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チョロイン☆デビュー!  作者:
城下町
11/83

第十話「説明回がはじまるまで」

「では、試合を始めようか…四人同時でいい、こいつは強いぞ」

「……こいつー?」

ギルドマスターが、イヤミに口角を上げる。

それに比べて、やっぱりクリスはかわいいや。このままずっと幼女でいてもらいたいね。

…いや、でも意外と成長したほうが可愛いかもしれんぞ…?


ちなみにこのギルド…長いから略してギルマスさんは、肌は全て布で隠してある、暑そうな格好をしている。

どんな理由かは知らないけど、彼女からは日焼け止めっぽいニオイがぷんぷんしてるぞ。



「――○△□☆×●◎×★……」

意味不明な、異世界語っぽい言葉を早口で呟くと、ギルマスさんの回りに魔法陣が現れた。

近寄ろうとするクリスをジェイドが止めて、ギルマスさんは華麗に飛んで、陣の上から離れる。

「……おっ…!」

陣から何か、バカクソでかい生き物の頭…っぽいものが出現した。

ゆっくり、少しづつ、地上へと上がってくる。


よし、予言するぞ。 でっかい竜が出てくる。

「……あっ」

ギルマスさんは『あ、失敗した』みたいな顔で、魔方陣から出てくるそいつを見詰めている。

――って、失敗……あれ?

一瞬、不安が胸をよぎったが、『まぁチートいるし』で大体片付いた。

ジリ貧すぎるのも余裕すぎるのもアレなもんであるが、余裕のほうがいくらか良いだろう……多分。


と、まぁそんな事を考えている途中に、そいつの頭が全部、魔方陣から出てきていた。

――予想的中。

「やったぜ。」

「うわああぁっ!! ドラゴンだーっ!!」

赤色の、二足で立つかっこいいドラゴンである。

……ドラゴンと竜って、だいたい同じ意味だよな? セーフだ、セーフ。



「そ、それでは……試合開始」

(やっぱり間違えた顔してる……さては強すぎんのでも召喚したのか?)


竜(ドラゴンかもしんないけど、予想的中って言っちゃったし……)が動き出すと同時に、

ギルマスさんはしょぼーんっとなった顔でそう宣言した。


よーしっ、戦闘二回目っ! 気合い入れていこう、異世界ライフの第一歩だ。

……チートが効かなかった場合とかで私が活躍してやれば、百合ハーレムだって不可能じゃないんだからな。

そう考えた途端、ジェイドが何故かぴったしのタイミングでこっちを見てきた。


やべ、人の脳みそ覗く能力だったのか?

(……ふっ、聞いてるんだろ? ジェイド)


少し待っても返答らしきリアクションは無かったので、この線は消えた。

「よかったー……、」

ちょっと余裕すぎる感じで私が呟き、続きを言おうとしたとき。

「うわっ!?」

下から何かに、足を掴まれた。

――何これ、触手? 春雨の太いバージョンみたいな、ぬるぬるしたもの。

(……っ!) 敵の攻撃だっ!

そう思って、余裕すぎたと後悔しながら竜を睨みつけてみた……が、


「……あれ?」

動いてない。

というか、ギルマスさんも、クリスもライズも動いてない。


「ふふふふ……驚いたかアリア、これが俺の能力こと時間停止だ」

「え……じゃあ、この触手は? ――まさかっ!?」

言っておこう。私は前世も現世も十五で、十八禁などは見ていないはずなんだ。

だから無罪です、そんなアレなことは想像していません。

そもそも知らないんだから、想像できるはずもございません。


「この人痴漢ですッ!!」

勢いに任せて、右手を振り上げながら叫ぶ。

「なっ……、そんなんじゃない! 信じろ!」

「うるさいハーレム男っ! この外道めが!!」

「違うって! そもそも、そんなんだったらアリアの時間も止めてるはずだろ」

「あ……、それもそうだな」

『まったく……』みたいな、『やれやれ……』みたいな顔で、ジェイドは触手を引っ込ませた。


ここから時間停止中はずっと、チート能力(自称)の説明を聞かされるんだろう。

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