第四十五話「いざ魔王戦……」
――なんか、夢の中でいろいろしてたら、ちょうど良いところで目が覚めた。
やけに長い夢だった気がするから、
「……ただいま。」
って言ったら、
「おかえり……」
ちょっとしょんぼりしている三人から、あんまり元気がない返事が返ってきた。
こだまでしょうか。
いいえ、何故か残念がられています。
「――ああもう、なんだよ! 何が不満だ!」
「……あれ? 元に戻ってるや」
え? なにが戻ってるって?
もしかして寝相がとっても面白いことになってたとか?
「ホント……不思議なこともあったものね。 ちょっと残念かも」
――まあ、つまりはあれだな。
私が何かになってて、それが不思議で、残念がられるようなこと。
「ああ、汚いほうのアリアになってるな」
おい待て。 それ完全なる悪口だよね。
言うのは百歩譲って良いとしても、せめて柔らかい感じで言ってよ。
そんな直球フルストレートで投げてこないでよ。
……まあ、それは良いとして。
良くないけど、あとで追及することとして。
「――で、今何日目だ」
ライズが起きてるし、なんかやけに距離が近いし、夢がとっても長かったし。
なんかもう、疑う要素がいっぱいあるな。
展開詰め込みすぎじゃないの? もうちょっとで良いからスローペースで行ってくれないかな?
「……そうだったわね。 アリア、準備はいい?」
そうだった? 準備?
「――あ、え、うん」
とりあえず返答に困ったらイエスと答える、こういう癖は前世から続行されてるらしい。
「わかったわ。 ――まあ大丈夫よ、今ならまだ」
いや、何が?
――――ああ、魔王のことね。
◆
「……じゃあ、集合は一時間後。 それまでは各自、自由行動で」
「らじゃー」
「了解」
「……あ、うぃーっす」
こんな感じで、
私は謎の疎外感を感じながら、自由行動に移った……んだけどね。
『――果たしてくれ。 その姿で、我が民の仇を……』
「……え?」
私の声なんだけど、中身が完全にカッコいい人のアレ……っていうか、
何故かカッコいい声が、脳内に直接響いてきた。
「……我が、民?」
その瞬間、思い出したのは、
かつて見たことがある小さな頃の私の姿。
あれは確かに私であって、でも確実に私では無かった。
凛々しさも、迫力も、全て備えておきながら、
まだ――何か、大切なものが備わっていない。 あれを見て思ったのは、きっとそんな感じの事だったと思う。
「……ははーん、なるほどね」
何かが分かったような気がして、私は一人つぶやく。
でも考え付いたそれに、本当の答えは無かったような気がして、
小さく首を横に振り、先ほどの台詞を取り消そうとした。




