私のことが好きですか?
春香が話し終わると、愛莉の目は流れ星のように輝いていた。一方の俺はというと、真っ赤になっていた。あの思い出は気恥ずかしくて、どう説明したらいいかわからなかった。
「わあ、パパ!」愛莉が大きな笑顔で俺を見上げながら言った。「パパって、紳士なんだね!」
「そ、そんなことないよ、愛莉ちゃん」俺は気まずそうにうつむきながら、うなじをかいた。
「そんなことありますよ、カズキくん」春香が、あの笑顔で反論した。ああ、あの笑顔だ!「キスしようとか、そういうこと、全然しなかったじゃないですか。ただそばにいてくれただけなんです。本当に紳士ですよ。」
「大げさだよ、春香さん」俺はつぶやいた。
二人が笑い、俺も笑顔になった。もしかしたら、俺は本当に紳士なのかもしれない。運が悪くてだらしない紳士? そうだな。でも、紳士ではある。
数時間後、愛莉がソファで眠ってしまったので、俺と春香は夜風にあたりながら、お茶のカップを手にベランダで話すことにした。沈黙が流れていたが、心地よい沈黙だった。
「春香さん」俺が呼びかけた。
「うん?」
「あなたは……俺のこと、好きなの?」
その質問に春香は驚いたようだった。彼女は目を見開き、頬をほんのり赤らめながらも、まだ笑顔を浮かべて俺を見た。
「えっと……どうしてそんな質問をするんですか、カズキくん?」
「いや、その……」俺はどもりながら、彼女よりもさらに真っ赤になった。「あなたが話してくれたあの話を聞いて、俺……気になっちゃって。」
春香は目をそらし、右腕を抱えるようにして持った。彼女がさらに顔を赤らめているのが見えたが、彼女は言った。
「あなたは……本当に聞きたいんですか?」
「聞きたい」俺はつぶやき、目をそらしながら、返事が怖かった。
春香は長い間、沈黙した。俺はもう、丁寧な「ノー」か、「いい友達だね」と言われるのを覚悟していた。しかし、彼女はそんなことは一切言わなかった。その代わりに、彼女は言った。
「カズキくん……私はあなたと二年間、一緒に過ごしてきました。そしてね、あなたの不運なんて、一度も気にしたことがなかったんです。」
「一度も?」俺はまばたきしながら尋ねた。
「一度も。なぜだと思います? だってあなたは、優しい心の持ち主で、たとえ一人ぼっちでも、誰かに笑顔を届けようとしていた。それって……どんな幸運にも勝るものですよ。」
彼女は手を俺の頬に添え、言った。
「カズキくん……私はあなたを愛しています。本当に愛しています。あなたは……私と付き合ってくれますか?」
心臓がドキドキと鳴り出した。彼女は……本当に俺のことを? 彼女は……俺を愛している? 俺は……何て言えばいいかわからなかった。
でも……一つだけわかっていた。俺も彼女を愛している。そして……それを伝えなきゃいけない。
「春香さん……」俺はつぶやき、彼女の手に自分の手を重ねた。「あなたは……自分の話をしてくれた。俺も……俺の話をしてもいい?」
「うん?」彼女が言った。「あなたにもあるんですか?」
「あるよ。」
「じゃあ……聞かせて。」
俺は微笑み、彼女に座るように頼んだ。深く息を吸い込み、夜空を見上げながら、話し始めた。もし全てを、春香のツッコミも含めて話したら、おそらくこの話は終わらないだろう。でも、大筋はだいたいこんな感じだ——




