6-7 真夏の太陽
そして2人は公園にたどり着く。
道中では他の客は全員帰ったのだろうかかなり静かだった夏休みの補習中くらい静かだ。
補習大ベテランの勇にはわかる。
「おぉーい!」
可愛らしい女の子が走ってくるのが見える。
女の子らしく浴衣を着ていて…表情は花の様に笑顔が咲いている。
ぼふっ…
遥真はその女の子に抱きつかれる。
流石にレベチの顔面を持つ少女に抱きつかれたら、嬉しさと恥ずかしさが同時にやってくる。
ほっぺを赤くして…その少女の顔をよく見てみる。
「遥真…!大丈夫だったぁ!?」
この声は風華だ。顔面で騙されたが男だった。
薄々勘づいていた…上の方ではなく下の方がぶつかっていたのだから…。
今日の風華のビジュが良すぎる。
ていうかやっぱり風華は優しい男の子だ。
こんなに嬉しそうに遥真の体にほっぺを擦り擦りしている。本当に子猫みたいだ。
舞は風華のその姿を見て大きく口を開き、その口をちっちゃな両手で覆う。全然覆えてない。
「風華くん…」
「さ…さっきはあんなにカッコよかったのに…」
「今はあんなににゃんにゃんしてる…」
「にゃ…にゃんなの!?この気持ち…」
玲那と杏は1人で騒ぐ舞を見てほっこりする。
ちっちゃな美少女が1人でアワアワしてるんだからほっこりするしかないだろう。可愛いんだもん。
「私のママも…私に対してこんな風に思ってるのかなぁ…?」
絶対違うが自分で納得をしている舞。
可愛い!とは思うだろうがかっこいい!とは思わない…。と昔なら思っていたが、舞のかっこいい姿を見たらそんなこと言えない。
風華と遥真も仲直りみたいな事になったし…2歳並に純粋な舞も可愛いし…。勇はバナナ食べれたし…。
こうしてハッピーエンドで終わる。
…と思っていたが突然事態は一転する。
「のこのこと騒ぎやがって…!」
「そうだッ!このクソ犯罪者め!」
「反省する気持ちがあるなら死ねッ!」
遥真に暴行した男子高校生たちの声だ。
公民館や公園の遊具…個室に隠れていた人たちが、その声に釣られて出てくる。入れ食い状態の様にゾロゾロと出てくる。
四方八方から出てくるもんで…勇たちは自然に囲まれる。
「な…なになに!?」
「もう解決したんじゃないの!?勇…!」
慌てふためく舞と杏。
「まだ誤解は溶けてなかったんだった…」
「ふふふっ!この玲那ちゃんの魅力で…」
「ダメだよ!玲那さん…」
1人で前に出ようとする玲那の手を掴む風華。
案外風華の手は男の子で玲那も驚いな表情をして振り返る。
「ちゃんと話したら誤解が解けるかもしれないよ!」
「話を聞いてくれる様な状態じゃない…」
「このまま行ったら玲那さんが危ないよ…」
囲んでいる人々はトイレの掃除用具や刺股、大きな石を持っている。
その目はシマウマを狙っているハイエナの様で、およそ現代のスマホ社会を生きている人の目では無かった。
玲那は慌てて風華の背中に隠れる。
風華は玲那より少しちっちゃいくらいだから、玲那は膝を曲げなきゃ隠れられない。
「そ…その犯罪者と一緒にいるってことは…!共犯者ってことだ!」
「だからどれだけ殴ってもいいぜ!」
「天然のサンドバッグだ!」
その男の声に群衆は騒ぎ立つ。
戦争の指導者というのはこういうものなのだろうか?
「…」
その様子を見た勇は風華に目配せをする。
風華は小さく頷くと一歩前に出る。
「えっとぉ…あのそのぉ…」
「皆さん注目してー!」
相変わらずぶりっ子が得意な風華。
いつのまにか結んだ髪の毛はフリフリ跳ねてる。可愛い。
「ここはぁ…私の可愛さに免じて許してちょ?」
風華お得意のぶりっ子ポーズ。
両手を握り合わせてそれを顔の近くに持っていく…ヒロインの様な可愛らしいポーズ。
風華の一番の必殺技だ。
男なら一発で落ちてしまうほどの威力を持っている。
…しかし今回は訳が違った。
「許せる訳ねぇだろ!共犯者ッ!」
男子高校生は風華の胸ぐらを掴む。身長がちっちゃい風華はつま先立ちをすることを余儀なくされる。
「こんな風な育てた親が見てみたいぜ!」
その言葉に子分と思われる男子高校生は「ギャハハ」と汚い笑い声を上げる。
おそらくこの風華の目の前の人物がこのグループのリーダー的存在なんだろう。
風華は俯き下唇を噛む。優しい風華なりの精一杯の抵抗なのだ。
風華の事情を知っている玲那以外の4人は顔に怒りが現れる。
遥真に至っては頭に血管を浮かべて、左腕に力が入っているのかプルプルと震えている。
それよりも怖さを醸し出していたのは舞だった。
「…!あなた達風華くんに謝って!」
遥真とは違って目に見える怒りはない。
ただ顔に影を落として目の前のリーダーを睨みつける。顔は可愛いものの…あまりにも怖い。甘々な猫ちゃんの機嫌が悪い日の様だ。
「な…な…な…なんでなんで!」
あまりの恐怖にリーダーは吃ってしまう。
リーダーは1,2回ジャンプをして、胸を撫でる。恐怖が和らいだのかリーダーは舞を睨む。
あんなことで舞の怒りが抑えられるとは…かなりのやり手だ…!
「あ!当たり前だろ!わ…悪い奴の仲間になってんだから悪い奴だろ!」
胸ぐらを掴まれていた風華は吹っ飛ばされる。
風華は赤ちゃんの様にハイハイをして勇の後ろに隠れていく。
「…悪い人だからって暴力してもいいの?」
「当たり前だ!」
「そっかじゃあ…」
バチンッ!
「あ…」
「い…生きてるかな?」
目の前の惨劇に同情の声が漏れてしまう。
鈍い…あまりにも鈍い…。
舞はリーダーの顔面を平手打ちにした。
あまりの衝撃にリーダーの顔面は叩かれた瞬間、プルプルと一瞬のうちに震えていた。
舞の力の異次元さを知る我々も同様に震える。
リーダーの顎は普通の反対の方向に向いている。こんなこと言ったらダメだが…リーダーに同情してしまう。
「い…痛ぇ…!」
「テメェ!」
舞平手打ちがモロに顔面に当たったのによく喋れるなぁ…。
リーダーは乱れた髪の毛を振り戻しながら舞を見る。
「…!?」
目の前にはどんな鬼がいるんだろう…。
なんて恐ろしい事を考えていたのがバカみたいだった。
なぜなら今現在目の前には天使がいた。
目を瞑って顔を斜め上に上げている舞。可愛すぎてどうにかなりそうだ。
キスシーンの様な雰囲気にリーダーは思わず舞の肩に手を乗っける。ピンク色のBGMが流れていそうな雰囲気。
「…?」
突然ぱっ…と大きな目を開く舞。
「…何してるの?」
「あ…え?」
「私のこと早く叩きなよ…!」
「き…キス…」
「…キ…キス?」
「せ!責任取れ!」
「キャ…!」
リーダーは舞の肩を強く掴み自分の口元に近づけようとする。舞はリーダーの胸板を押して抵抗をする。
人の欲というのはこんなに人を暴走させるのだろうか…。あんなに暴力を振るってきたリーダーが舞の可愛さに狂わされている。
「いや…!助けて…!」
「たしゅけてぇ…!ふうかくぅん…!」
赤ちゃんみたいな声をあげる舞ちゃん。
一生近づけないリーダー。
「は!助けなきゃ…!」
風華は使命感に駆られる。
自分と彼女が主人公だと勘違いしちゃってるカップルの男の方みたいになってしまっている。
「舞ちゃむ本気出せばあの男…全治8ヶ月くらいにはできるのに…優しい子ねぇ…」
「舞が地球の味方で良かった…」
「ま…舞には絶対にセクハラしない様にしよう」
まずセクハラをしてはダメだ。
「だ!大丈夫!?舞さん…!」
風華はリーダーを吹き飛ばして舞を助ける。
その腕の中には縮こまって悲しそうな表情をしている舞がいる。
だが徐々に顔が真っ赤になっていく舞…。
「…バカァっ!」
「え?」
パチンッ!
爽やかな音。真っ赤に腫れている風華の頬。
驚いた顔をしているリーダー。
頬を膨らましながら玲那の元へいく舞。
カオスだが舞は怒ったのは確かだ。
「風華くんのえっち…」
「わ…私のむちむちボディ…触っちゃダメなのに…」
「でも他の人のボディも触っちゃダメだし…」
「風華くんは私だけに可愛くしてなきゃダメだし…!」
小声でボソボソと呟いている舞。
「聞こえてるよ~」と教えてあげたいが…純粋で可愛いのでこのまま怒らせておきたい。風華には悪いがこのくらい怒ってる方が舞は可愛い。
「…と!とりあえず殴る!」
恥ずかしさもあるのだろう。リーダーは激おこになってしまってまた風華の胸ぐらを掴む。
風華は慌てて口を大きく開ける。
「それ以上やったら…君たち普通の暴力になるよ?捕まっちゃうよ?」
鼻にかかるイケメンヴォイス。
「は!颯さん!?」
颯だ。突然の颯だ。
どこからともなく現れたが颯だ。
このイケメンなフェイスは颯だ。
どっからどう見ても颯だ。
何も聞かなくてもこれは本物に違いない。
なぜなら舞の肩に手を回しているから。
「どうりで女の歓喜の声が聞こえると思ったら…颯お前だったのか!」
ゴン並みの衝撃を受けている勇。
実は風華と舞がいちゃいちゃ?している間に大半の女性が群衆から抜けて歓喜の声を上げていた。
もちろん超がつくほどの美少女だ。
颯の後ろに張り付く様にしている。ヤンキー漫画のケンカシーンみたいだ。
流石に勇も…遥真も嫉妬心が掻き立てられる。
しかし…ここは男として息を整えるだけにとどめてあげる。
「いやごめんごめん…」
「ちょっと友達を助けたくってさ…」
本当にこいつはイケメンでイケボで性格が良い。欠点と言えば自信がつきすぎていて口調が臭いことだけだ。口臭はめちゃめちゃいい匂い。
颯の言葉に颯の後ろにいた女どもは犬の様にちょこんと座る。…悔しい。
「な…なんだよ!正義のヒーロー気取りか?」
「確かに正義のヒーローになっちゃうかもしれないね…」
「…?」
「だって君たちが悪くならない様にわざわざ助けてあげにきたんだからね…?」
不穏な事を言う颯にリーダーは顔を曇らす。
「何言ってんだ!助けられるならあいつだろ!?」
「いや実はさ…俺監視カメラの映像を警備員の人から見せてもらって…こっそり録画したんだけどね…?」
颯はポケットからスマホを取り出し、慣れた手つきでパスワードを解くとスマホの画面をリーダーに見せる。
一度画面をタップすると映像が流れ始める。
その映像は…はっきり言ってなんの価値もないものだった。
ただ遥真が被害者の元へ走ってきて何かの凶器で斬りつける映像。目撃通りの映像だ。
何か変なものが写ってると身構えたリーダーは、緊張の糸が途切れて肩で息をする。
「な!何も変じゃねぇじゃんかよ!」
「頭おかしくなったのか!?」
その指摘に颯はドヤ顔を崩さないままだ。
もはや不気味に思える領域なドヤ顔だ。
「確かに…通常速度じゃ見えないよね」
「じょあ0.5倍にするよ」
スローになってもまた同じ映像が繰り返されるだけだ…。
そう思って見ていると画面に異常が現れる。
「え…?」
遥真が被害者の人を斬りつける。
…その直前遥真が一瞬別の何かに変わるのが見える…。
その部分で止めると赤黒いヘルメットに奇抜な黄色のファッション。
まさにコンダーだった。
「な…なんだよ!こんなの目の錯覚だろ!?」
「じゃあ遥真が刺したっていう証拠になる凶器を持ってきてほしい」
「…!」
「俺の予想だとこの映像に映ってる奴の腕の部分で斬ってると思うんだけど…どう?」
「へ!変身なんてあり得るわけがないだろ!」
「俺もそう思ってたんだけどね…」
「最近異常な事が起こりすぎてた信じざるを得ないんだよねぇ…」
「ば…バカみたいな事を…!」
「ま…っ!いいじゃん!もうストレス発散済んだんだし…」
「さっきから俺の後ろチラチラ見てるけど…好きな人にカッコつけるのも済んだよね?」
「…!」
颯は後ろを振り返る。
リーダーはさっきからずっとある美人の人を見ている。
日本人離れのスタイルに…韓国アイドルか?と勘違いしてしまうほどの顔面。なんだっけか…宮脇なんとかっていう人に似ている。ていうかあの人は日本人か。
「ま…俺はアイツらの方がカッコいいと思うけどね…正直」
「誰かのために怒ったり…誰かのために我慢したり…」
「まぁアイツらは正義の味方なんかじゃなくてただのクセの強い一般高校生なんだけどね?」
「…」
「それじゃあ行こうか!みんな!」
「す!凄いよ!颯くん!」
ハーフアップをぴょこぴょこと揺らす舞。圧倒的な可愛い。
「颯のことイケメンなだけの卑怯者だと思ってたごめん!」
両手を合わせて上目遣いをする玲那。美人だがこういう仕草で可愛さが追い越す。
「なんか舞ちゃむみたいだった」
「えぇ!?」
「ふっ…そうかな?」
舞と颯を囃し立てる杏。
颯を先頭にして女性全員はどこかへいく。
ここに残ったのは禿げが目立つおじさんや、下半身の毛も生えそろっていないような少年。
圧倒的に悲しい。
リーダーもそこに佇むだけだ。
「…俺ら今からカラオケ行くけど…一緒に行くか?」
呆然とするリーダーに優しく声をかける勇。
あまりにも優しな声にリーダーの目からは涙が落ちる。勇の後ろの遥真も風華も優しい顔をしていた。
「いいのか…?」
「うん…俺らも仲間だ…」
「ぐすん…ありがとう…」
祭りなどどうでも良くなった4人揃ってカラオケに行った。全員失恋ソングを歌いまくって…今日は90点を連発できた。
誰もスマホを弄る事なく背を伸ばしてそれぞれの歌声に揺れていた。
「ちょっと…トイレ…」
「俺も…」
「俺も…」
リーダーを除いた3人はトイレは駆け込む。
そして用をたしてトイレから出る。
「今日は俺が奢るよ!みんな大変な思いをしただろうしさ…」
「えぇ!ダメだよ!私颯くんに助けられたし!奢ってもらうなんてそんな!」
「舞ちゃむ!ここはおとなしく奢ってもらおうよ!」
「うぅ…じゃあ颯くんに甘えちゃうね?」
颯とあと女の子3人。杏に舞に玲那。
他の女の子はどこに行ったのだろうか。
トイレは受付の近くにあって、トイレから出るとどうしてもすれ違ってしまう。
影の薄い人ならささ~と抜ければバレないだろうが…。
身長の高く坊主で奇抜な遥真。
女の子の様に目立ち可愛い風華。しかもそれが男子トイレから出てくるんだから…バレてしまう。
困った3人は無い知恵を絞り…ある作戦に出る。
「颯って歌上手なの舞ちゃむ」
「すごい上手だよ!」
「へぇ~一緒にカラオケ来た事があるんだね」
「あ…ある…」
「水族館の帰りに行ったんだよね?舞」
「う…うん…」
人知れず1人で傷ついている風華。
4人は受付から角を曲がる。
そして目の前の景色に目を丸くする。
「な…なんで壁に張り付いてんの…勇たち」
「勇!隠れるの下手くそ!」
「いや!普通に考えて無謀だろ!」
「こ…こうなったら作戦Bだ!」
3人は壁から離れると何事もなかったかの様に歩き出す。しかもその方向は颯たちがいる方だ。
真顔で普通に通り抜けようとしている。
「えぇ?無視?」
「ちょっと!風華!」
だが残念なことに玲那が風華の腕を掴んだ。
風華は親指と人差し指を使って「C」を作る。
ついに作戦Cを遂行することになる!
「あ!お客様~何か御用でしょうかぁ?」
「いらっしゃいませ~」
「よいしょ!よいしょ!」
名付けて「バイト作戦」
服装が私服なこと以外あまりにも完璧な作戦!
これは誰にも見抜けない!
だがそれは1人の他人の少女…ではなく杏の声にやって儚く破れる事となる。
「あれ?3人バイトしてたっけ?」
「確か遥真は部活で忙しくて…」
「風華は一人暮らしだから家事が忙しくて…」
「勇は暇だけど…まぁバイトしてないと知ってるけど…」
勇は完全に失念していた。
杏と同じ家に暮らしているのを忘れてた。
土日も放課後も…真っ先に家に帰ってゲームをして…たまに一緒にゲームをするし…。
この作戦は初めから通る訳がなかったのだ。
「…」
「や!やぁ皆さん奇遇だね!」
「本日二度目だな!」
「お互い楽しもうゾ!」
「じゃあわたくし達はこれで…」
ナチュラルな「作戦D」への移行。
肩幅を小さくして歩き出すと颯が3人の前に立つ。
「ど…どうしたのです?」
「今週末三日間空いてる?」
今週は三連休だ。
「…空いてますけども」
「俺たち海に行くことになったんだけどさ」
「流石に俺とこの女子達だけじゃ人の目が気になるじゃん?」
「だから3人もどうかなって思ったんだけど…」
「バイトなら忙しいか!」
「ううん!忙しくない!行こう」
「うん!俺ら今バイト辞めたよ」
「じゃあ決まりだね」
勇たちはそれだけ言うとビュンッ!と走り去る。あまりの速さに颯たちの髪の毛は揺れる。
普通に帰って行った。
「ふ…風華くんも来るの?」
「舞は風華のこと嫌いなの?」
「風華くんなんて変態だから嫌いだし!」
「じゃあやっぱり風華はキャンセルしとく?」
「そ…それは風華くんが可哀想だからダメ!」
「じゃあ舞が行かないの?」
「ううん…!私も行く!」
「玲那ちゃんと杏ちゃんが風華くんにえっちなことされない様に…!舞お姉ちゃんが風華くんを見張ってないと…!」
やっぱり舞は天然で可愛い。
だがそれより可愛いのが1人いた。
「ゆ…勇も来るんだ…!」
「…ひ…ひ…人肌脱いじゃりますかー!」
水着になるんだから人肌脱ぐのは当たり前だ。
でも普段クールな杏がこうなるのは可愛い。夏の海というのは人を変えてしまう…。
ちなみに玲那は2人を見てニヤニヤしていた。
そして広いカラオケボックスにポツリと座る男。
この可哀想に単語単語で歌うのはリーダーだ。
「お待たせしやした〜チョコアイス四つでごぜ〜ま〜す」
ラーメン屋の店員の様な口調で、お盆に乗ったチョコのアイスを机の上に置く。
机の上にはその他にも4人分の飲み物、食べ終わっていないディナーメニューが無数に置いてある。
「あの人たち…トイレ長いなぁ…」
「ていうか会計どれくらいになるんだろうな…」
おそらく5000円は行っている。現在勇たちはカラオケの隣のゲームセンターで遊んでいる。それを知らないリーダーはそのアイスを食べる。
好きな女の子は颯に持っていかれ…カラオケ代と食事代を全部払わされ…暴力をしたと言っても一番の被害者は遥真ではなくて、リーダーなのかも知れない。
とある薄暗い部屋。梅雨明けで部屋が臭い。
「も…申し訳ありません!父様!」
威圧感のある目の前の男に土下座をするコンダー。
目の前の男は呆れた様な顔をしている。
「お前には呆れた…」
「で…!ですがあの男達…!」
「その話ではない…!」
口調を荒げず怒っている。
本当に怒っている時にしかやらない怒り方だ。
「一般人すら殺せないとは…驚いた」
「え!?ちゃんとグサって刺しましたよ!?」
「この右腕の刀で…」
「…私は本当に呆れた…」
「お前は右腕の刀で切ったと思っただろうが…」
「右の拳で殴ってからその刀でちょっと切っただけだぞ」
「う…嘘ですよね!?」
つまり右腕でバンッ!多分それで被害者の人は倒れた。そして右腕の刀がたまたま当たったんだ。
血が出ていたからみんな刺したと思ったんだろうが…紙で切れちゃったくらいの切れ方だ。
「まぁお前には呆れたが…」
「ちょうど良かった…一度地球からは手を引く」
「え!?」
「戦力を補強する…」
ちなみに被害者の人はびっくりして倒れただけらしい。
全治とかなく、普通に退院したみたいだ。
次は海だ!
舞と風華の恋愛を進めすぎたので、次は杏と勇の恋愛を進めなくては!
舞みたいなめんどうくさい女の子がタイプです。
次の投稿は22日(月)の予定




