表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ANCIENT -無代譚-  作者: 美朱太
天地獄のはぐれ者
PR
36/42

7-3 むちむちフライングゲッティングガールズ!

タイトルは全く関係ありまへん

 「あっ!遅いぞー!みんなー!」

玲那のギャルボイスが響き渡る。

某アメコミヒーローの様な堂々とした歩き方をしていた男どもは、その玲那の姿を見てすぐに縮こまる。

 「おぉ…っ!」

男子たちの水着なんてどうでも良いだろう。

ざっくり説明するとまず颯。

颯は長袖のメンズ用の黒のラッシュガードを着て、下は灰色の膝下くらいの水着を着ている。

筋肉がクッキリ見えてかっこいい…。なんかサングラスもしてるし…。

次に遥真。

上半身は少し焼けた肌で彩り、下半身はオレンジ色のハワイアンな柄の水着を着ている。

流石に全裸なわけがなかった。なんかイキってネックレスをつけている。…似合ってるのがなかなかに腹が立つ。

そして勇。

色白の肌に良く似合う紺色の無地の水着。シンプルながら深海の様な奥深さを感じる。細マッチョだからこれくらいがちょうどいい。

一番男子高校生らしいかっこよさが浮き出ている。

最後はみんなの期待の星の風華。

もちろん風華は女ものの水着…。なわけがなくてフード付きの大きめなラッシュガードを着用している。まぁでも少し女の子っぽい。

こういうところが風華の上手いところだ。

しかも華奢な体の中にある薄らと見える筋肉もある。

下は普通の水着だ。そんで長い髪を一つ結びにしている。

 「なんか勇と遥真…特に遥真がかっこよく見えるのムカつくぅ…!」

 「俺はカッコよくないの?」

 「颯さんは次元が違うんだよッ!」

 「俺はちんちくりんで髪長いから全くカッコよくない…」

 「あーん!風華あんた可愛すぎるんですけど〜っ!?」

風華に抱きついてくる玲那。

あまりにも羨ましい…じゃなくってけしからん!風華はやっぱりド変態だ。

しかも玲那の胸が風華の腕に当たっている!

 「ちょ!玲那!風華から離れろ!」

 「こいつ女だったら誰でも良いからな!」

 「えっ!?」

ドン引く玲那。顔は軽蔑の目をしている。

風華は全力で首を振るが…玲那は軽蔑の目を止めない。

玲那は暗めの赤い水着を着ている。

谷間がはっきりと見える水着を着ていて、たいへん目のやり場に困ってしまう。本当にシンプルなビキニだ。

だがこのシンプルな可愛らしさが玲那の魅力を際立たせる。ポニーテールから見えるうなじが綺麗な玲那の体をさらに魅力的にする。

流石にハイレグ水着ではなかった。

正直みんな密かに期待していた。

麦わら帽子でもなかったし。

 「男子高校生だなぁ…」

少し離れた所から男子を見ている杏。

やっぱり勇の言っていた通りの水着を着ている。だが流石に可愛すぎる。似合いすぎる。

普段のクール美人な印象からは考えられないほど女の子らしさがある。でもそれはおでこにつけているサングラスで中和される。

圧倒的に完璧なバランス。小さな胸なんて気にならないくらいだ。

しかもいつもはしてないセンター分けでかっこ可愛いを両立している。

道行く男どもはみんな杏を見ている。

流石に可愛すぎる。

 「あ…!杏ちゃんん…変じゃないかなぁ?」

 「もうっ!あんたは可愛い子ね〜」

 「ほれほれ!」

杏の背中に隠れていた舞を、杏は前に押し出す。めっちゃ頬を赤く染めている。可愛い。

 「おぉぉぉ…」

舞のその姿を見て男性陣は歓喜の声を上げ前のめりの姿勢になる。

 「み…!見たいのに…!」

身長のちっちゃい風華は舞の水着を拝むことができないでいる。ずっとぴょこぴょこと男の後ろを跳ねているだけだ。

 「うぅ!やっぱダメ!」

また杏の後ろに隠れる舞。

初対面の親戚に会う子供みたいだ。可愛い。


舞の水着はなんと風華の予想がまるまる的中していたのだっ!

夏にピッタシの水色の水玉模様のフリルワンピース。しかも胸の谷間がハッキリと見える。なのに肩とお腹だけは隠している。

そして風華がサブで予想していたシースルーの白い羽織りもちゃんと着ている!

あ…あんまりに可愛い。

ただ一つだけ予想できていなかった事がある。

それは舞の髪型だ。

普段のボブを低めのツインテールにして、そのツインテールには三つ編みが施されている。

目の前にロリの女神が現れたのか?

そう錯覚するほど舞はあどけない。

こんな可愛いものを見れない風華は可哀想だ。

 「どう!?舞の髪これ私がやったんだ!」

自慢げに胸を張る玲那。

ビキニで胸がピッシーとなっている。

男子高校生には刺激が強すぎて…目を離してしまう。

 「何…!?私そんな水着似合ってないの!?」

 「ちょっと自信あったんだけどなぁ…」

 「そんな目を背けられるほどなの!?」

 「そ…そういう訳じゃないゾ…」

 「そ…そうなんだよなぁ…」

 「えぇ!?もしかして…顔が〜とか言うつもりなの!?」

 「そんなこと言われたら流石の私でも泣いちゃうよ?」

 「ねぇ!颯そういうつもりなの!?」

颯の肩を掴み脳震盪が起こるほどぐわんぐわん揺らす。

耐えきれなくなった颯は一度玲那を見る。

だがすぐにまた目を背ける。

 「ま…まぁその色々ね…」

 「みんな酷いよぉ…せっかく可愛いと思って買ってきたのにぃ…」

玲那はその場にしゃがみ込み肩を落とす。

流石の男性陣も心配になり一度玲那に視線を向ける…が上から見える谷間の破壊力が抜群だ。

また男どもはそっぽを向く。

 「うぅ…杏〜私もう着替えてくるぅ…」

 「あぁ〜玲那もうおいでおいで」

 「ま…!待って!」

 「うぅ…風華まで私をいじめるの?」

風華はブンブンと首を振る。

玲那の綺麗な胸が揺れる。

 「み…みんな玲那さんが素敵だから目のやり場に困ってるの…!」

 「だから玲那さんが似合ってない訳じゃないよ!むしろ似合ってる!」

 「だから…!着替えないでいいよ?」

風華の上目遣い…!あまりの破壊力。

玲那の手は思わず風華の頭に伸びる。

玲那に撫でられると風華は猫の様に目を瞑る。

 「あ…あんたって子はぁ…」

 「良い子ねぇ…」

 「うーんじゃあウチの水着は似合わないのかー?」

杏は頬を膨れさせて風華に近づく。

舞も後ろにいるのだが姿は見えない。多分コアラの様に杏に抱きついているのだろう。

 「もちろん杏も似合ってるよ!」

 「みんな恥ずかしくて言えないだけで…」

風華は顔を真っ赤にしている。

風華の頭を好き放題撫でた後、玲那は口角を上げて男どもの前に立つ。

顔を覗くとみんな揃って顔を真っ赤に染めていた。

 「ほれほれ〜男子高校生には玲那様の水着姿すら見れないのかなぁ〜?」

勇は直で玲那の胸を見てしまい…鼻の下が伸びきっている。エロザル。

 「やっぱ持つべきものは正直者の風華ちゃんだなぁ〜」


 「ふ〜ん…勇は玲那の大きくなった胸を見て興奮してるんだなぁ…」

優しい口調でブチギレている杏。

 「風華くん…私の水着褒めてくれなかった…」

 「風華くんなんて…大っ嫌いだもん…!」

あまりにも理不尽に怒る舞。

 「杏ちゃん…もう泳いでこよ!」

 「うん…!早く泳いでこよう!」

明らかに怒った表情を浮かべて歩く杏と舞。

色黒のナンパな男たちですら2人が前に来ると道を開ける。

 「あ!待ってよ〜!」

揶揄えてテンションの上がった玲那も2人の後わスタスタと走ってついていく。

取り残された男性陣は女子たちが置いていったパラソルやクーラーボックスを持って砂浜へと向かう。


 「うおぉ…すごぉ…」

ただでさえ綺麗な海が真っ赤に燃え盛る太陽に反射して波打つ海が光の道を作る。

そこに笑顔の人々がプラスして笑い声が…海の向こう側まで届いている様な…そんな絵空事ですら現実の様に感じる。

 「風華もパラソル刺すの手伝えよ!」

 「はーい!」

数分後パラソルを設置し終えた男どもはレジャーシートの上に寝転ぶ。死んだ様に。

 「疲れたぁ…」

 「いやはや眼福ゾ…」

 「颯殿ナンパでもしてきませぬか?」

 「今宵は綺麗な女子がたくさんおりますゾ?」

流石に体力が有り余っている遥真。

部活をしている事はある…。もう勇おじいちゃんは上半身ですら起き上がらないぞ。

 「いや俺は舞に日焼け止め塗るシチュエーション待つから1人で行っててくれ」

今舞は普通に海の中に入っているのだから、日焼け止めはもう塗り終わってるんだろう。

 「1人は緊張するんだよなぁ…」

 「こいつらは…」

勇は疲労ののあまり普通に寝ていて…風華は近くにいた子供に連れられて砂で山を作っている。多分同い年に間違えられている。

およそナンパに連れて行けるような人材ではない。遥真は泣く泣く目の前を通る巨乳の姉ちゃんたちを眺めるにとどめる。

 「よっし俺舞と遊んでくるわ!」

颯は勢いよく起き上がると海に向かって一直線に走り出す。

海に向かっている最中にも綺麗な女の子に話しかけれていて…笑顔で話して軽く癒しているのが何よりもムカつく。

 「クッ…俺のものだったはずの舞がぁ…」

 「あんなイケメンで秀才で完璧なアイツになんであんなに可愛い子がぁ…!」

 「答え出てんじゃん…」

 「お前!起きてたんなら言えよ!」

 「ずっと目開けてたぞ…」

 「な…なんか死んだ面してたから気づかなかったゾ」

勇は上半身だけを起き上がらせる。

楽しそうな杏を虚な目でただ見つめる。

これは本当に屍の様な状態だ。遥真が勘違いするのも無理はない。

 「勇も風華もせっかく海来たのに全然楽しんでないジャン!」

 「ほら!遊ぼうぜ!」

砂をかけてくる遥真。

こいつは頭がおかしい様だ。だいたいこういうのは水をかけるべきだ。しかもこの砂バチくそ暑い。

 「…死ね」

 「冗談…冗談」

レジャーシートの砂を払いながら遥真は笑う。

 「水着理想論は楽しかったんだけどなぁ」

 「なんか今日異常に杏の態度が冷たくって…」

 「いやでも!あれから杏と話してたジャン!」

 「話してはくれるんだけどなぁ…なんか目が合わないっていうか…合わせようとしてくれないっていうか…」

 「そ…そう…」

 「勇は話せるんだからいいよ…」

子供と遊び終えたのか風華が後ろからやってくる。

子供と遊んでいた時のあの満面な笑みはもう消えて…これまた虚な目をしてレジャーシートに風華は寝転ぶ。

 「俺なんて舞さんの水着も見れてないし…」

 「たまたま目があったと思ったら完全に目を逸らされたんだよ!?」

 「まぁそりゃ舞が風華のこと好きじゃないからだろ…」

 「あ…」

今更失言を取り返そうと思ってももう遅い!

風華はもうすでにボロボロのメンタリティに遥真の言葉が滅多刺し。

ノンデリが直ってきたと思ったらまたこれだ。

多分一生彼女できないんじゃないか!?

だが脈無しを自覚してる風華は何も言わない。いや何も言えないんだ。これ以上の追撃が怖くて。

静かに寝返りをうち腕を枕にうつ伏せになる風華。哀愁漂う顔。

そして楽しそうに颯と遊ぶ舞を見る。

 「でも…!舞さんは人のこと勘違いさせすぎなんだよ!」

 「今だって颯さんと遊んでさぁ…!」

 「しかも舞さんが連絡先交換したいって言ってくれたのに…結局交換できてないし…」

 「え?俺舞の連絡先知ってるゾ?」

 「あうぅ…!」

可哀想な風華。またノンデリ男に真正面から刺されている。…いやもうこれは風華が悪い気がしてきた。

風華の泣き言に流される様に勇も同じ体制で呟く。

 「本当だよな…!」

 「杏だって俺の告白断ったのに…いっぱい話しかけてき…」

 「ワンチャン心変わり?って勘違いしてたのに…」

 「今日せっかくもっと仲良くなる予定だったのに冷たくなって…」

 「そんなに颯がいいなら勝手に付き合えよな!」

 「うんうん!颯さんが良いなら勝手に付き合っちゃえば良いんだよ!」

 「そうだよな!」

口ではそう言っているものの…2人の顔は正直だ。めっちゃ悔しそうに颯を見つめている。

その顔は「海辺の敗北者」として無名な画家が描いても売れそうなほどで…同情よりも先に憐れみが先にやってくる。

儒学を習ってなかった世界線の徳川綱吉でさえもこの2人には憐れみの令を出しそう。

あんまりにも可哀想な2人…流石に親友としてこのまま悲しいけど思い出を残させるわけにはいかない。

遥真は脳みそをぐるぐる回す。

そして捻り出した答えは〜。

 「杏と舞と話す場所を設けてやろっか?」

 「どうせお前ら口では諦めてるけど…完全に諦めてないんだろ?」

 「めっちゃ羨ましそうに見てるし…」

 「なら1対1でちゃんと話してみれば誤解とか解けるんじゃないかってな!」

 「まぁ風華はともかく勇は誤解の可能性あるジャン?」

 「…遥真なんて嫌いだしッ!」

 「おー冗談冗談」

遥真の筋肉隆々の体に抱きつかれる風華。

男臭い暴れ様にも力が強すぎるし…。

風華は諦めてないんだろ死んだ魚の様な目をする。海だから尚更死んだ魚の目だ。

 「…確かに俺はワンチャン誤解が解けるかもしれない!」

 「俺"は"って!何よ!」

 「まッ!ここは俺に任せておけって…!」

 「必ず良い結果を持って帰ってくるからよッ!」

 「その代わり…!お前らは必ず杏と舞と仲直りくらいしろよ!」

 「遥真は!俺の心の友だ!」

 「もう!遥真俺が女だったら好きになってたよ!」

 「ふっ…お前らは宴の準備をしていろい!」

 「はーい!」


遥真の後ろ姿に2人仲良く大きな返事をする…。


次の投稿は日曜日19時です

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ