横からライズの声が聞こえてきた。 ……あぁ、ライズもクリスちゃんの話聞いてたのね。

両手に持っていた、週刊誌的な何かの本を閉じながら、椅子をクリスのほうに回す。

回る椅子って便利だね。



「……前も言ったと思うけど、さ。 ボクはこの国が大嫌い」


「うん」

聞いた覚えがない。 私が眠ってた二年の間、いったい何があったんだろう。




「弱者を切り捨てて、誰かに変な重圧かけて、人と人との争いを見るのが大好きで」


「……」


「王位戦の決勝なら、みんなが見に来てるはず――。 だから、きっと外で何かやっててもバレない」



外で……。 え? 何するの?

身体が震えるのを感じた。 でも、あの良い子ちゃんがこんな事を言い出すくらいだし、きっとこの国は相当ヤバいのだろう。







「だから、あの無駄に大きい建物を壊してやろうと思う……」

「へ? こわす?」








「……そう。 あそこの――」


窓の外に向けられた指。

その先から直線状に視線を動かし、とある建物に目を付け……。




ん……?







「……あれ? あの白いやつ?」


「うん。 国王は神なんかじゃないって、ボクが証明してやるんだ――」



……神?

そうか。 人間から神になる為の戦いだから、あんなに皆が興奮してたんだ。


なるほど……。




「あの建物はね、五十年前に建てられたもの」


「うん」


「……国王への信仰の象徴なんだって」



こう語るクリスちゃんの表情は暗い。


そりゃそうだ。 国王って言えば、クリスちゃんのお父さんでしょ?

生まれた時からそういう考えを植え付けられてきたなら、反旗を翻すのにも相当の覚悟が必要になるだろう。


それでもクリスちゃんがそうしたいと言うんなら、

私は喜んで協力してやろうじゃないか。



――操られてる訳ではないみたいだし。





「国に逆らった人は、あそこにある国王の台座の前で首を切られる」


「え……だったらクリスちゃんも」


もしも失敗したら……。

不安がふと胸をよぎり、私は思わずそう呟いた。



「大丈夫よ」

その時、後ろから肩に手が置かれた。 同時に優しげな声も聞こえてきた。


「――ライズ」

「あの魔王だってどうにか出来たんだから。 きっと打開策はいくらでもある」



「みんな、手伝ってくれる……?」


申し訳なさそうな顔をして、私たちに問い掛けるクリスちゃん。

ああ――アナタの為なら、処刑されようが構わないとも。 そもそも私、一回死んでるしね。



「わかった。 私も一緒にどうにかしてやろう」

「ええ――。 後はジェイドだけど」



「勿論。 俺は構わない」



くそっ、美味しいところ持っていきやがって!

……っていうか、ジェイド、ちゃんと話聞いてたんだ。



まあとにかく、これで四人ともオッケーなわけだな。

あとは試合中にアレをぶっ壊してやるだけだ。 配役はどうするか知らないけど……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ