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チョロイン☆デビュー!  作者:
花の都・フォーサイス
62/83

第六十一話「三男を倒したぞ」

「ぐはっ」

「雑魚が――」



えーと、現在倒されたのが……副将までかな。

敵チームの残りはたった一人だけ。 そう、クリスちゃんの実兄であるチビくんである。



「えー、次は大将です」

「ひえっ」

「……何をしている? まさか怖いのか」


嘲笑うジェイドと、逃げようとするチビ。 そして無慈悲にアナウンスを続ける司会。

あれだけ盛り上がっていた客席は、チビの態度と比例するように、段々と静まり返っていった。

今では、このコロシアム全体が静寂に包まれ、たまーにライズの寝言が響くくらい。


ちなみに、彼女が眠ってしまったのはついさっきの事だ。

可愛い女の子が、私の肩にもたれかかって眠っている。 最高のシチュエーション……の筈なんだけど、やっぱライズじゃ……なんかなぁ。 さすがに友達って感じが強すぎる――気がする。


確かに可愛いことは可愛いんだよ。 でもなぁ…………っていうかエルフ耳いいな、触りたい。





「うぅ……」

「棄権するか?」

「う、う――。 ごめんなさい」


「えー……赤キノコ棄権により、青キノコの勝利」




――あ、決着ついたの?

あまりに弱々しい兄の姿に、クリスちゃんも思わず溜め息をつく。


「はぁ……こんなのだからお兄ちゃんは」


可愛い。 こういう妹欲しかったなぁ……。




……でも、この戦いってトーナメント式? だよね。

だったら他のチームでも見に行きたいな。 ……雑魚相手だったし、暇だし。



「……な、クリス」

「どしたの?」

「他のチームとか見れないの? 試合」

「……おねーちゃんとリーゼントのこと? それなら、もうきっと終わってるよ」


え――。

……っていうか、リーゼントって誰だっけ。


長男マッチョゴリラ男、長女イケメンまな板女、次男がイケメンヘタレチビで今戦ってるやつ、次女であり末っ子がクリスちゃん――。 と来たら、たぶん三男にあたる奴だな!


さっき紹介されてた気がしないでもないけど、そんな奴覚えるくらいだったら、私はクリスちゃんのこと一つでも多く知って覚えたほうがいいや。

たぶん、そのほうが脳も喜ぶし!




「……なんで?」

「だって、おねーちゃん戦う気無いもん。 一人だけチームも集めてないし、そもそも『次子だから』って無理やり参加させられただけ」

「ふーん――」


ああ見えて戦いは好きじゃないのかな。 強そうな見た目してただけに意外……。



「……子供のころは暴君って呼ばれてたんだけどね。 今は……えーっとね、討伐に何十人も必要なつよーい魔物、勝手に倒してきて危ないーって怒られてるよ」

「えぇ――」


強いじゃん。 それ絶対強いやつじゃん。

ジェイドと違って補正とか無さそうなのに。


「……強すぎない?」

「でも、やる気なかったらトコトン駄目人間だよー。 だけどボクは好き~」

「――っ」


微笑みシスコンクリスちゃん可愛い、息詰まるやめて死んじゃう。





「――まあ良いや、とにかく試合はどっちも終わったってこと~。 数が奇数だったら、長子だけはシード枠で出れるんだってさ」

「ずるっ」


意外と良いこともあるんだな、長子って。 わりと不遇なイメージしかなかったけど……。

でも、弟妹だった人に聞いたらだいたい逆だよな。 なんでだろ――自分の境遇が影響してるとか? 隣の芝生は青い。



「……だから、たぶん次はリーゼントと戦うよ~。 準備できたらしといて」

「あいよ」

「んー……」


寝ながらライズも返事した。

っていうかそろそろ肩痛くなってきたんだけど。 起きてライズ、我が友よ起きて――。

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