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チョロイン☆デビュー!  作者:
花の都・フォーサイス
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第五十六話「やめて! 彼女に乱暴する気でしょう?」

私は今、これまでで一番達成感に満ち溢れていた。


この腕の中には、ちょっと成長したクリスちゃん。

ふと後ろを振り返ってみれば、そこには見事に――しかも有り得ないような体勢でズッコケたジェイドの姿。


完璧である。

ほら、ちょっと見てみて下さいよアレ。


ジェイドの手がある位置……、私が割り込まなかったら、確実に彼女わたしのくりすちゃんは乱暴されてましたね。 エロ同人みたいに。 エロ同人みたいに。



「うぐ……痛てて……っ」

そう呟きながら、ホントに痛そうに立ち上がってくるジェイド。


目の前にラッキースケベ未遂の男が居ると思ったら、思わず身体が勝手に戦闘態勢と化した――けど、

彼の表情は完全に……なんだろう、顔文字のショボーンのやつに良く似ていて、

どうにもアイツ相手に戦闘態勢になっている自分が馬鹿らしくなって――。



……まあ結果から言えば、普通に私はジェイドを見ていた。 以上。


「……!」

で、(私の)クリスちゃんも、(とってもカッコいい)私の介入に気付いたようで、

まるで憧れの先輩を見るような目で――。



「――アリア? なーんだ、変な警戒して損しちゃった」

「変な警戒って……何だそれ?」

「ううん。 髪の生えてないボディーガードのおじさんより、友達のほうが安心できるし」

「ハゲの人が可哀想だろ」


――どっちかと言えば普通に友達を見るような目で、私のことを見つめていた。 ちょくちょくよそ見しながら。



「そうだ、ハゲだって必死に生きてるんだ!」

「お前は黙ってろ! 今はな、私が久々にクリスちゃんとお話してる良いところなんだよ!」


やけにハゲに対して肩入れするジェイドを振り払って、

私はクリスちゃんのほうに視線を向け直す。


……あいつ、前世はハゲだったりしないよな?





場面は変わって、現在私はここ!

フォーサイスの中央にある、花で囲まれたでっかい建物に来ております!!


日本で言ったらスカイツリーの如く、天からクソ長い棒が落ちてきて、地面にグッサリ突き刺さったみたいな圧迫感を感じます。

……あ、例えが良くわかんない? ごめんねごめんねー。



でも、これ見て一番に思ったことはアレだ。



「……花粉ヤバそう」

だって、このデカい塔の周り――全部色とりどりの花で囲まれてるんだよ? 絶対花粉症の人とか死ぬレベルだよ? かく言う私だってそう……。


「だいじょーぶ、全部食べれるし人には害のないお花だからー」

私の言葉に対し、そう言って微笑むクリスちゃんは、

紛れもなく女神で天使で……ちょっと表現はアレだけど、萌え~って感じだった。


「――確か、体力やら魔力やらの回復にも効果があるとか聞いたけれど」

「えーっと……あっ、あの青い花が効きやすいやつだ! あとキノコとかも、そういう効果あるってきいたよー」

ライズの問いかけにも、ちゃんと丁寧に答えてくれます。 はぁ~、クリスちゃん最高すぎて心がドンチキドンチキしてくるよ。 チムドンドンだよ。



「……じゃあ、クリスは好きな花とかあるのか?」

おうジェイド、さり気なくクリスちゃんに『好き』って言わせようとしてんじゃねえぞ。

好きっていいなよ……ってか! やかましいわ! あはははは……ははははー……。


「ボクは特にないかな」

しかも会話が続いてない。 ざまーみろ! ギャーーハッハッハッ!!




仕方ないな、会話の手本ってのを大天使アリア様が見せてやる。

「じゃあクリス、唐突だけど私のこと好き!?」

「……ほんとにトートツだね」

あっ冷たい。


「でも、アリアのことは好きだよー。 嫌う理由なんてないしね」

えっ……えっ。


今好きって。 クリスちゃんが。 あのクリスちゃんが。

私のことを? えっ?

嫌う理由なんて無いって? 唐突に言われても?

えっ? えっ?


……私のこと、好きって?




「よっしゃあぁあァぁァ!!」

――さっきの言葉を飲み込むのに数秒ほど掛かったが、まあそれは良いとしよう。

問題はね、私がクリスちゃんに好かれてる事実が判明したってことよ。

どうだジェイド、これがコミュ力に満ち溢れたリア充であるアリア・ユリシフタさまの実力――。





「……で、この塔で今から何をするんだ?」

「兄弟のチームと戦わなくちゃいけない……らしいんだ。 ごめんね、ボクの変な事情に付き合わせちゃって」

「良いのよ。 仲間なんだもの――それに、私もアナタに助けられた身だしね」

「……ありがと」


――ぅ?

私の居ないところで、勝手にストーリーが進行していってる気がしないでもないぞ。



「――――」



あーダメだダメだ!!

私はこの旅の実況係を自負する女!


ストーリーと可愛い女の子には、ベッタリくっ付いていくのが我の使命なり――。




……ってなワケで、私は勝手に塔の中へと入っていった三人を追いかけて、

大小さまざまな花が咲き乱れている門を潜り抜けていった。

若干モサモサしていた。

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