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ANCIENT -無代譚-  作者: 美朱太
未開の少年たち
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32/40

6-6 ダンシンオドウテイ

  ビュンッッ!


右腕の金属が赤い光が放たれるッ!

それと同時に2人は飛び上がり、真下をその光が通り過ぎる。全速力のチーターが通り過ぎたかの様に早かった。

避けたはずの2人は空中で汗を流す…。

真下を通った光は電柱に当たった。普通のコンクリートと鉄筋でできている電柱だ。

どんな弾丸でもコンクリートは貫けない。

だがその光が当たった電柱は溶けていた。

 

溶けたコンクリートからはオレンジ色の液体が地面に流れ落ちている。アニメのハチミツの様だ。

 「お!おい!どうすんだよ!」

 「黙れ…今考えてるんだよ!」

 「勇…!お前歴戦の猛者なんだろ!?」

 「俺まともに戦うことの方が少ないんだよ…!」

思い返せばヴォア以外はまともに戦う事が少なかった。フロルも…蛇老も…いっつも相手と話しながら戦っていた気がする。

多分コントを見ている気分だったのだろう。

いやはや…1ヶ月ちょっと前の事なのに懐かしく感じてしまう。

 「と…とりあえず黒縄で時間稼ぎたい…!」

 「…左腕についた刀で切られるくね?」

 「…アイツ最強か?」

 「いいえ黒縄が弱いのですよ勇さん」

酷いことを言う遥真。

そんなこと言ったら黒縄が怒っちゃうぞ。

…と思っていたが黒縄は袖でプルプルと震えている。あの同胞千切りの遥真がそんなに怖いのだろうか。

 「も…もう殺しに行ってもいいか?」

 「あ…こいつは気にしなくていいゾ」

そうこうしていると遥真の元にコンダーが接近する。

その距離僅か数メートル。あれほどの距離があった距離をたった1秒で縮めていた…。

 「…ッ!」

動こうとする勇に襲いかかってくる殺気。

あの電柱をドロドロに溶かす光が発射された右腕の金属…いや銃口を向けられている。

動こうにも動けないこの状況…。

蛇に睨まれた蛙の様な状況だ。蛇も蛙も苦手なのだからとことん動けない。

 「くッ!来んなァァッ!」

戦闘経験が全くない遥真には流石に厳しい。相手は最強の能力(勇判定)なのだから仕方ない。

迫り来るコンダーに叫び散らかし逃げ惑うことしかできない遥真。

そんな遥真を追いかけるコンダー。

某海鮮系国民的アニメのOPの最後の映像を彷彿とさせる光景だ。

 「止まれぇぇッ!」

 「死にたくねぇぇッ!」

 「待てぇぇッ!」

もうコントをやっている様にしか見えない。

過去の戦闘の観覧者たちはずっとこのコントをみている気分だったのだろうか。

だがこっちから見ればふざけている様でも…本人たちは命のやり取りをしている。

第三者の目線から見ればあーしろ!こーしろ!トーシロ!などと口で簡単に言えるが、そんな単純なことじゃないんだろうなぁ…と思う。

そしてしばらく続いた遥真のコンダーの追いかけっこは突然終わりを迎える。

 「はぁ…はぁ…」

 「クソ…ここまでか…」

コンダーは刀を振り上げる…。

シールド越しに見えるコンダーは眉を中心に寄せていた。

遥真は行きたいという思いからか…玄武を纏った右腕を前に…左腕をその後ろに…クロス状態に組む。

遥真はあまりの恐怖に足が解れ…地面に尻餅をつく。

 「あ…こりゃマズイな…」

 「シネェェッ!」

 「ヒィィッ!」

コンダーが腕を振るうと同時…

地面を張っていた黒縄は地上に現れる。

Godzillaの様なあまりの迫力の登場シーンにコンダーも、遥真も驚きの表情を浮かべる。

 「ふっ…」

あまりの完璧なタイミングにドヤ顔をする。

危機一髪の神タイミング。これは遥真は一生感謝して足向けて寝れないだろう。


 スパン…ッ!


普通に黒縄が切られて地面に落ちる。

勇は全身から汗がダラッダラッ流れる。これは夏のせいだろうか。まぁ多分そうだろう。例年通りの例年より高温だし。

 「あぁーっ!!!」

遥真の叫び声が辺り一帯に響き渡る。

鳥は飛び立つ…木々は揺れる…。

そして金切音が空に響く。なぜだろう。

勇もコンダーも…そして遥真も驚いた顔をしている。一番驚いた顔をしているのは遥真だ。

なぜなら…普通なら刀によって切られてしまう右腕が、遥真の全身を守ってくれていたのだから…。しかもコンダーの刀は折れてしまっている。

遥真は理由を解明しようと頭の中を調べる。


---

能力説明サイト [四聖獣・玄武の強点]

その1,玄武は防御力が高く!攻撃力も高いぞ!だけど足が遅いのが難点だ!

どのくらいの防御力かと言うと、纏った部分に刃が通らないほど硬いぞ!あずき某くらいには硬い。

ちなみにマグマに耐えれるほどの耐熱性を持つぞ!

---


 「はっ…そうだったのか!」

刀の折れたコンダーは慌てて数メートル距離を取る。アワアワして折れちゃった刀をみている。そんな大事なものなのか悲しい顔をしている。

 「格差すごすぎないか…?俺は黒縄だぞ?」

 「俺なんて変身の能力だぞ?しかも変身するだけで変身した先の能力も記憶も使えないし…」

 「俺の黒縄だってちょっと愛嬌のあって固いだけのただの縄だぞ」

 「不公平だ!」

 「そうだそうだ!」

 「四聖獣ってあんま知らないけど…」

 「名前的にあと三体いるってことだろ?」

 「あっ!そうだな!玄武だけでも…普通の人の倍くらい強い能力なのに…」

盛り上がるコンダー。

 「い…いや!だけど玄武は体力の消費が早いって書いてあるぞ!?」

 「それだけじゃ釣り合わないよな勇さん…」

 「そうだよなぁコンダーさん」

初対面なのに初対面じゃない気がする。

これは能力が弱い者同士で共感できる部分が多いからだろうか。


いつの間にか2対1の構図ができていた。

コンダーも勇に向けていた銃口を遥真に向けて、ジリジリと遥真に向かって歩く。

 「は…はぁ…!」

遥真は助けを求めようと勇を見る。

だが…その勇の姿に遥真は絶望する。

 「へっへっへ…」

両腕の袖から黒縄を出して距離を詰めている勇。それはコンダーに向かっているわけではなく、腰を抜かしている遥真に向かって歩いてきていた。

 「お!思い出せよ!勇!俺ら仲間だろ!?」

 「この話には刺激が足らないんだよ…」

 「たまには裏切りがなきゃな…!」

 「それは作者の技量不足だろ!?」

 「お前の正義感は傷まないのか!?」

 「むしろ興奮してるな…」

 「おい!ヘルメット男!お前は風華を連れてこなきゃ父様ってやつに怒られるんだろ?」

 「俺と勇を殺して早く行った方がいいんじゃないか!?」

その言葉にコンダーは目を丸くして涙を流す。

自分の胸に深く刺さったのか胸を抑え、斜め下をみる。「死ぬほど転んで見つかる大切な宝物もある」とあの大物ミュージシャンのゆずも言っているが、コンダーの下にはアリさんトコトコで草。

 「ガップリヨッツ…ガッ…ガップリヨッツ…」

地球の言葉ではないのは確かだ。おばあちゃんが昔見てた相撲で聞いたことがある。…まぁ多分日本語ではないだろう。

そしてコンダーはガッ…と頭を上げる。

ヘルメットのサイズが合っていないのか少し揺れる。

 「目が覚めたッ!ありがとう!デカブツッ!」

シールド越しに見えたコンダーの顔は少年の様な笑みを浮かべていた。

父様って奴に褒められたい一心なのだろう。

 「俺の敵はお前らだ!」

 「あ…そっか結局俺は敵なのか…忘れてたゾ」

 「クソッ!俺を裏切るのかコンダー!」

 「能力格差で争っている暇はない…」

 「そう教えてくれたのは遥真だった…」

 「感動シーンぶってるけど…ただのカオスでしかないゾ?」

戦いの三角関係という名の地獄絵図。

それに決着をつけたコンダーは右腕についた鉄砲に息を吹きかける。

だけどヘルメットのシールドに防がれてヘルメット内には息が充満している。おっちょこちょいと言うのか…アホと言うのか…。

 「仕方ない…!遥真ッ!」

 「な!なんだ!ギリ味方…!」

 「俺らは一旦休戦だ…」

 「俺はどうもコンダーとは相性が悪い…」

 「なんか…こう攻撃したくないって感じがあるんだ…」

 「仲間意識まで芽生えてんのか…」

 「まぁでも黒縄を使ってどうにか隙を作るからその間に一発叩き込めッ!」

 「…適当だな」


 ビュンッッ!


遥真の目の前に赤い光が放たれ…第二ラウンドの火蓋は落とされた。鉄のカーテンが下ろされた。

遥真は飛び上がり、右腕を振り上げながらコンダーの元へ向かう。

勇はアスファルトの地面に手をつける。

 「アチ…アチチ…」

日光にさらされたアスファルトは暑すぎる。真夏の砂浜くらいに暑い。

コンダーは残像を残して消える。

 「…まずはお前だ…勇ッ!」

予想に反して勇の元へ向かってきたコンダー。


 ドォンッ!


遥真は誰よりもいない地面を殴っている。

ギャグアニメかと疑うほど手が真っ赤に腫れている。しかも玄武を纏った右腕ではなく、普通の状態の左腕で殴っている。

もしコンダーにあたってても意味ないだろw。


現実逃避をしてみても目の前に迫り来るコンダーを止められるわけがない。むしろもう、すぐそばまで走ってきている。

 「必殺…!木の根っこッ!」

コンダーの足元に弧を描いて地面から生える黒縄。堂々たる佇まい。


 チュドォンッ!


凄まじい音と共に勇の隣をカーリングストーンの様に通り過ぎていくコンダー。

どこまで行くのかと気になるが…たまたまあったチョコバナナの屋台にぶつかり止まる。

 「こ…ここにワックスを巻いたやつは誰だ…」

幸いコンダーの顔は傷一つついていない。

まぁヘルメットのシールドはズタボロになっていて、そのシールドの破片がどこへ行ったかという質問はNGだ。

ちょこまみれのコンダーは右腕の銃口を勇に向ける。

 「お…俺をここまで愚弄しやがって…」

 「そんなに死にてぇのか…?」

サイコパスな笑みを浮かべるコンダー。

ちなみにコンダーの素顔はちょっと可愛い顔をしていた。可愛いと言っても少年の様な感じで、女の子みたいな風華とはちょっと違った。

 「そ…そんな事して良いと思ってるのか!?」

 「知らねぇ…!俺を怒らせたのが悪いんだろぉ?」

ラノベのイキリ主人公の様なオーラを醸し出すコンダー。臭くて臭くてたまらない。

圧倒的絶望感に…コンダーの右腕の銃口はダブルバレルの様になっているのだと知る。昔ゲームで見たことがある。

 「ゆ…ッ!」

 「シネッ!」


 スポッ!


絶望の爆発音と共に放たれた黄色の光。

小人verの黄色い閃光が出てきたのかと思った。

 「…ッ!」

 「勇!避けろおォォッ!」

遥真の叫び声に…勇は答える事ができなかった…。放たれた光は無情にも勇の口に命中した。

 「勇…勇…」

 「あふぉ…あひょ…」

 「え?」

あまりの突然の別れに涙を流す遥真。

そしてモグモグとバナナを食べている勇。

困惑のあまり銃口を見るコンダー。

 「あ…あのちょこばなな屋のバナナ…?」

あの黄色い閃光の正体はチョコバナナになる前のバナナだったのだ!

おそらくちょこばなな屋に突撃した時にたまたま銃口に入って装填されたのだろう。

 「うーん…南極産?」

 「ま…真逆だろ」

味しらべ。可もなく不可もない普通のバナナ。

串が危ないだけのチョコバナナ以前のバナナ。

銃口から花束、蛇口からジュース的な物だが、あんまりバナナが好きじゃないので…。

 「なら次はお前だ…ッ!」

コンダーは残像だけを残して勇の前から消える。

 「…ッ!」

遥真は強烈に甘い匂いを感じ取った。

バレンタインデーの日の放課後に良く感じる匂い…。チョコの匂いだ。

バレンタインデーチョコだけは貰える遥真はこう言うのに敏感だった。

ちょこばなな屋さんに突撃したコンダーの体臭だ。

 「…死…死にたくねぇッ!」

遥真は生きたいという一心から体を縮める。大型ショッピングモールで迷子になった子供の様だ。

だがこんなの抵抗ですらない。

なんでも立ち向かわなければ死あるのみだ。


 ゴツンッ!


変な金属がぶつかる音が響き渡る。


 ちゅどんっ!


 「あげひぃ…」

情けない声が下から聞こえてくる。

怖くて目が開けられなかったが…恐る恐る目を開ける。

 「あ…あひょぉ…」

アニメの様にぴよぴよとひよこが頭の上を回っている。ヘルメットがすっ飛んで、地面に頭が減り込んでいる。可哀想なコンダー。

おそらく遥真が頭を下げた時にちょうどぶつかったんだろう。

しかし威力70の技で一撃で持っていくとは…遥真の努力値調整が気になる。

しかも遥真のおでこには玄武は宿っていない。

元々のスペックでここまで協力なんだから恐ろしい。


 「い…いたぁい!」

顔に似合わずに女の子の様な声を出す遥真。

風華の事をリスペクトしているのだろうか?

そして女の子の様な走り方で勇の元へ走って向かってくる。デカブツの女の子走り。

 「ひぃ…!」

 「こっちに来るなぁッ!」

海辺のビーチの様な青春。

まぁこれがデカブツに追いかけられていなければ青春に見えるが…。

倒れるコンダーを置いて2人は自然にみんなの待つ公園へと向かう。

こっち書くのが楽しくなっちゃったので、しばらくこれ書きます。6-7は19日です。

土曜は仕事なので、日曜は投稿できまへん

今日エロ漫画を買った。

yeah!スモーキン・ビリー

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