第二十三話「ジェイドくん、出張る」
ちょっと短めデス
――門をくぐった先にあったのは、白い砂浜と青い海が光り輝く、
ザ・真夏のリゾートな光景。 そして……。
「いやっはああぁっ!! 海だうみだ……海だあぁーッ!!!」 「うるさい」
ものすごくはしゃぐ私――アリア・ユリシフタちゃんと、
この美しい景色を前にしてなお、無感動に私を黙らせようとする孤高のジェイドくんが居ました。
「……確かにきれいね」 「うん、うん」
ライズもクリスも、ちゃんと感動はしてるっぽいのに……。 表情も変化しないって、面白くないね。
――まあ、確かにね。
これからどんだけ冒険して、どんだけ町を巡っていくのかは知らないけどね、
一々、次の町に着くたびに「わぁ」とか「おぉ」とか叫んでたら、もうキリがないとは思うけどね。
かと言って、二回目で早々辞めさせられるのも……。 何となぁ~く、腑におちないねぇ。
◆
というわけで……。
「やって参りましたっ、依頼書に書かれてた宿~!」
「――どんどんどん、ぱふぱふぱふ……」 ……ん? この低くてもごもごした声は――。
ジェイドくん、ねぇなんか言ったかな? 私なにも聞こえなかったや。
まあ、言いたくなる気持ちも……分からんでもないな。 何より、コイツにもやっと人間味を感じられた。
「ってわけでライズー、今回の依頼は?」
「ええと……要するにリゾートバイトね。 人手が足りてないから、宿の手伝いをしろって」
「そういえば、二週間泊まりって言ってたか?」 ふと、いつか聞いた言葉を思い出して質問してみる。
「そうね。 泊まり込みだから……時間が余ったら、海に行けるかもしれない」
「よっしゃ」 「やった」 「よし」
……うん、みんな海が大好きなんだね。 私はクリスちゃんのスク水を期待しているだけなんだが。
「――よし、じゃあ入るぞ……」
珍しく喋ったジェイドに、ライズとクリスがコクリと頷く。
それを確認すると、彼は青色に塗ってある宿の扉に手をかけ、ゆっくりと引いた――。
……ジェイドくん、たまには出張ろうとするのはいいけどね、それは押さなきゃ開かないやつだよ。 頭が悪いのかな?
「…………」
何事もなかったかのように、ジェイドは扉を押した。
すると今度こそ扉は開いて、
「いらっしゃーい……お、ギルドから来た人たち? こんにちはー」
「こんにちわー」
……わりと可愛くて、夏らしく涼しげなショートヘアの女の子が、我々を迎えてくれた。
ジェイドあるところに美少女あり……。 この噂は本当だったのか。
お久しぶりです。
エタると思いましたか? ……私は思いました。




