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チョロイン☆デビュー!  作者:
城下町
18/83

第十七話「爆ぜよゴーレム燃やせよ乙女」

――適当なB級の依頼を受けて、私はジェムを二つ持った。 ひとつは行き、ひとつは帰りのためのもの。


「ワープっ!!」 勢い良くジェムを空中に放り投げる。

そして落下してきたところを、人差し指と親指でぱちりとつまんで潰した。


――その途端、あたりは何色でもない光に包まれた。


「……っ」 眩しい光がようやく収まり、目を開けると。

そこには紛れも無い、夜の森が広がっていた。 ……さっきまで朝だったのに。


本当にワープした……。

と、感動している暇なんてなかった。 これは任務だ任務、借金返済の為!


ついでに、任務の内容は……確か、大量発生したゴーレムを討伐することである。

けっこう強いから気を付けて、って言われたけど――、私なら出来る! なぜならこの肉体だから!



「……あっ!?」

とりあえず隠れなきゃいけない気がして、私は木々の後ろに身を潜めた。


――散々待ちぼうけをくらったけど、やっとゴーレムが登場してきている。 見たところ、身体は木で出来ているようだ。

だったら火でも付ければ一発……だと思ったけど、そもそも私は魔法、上手く使えない。

つまり、殴って壊さないと勝てない!


よしッ!

私は隠れてた木のてっぺんに昇って、そのままゴーレムの頭上に飛んだ。 ほんと、ジャンプ力高いって便利だ。


ゴーレムがびっくりしてる間に、上から殴る!

「ふんっ!」

――なんと、ちょっと力を入れただけで、ゴーレムは粉砕されてしまった。

私が強いのか、向こうが弱いのか……。

とにかくとにかく、『俺tueee!!』って気分で無双してやるぞッ!!


今度は十体くらい、一気に湧き出てきたゴーレムさん。

前方にいた三体には、まず回し蹴り。


そして、襲ってこようとした後ろの一体は、

足と足の間に潜り込んで、思いっきり金的攻撃だッ! 殴った場所から、頭まで風穴が空いている。

へえ、すごいね籠手。


で、回し蹴りした三体には、普通に殴って消えてもらった。

うひょひょひょっ! 本気で錯覚してきたかも。


残りは六体。

とりあえずは残り一体まで減らして、最後は魔法で決めてみるか。


っていうことで、とにかく蹴って殴って叩いて、刺して飛ばして嬲って……で減らす。


最後に残ったゴーレムと、大量の木くず……。 このクズ、ゴーレムの素だったりしないかな?


「えーと、イメージして念じて頑張る! だったっけ?」

イメージ……火の玉。 ファイアーボールだ!!


「出てこい火の玉ー!」

私はそう叫んで、両の手のひらをゴーレムにかざした。

イメージでは、ちっちゃいけど煮えたぎる火の玉が百個くらい出現して、全部が対象に向かっていく……って感じだったんだけど。


リアルの火の玉は、マッチの火くらいの大きさだった。

よろよろと、脱力するような足取りで、ゴーレムに向かっていく我が魔法……。

「……しょぼいな……」


だが、しょぼくても火だ。

ゴーレムの胴体に当たった火の玉は、燃え出すわけでも無く、弾かれた。

火ェ……。 私がそう落胆した瞬間。


いきなり、マイマジカルは回りに落ちていた木くずに着火した。


「えっ」

私は予想外の展開に、驚きの声をもらした。 多分、ゴーレムも同じ思いだったと思う。


勢い良く燃える、ゴーレムの残骸たち……。

それらは凄まじい速度で、残りの一匹に着火して、どういうことか爆発を始めた。

爆発が爆発を呼んで、ゴーレムを中心として爆発地獄が巻き起こっている。


「あわわわ……さ、さいならー」

私は怖くなって、とりあえず全力で森の中へとダッシュする。

……地面や木々には影響もなさそうだったし、ほっといたらゴーレムたちだけで爆発するだろう、と信じながら、

ポケットに入っていたジェムを握りつぶした。

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