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ANCIENT -無代譚-  作者: 美朱太
未開の少年たち
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29/40

6-3 揺れる想い

待ちに待った祭りがついに始まる。

そう思っていた矢先…

 「相変わらず舞は可愛いね…浴衣も似合ってるよ」

 「俺のために着付けてきてくれたのかい?」

 「大好きだよ…舞」

このクッセェクッセェセリフ。

こんなの言えるのはありきたりなラノベ主人公かモテモテな颯だけだ…。まぁあとは"ロングバケーション"のキムタクや…"HERO"のキムタク…。キム沢山。もうたくさんだ。

アスファルトの地面に膝を突き…舞の小さな手を握る。服装が和なだけでプリンセスとプリンスの様にしか見えない。

颯はあんなクサイセリフを言ったのに恥ずかしく無いのだろうか…?べっとり張り付いたドヤ顔を見せる。

それに対して舞は困った表情。

颯の目に映ればそんな表情さえも照れた表情に変わることだろう。颯は都合の良く変換できる。

 「え…えと…」

 「うんゆっくりで良いよ…」

 「俺の気持ちは…ずっと舞に寄り添っているから…ね?」

クサイクサすぎる。

颯がこんなにキザになってしまうのは…周りにも原因がある。…颯自身8割回り2割くらいの割合で回りも悪い。

なぜなら周りの女子の反応は「かっこいい!」やら「ロマンチスト〜!」など好意的なものだらけだ。

しかもそれを言う女子は浴衣姿が良く似合う美人たちで勇は嫉妬心を募らせる。

まぁ一つ耐えれたのは杏や玲那、舞がドン引きしてくれていたことだ。誰がなんと言おうが人は外見より中身なのだ。

 「おい待てよ!」

この声は外見10点、内面マイナス点。…通称遥真だ。こいつがモテないのは説明がつく。

遥真もチヤホヤされる颯に嫉妬していたのだ!

遥真は颯の手を掴み、力づくでそのまま立たせる。顔も近いている。颯も身長が高いが遥真は高校二年生して身長190cmを超えている…。

 「おいおい…お前はイケメンのくせに人が迷惑だと思っている気持ちが分からないのか?」

 「…?どうゆうことだい?」

 「そのまんま…舞が迷惑だと思ってるってことだよ!」

遥真…お前っていい奴だな…と思う様な言動。

だが実際には舞の顔をチラチラ見ている。完全に舞の顔色を伺って好感度を狙いに行っている。

 「はるまくんやさしいぃ…!」

どうやら遥真の下心に舞は気づいていない様だ。女子小学生の様な滑舌で両手を握り合わせる。

まるで遥真の事を神様だと思っているような尊敬な眼差しで遥真を見つめている。

そんな大層な人間では無いと言うのに…。

 「舞…こんな口うるさい男といるより…俺と恋の打ち上げ花火を打ち上げないかい?」

 「え…?」

 「いやいや!颯より俺と…夏のロンドン橋を渡らないかい?」

意味わからな過ぎるし不安すぎる。

普段からクサイセリフを練習しないとこんなにも差ができてしまうのだろうか。

あんな尊敬の顔をしていた舞も若干引いてる。

面白くもなくて困った笑みを見せている。

 「はいは〜い喧嘩終わり」

全身を使って歪み合う二人の間に入る玲那。

いい匂いに誘われて二人の顔は一気に玲那に向く。誰でもそうだ。

 「今日舞は私たちと一緒に回る予定だったんだぞ〜?」

 「ねぇ〜舞〜?」

舞のほっぺを自分のほっぺに近づける玲那。

流石に映えてしまう。冬場のCMを全部これにすれば良いのに…。下手な女優よりも何倍もかわいい。

 「うん…今日は玲那ちゃんと杏ちゃんと回る」

 「だから二人とも…ごめんね?」

やっぱり舞は天然であざとい。


そうして舞は玲那と手を繋いで祭りへ行く。

遥真と颯はどうするのか…と確認しようとするが、舞の後ろを守護霊の様について行っていた。

呆れた笑いしか出てこない。

その後ろを杏と二人でついていく。

 「流石舞ちゃむ…モテモテだねぇ〜」

 「別に舞だけモテてる訳じゃないだろ…?」

辺りを見渡すと杏をチラチラ見る男ども。

風華も颯も遥真もみんな舞に好意を寄せている様だが、それは高校生の枠だけの話。

一歩外に踏み出してみればまた新しい景色が見えてくることもある。杏がその例だ。

高校ではNo.2のモテ度の杏だが街中を歩くだけでみんなの視線が自然と寄ってくる。

舞は地方のはちゃめちゃに可愛いアイドル。

杏は人気なモデルみたいな雰囲気がある。

もちろん地方のアイドルが天下を取る例もある。舞は天下を取るタイプのアイドルだ。

人気は違うかも知らないが杏はしっかりと地盤の固められたファンがいるモデルだ。

 「流石ウチ…やっぱり綺麗過ぎるのかしら?」

 「なんてね!」

自分で言って恥ずかしくなったのかこちらを見る杏。口を閉めながら笑っている。

今まで見たことのない杏の笑みに自然と顔が赤くなってしまう。

この表情をずっと誰にも見せたくないと…正直な感想が込み上げる。

 「そ!そんなことより!わたしあれ食べたい!」

杏はあまり人の並んでない屋台を指さす。

あれは数年前に一世を風靡したチーズハットグ!実はまだ一回も食べたことがない。

外国かぶれの勇からしたら「アメリカンドッグで良くね?w」となっている。実際にこれが流行っていた時期に勇はそう言っていた。その頃は誰にも合わせない自分をかっこいいと思っていた時期(厨二病)だからしょうがない。


数分並ぶとその商品は手に入る。

流石に流行りが終わったらこんなものだ。

 「ねぇ!勇のやつちょっとデカくない!?」

 「交換する?」

 「い…いや!今ダイエット中だから!」

 「昨日コンビニで買ったおやつとか爆食いしてたのにか…?」

 「あれはチートデイ!そして今日も明日もチートデイ!」

 「別に太ってないのに…」

 「えっ!?やっぱり?」

 「じゃあいただきまーす!」

杏も都合がいい。

杏は勢いよくそれに齧り付き膨れた頬を撫でる。優しい恐竜みたいだ。すごい笑顔。

 「んんひ〜!」

 「じゃあ俺も…」

杏に負けじと勇もそれに齧り付く。

リスの様な頬に思わず顔を合わせて笑う。

 「ケチャッフふいてるよー!」

 「え?まぢ…?」

杏は手提げバックからティッシュを取り出すと、勇の右頬についたケチャップを拭き取る。

それを笑いながら勇に見せてそれに釣られてゲラゲラと笑う。

そして勇は空を見上げる。

今日の空が一番好きと言ってしまえる僕は…。

今日は過ごしやすい。雲が散らばる晴れの空。

そこに風華の顔を思い浮かべる…。

 「ごめん…風華…俺幸せすぎる…」

 「え?なんて言った?」

 「え…いや」

 「最近大変な事ばっかだったからこうゆう日もありだなぁって…」

 「…そうだね」

 「怖い思いさせちゃたな…」

 「ううん…!」

杏は大きく首を振る。

 「ウチは…怖い思いなんてしてないよ」

 「…勇からも…風華からも…舞ちゃむからも…」

 「ずっと勇気を貰いっぱなしだよ…!」

 「…ウチがちっぽけに見えちゃうぞ!もうっ!」

 「お…俺も杏がいるから…頑張れてるところもあるし…!そんな人と見比べもんじゃないぞ!」

 「ふ…ふふっ!」

流石にありふれすぎて笑われたのかもしれない。

…だが杏はグッ…と顔を近づけてくる。

キスくらい簡単にできそうなくらい近い。

 「嬉しい…!ありがとうっ!」

鏡がないからよくわからない…。

だが今頃自分の顔は噴火した火山の様に真っ赤になっている事だろう。頭からつま先までの強烈な恋心。

目の前の少し揺れる低めのお団子が愛らしい。

…徐々に顔が近づいていく。これは生理現象なのだろう。

だが杏の顔は突然目の前から消える…。

 「あっ!ていうか玲那どこまで行ったんだろうね!」

 「人がいすぎて分からないな…」

人混みができていて前なんてほとんど見えない。全盛期のフジロックに来ている様な気分だ。

…ていうか杏に顔を近づけている顔を見られたと考えたら恥ずかしい。多分すごくブサイクだった。

 「まぁっ!歩いてたらどうせすぐ見つかるか!」

 「ウチを慰めてくれた褒美に勇殿には何か奢ってあげましょう〜」

 「え!?いいのか?」

 「いいよ!」

 「あっ!けど他の人たちには内緒だぞ〜?」

 「勇とウチの二人の秘密だよっ?」

 「わ!分かってる…!」

また天を仰ぐ。

 「風華ごめん…やっぱ今俺幸せだ…」

 「え?」

 

その頃玲那たちは少し先のキャラクター型のカステラ屋に並んでいた。

子供から大人まで全ての年代に人気な"ヨシえもん"だ。本名"成美芳恵(なるみよしえ")が旅するアニメだ。

 「このカステラ屋さん人気なんだねっ!」

 「いっぱい並んでるもんっ」

 「舞がいるからみんな並んでるんだよ?」

 「じゃなきゃこんな寂れた屋台に人は来ないだろ」

 「悔しいが遥真と同意見」

 「あはは…そっか…」

同意見とか言っているが舞の後ろでは、バチボコの殴り合いが行われている。

舞と玲那はできるだけ他人のフリをする。

まぁ…あんな騒がしいのに無視するのは逆に怪しいと言うのは黙っておこう。

そうこうしているうちに目当ての商品が手に入るとベンチに横並びになって座る。

もちろん舞の両隣には遥真と颯がいる。

 「舞?」

 「何っ?」

 「あーん」

驚いた拍子にカステラを入れられる舞。

舞のお口は玉入れの道具じゃないぞ!っと怒りたい気分を抑えよう…。もぐもぐする舞が可愛い。

 「ちょ!ずるいゾッ!」

 「舞あーん!」

負けじと遥真も舞の口にカステラを突っ込む。

その数は2個。合計3個のキャラカステラが入った舞のお口はパンパンになっている。

舞はいっぱい食べれるが口はちっちゃいタイプなのだ。

 「コラっ!あんたたち!舞が可哀想でしょ!」

 「わふぁわふぁわふぁ…」

 「大丈夫舞?水飲む…?」

 「わふぉ?わふぉわふぉ!」

犬の様だ何を言っているのか分からない。ただかわいいと言うことだけがわかる。

玲那はバックの中を探すが次第に顔が曇ってくる。それとともに颯はゲスな笑みを浮かべる。

 「玲那水なかったんでしょ?」

 「…ふっ…私はそんな失態を犯すに決まってるでしょ?水買って来て!」

 「はいはい…俺が奢ってあげるよ」

 「まじ神〜!」

 「でも流石にこのカステラの袋持っていくのは恥ずかしいから玲那持っておいて」

 「もし食べたかったら食べてもいいよ」

 「えっ!?まじ〜?感謝〜!」

口調と語彙力がギャルなJKだ。

 「あ…!そうだ…流石に四人分も持ってこれないから…舞のこと借りてもいい?」

 「当たり前でしょ〜?颯様〜ん!」

 「舞…頼まれてくれなぁい?」

 「わんっ!」

口に詰め込まれたカステラがまだある様だ。

舞は颯に手を引かれて人混みの中に消えていく。

 「案外気が効くね颯って…」

 「って!舞も行かせたんだった!?どうする遥真…?」

 「って遥真もいないですけど!?」

残されたのは大量に入っているカステラの袋。

合計したら100個近くはあるだろう。

 「うへぇ〜ん!みんな酷いんだけどぉ…」

 「…舞ちゃっかり大サイズにしてるだけどぉ」


連れていかれた舞はその頃…

 「舞に近づくなよッ!」

 「お前もなッ!」

追いついた遥真と颯に挟まれながら祭りを歩いていた。文字通り肩身が狭い舞。身長差が30cm近くあってちっちゃな舞ちゃんがさらにちっちゃく見える。

 「あの…飲み物買うところならもっと近くにあった気がしたんだけどぉ…?」

 「いいのいいの…とりあえずこのデカブツ追い払うから歩くスピード上げるよ」

 「え…えぇっと…」

舞は何か言いたそうだったが…颯の勢いに負ける。そうして辿り着いた先は一番最初の公演だった。

結局遥真は振り切れず…三人ともゼェゼェと息を落とす。

 「ま…まだついてきてんのか…」

 「当たり前だ…ッ!」

 「…行くよッ!舞ッ!」

颯は舞の手を強く引っ張る。

 「痛っ…!」

舞は背中を丸めて地面に膝をつく。

その姿を見た颯と遥真は同じ様に膝をつく。

 「ごめんね…靴擦れしちゃったみたい…」

舞は浴衣に似合うピンクの紐の下駄を履いていた。

舞が抑える足の親指と人差し指の間は赤黒く血が流れている。相当我慢していたのだろう。ピンクの紐に血が移っている。

 「大丈夫…?」

 「大丈夫なわけないだろ!颯が舞を連れ回すせいでッ!」

 「遥真がついてくるせいだろ!」

痛がる舞を他所に、立ち上がって胸ぐらの掴み合いの喧嘩をする男二人。

言い争う二人に声をかけることもできない舞。

痛みに悶えて少しの涙を流すだけだ。

 「まずお前が舞を連れて行こうとするからッ!」

 「良いじゃん!舞も嬉しがってただろ!?」

眉をピクピクと動かす舞。


 ヒュッ…


なぜか体が浮き上がり、長い髪といい匂いが鼻先に触れる。靴擦れで死んでしまったのかとも思った!!

しかし次の瞬間には小さな背中に覆い被さる様にしておんぶされていた。

舞は慌ててその背中から降りようとする…だがその人物の力は思った以上に強い。

 「へ!絶対に変なことしませんッ!」

背中姿だけで女の人だと思っていたが、声で気づいたこの人は男の人だと。

そして徐々に恥ずかしくなってくる。

なぜなら自分のお胸が殿方の背中に当たって潰れてしまっているからだ!

 「うぅごめんなさい…」

 「足の傷痛いだろうから少し手当をするだけです!変なことしません!」

この妙に落ち着く声と、慌てると語尾が上がる喋り方。そんな人物、舞の知っている中で一人しか存在しなかった。

舞は少しニヤけながらその背中に右頬をつける。

そうして手洗い場が近くにあるベンチに舞は座らせられる。お人形さんの様に従順だ。

綺麗な水でその傷口を洗い…バッグから絆創膏を取り出し指と指の間に貼り付け…この間わずか1分。

あまりの手際の良さに舞は目を丸くする。

 「すごい早い…!」

 「君と同じくらいの小さな女の子がさっきも怪我してて…同じ様に手当したから慣れたみたいです!」

 「さっきもって…!私もう17歳だよっ!」

 「えぇ!?9歳くらいじゃ…!」

その人物は顔を上げる…。

舞の顔は怒っているのと恥ずかしがっているのが半々の顔をしていた。いやちょっと怒っている方が強かった。

 「え…えと舞さん…」

もちろんその人物は風華だった。

そうして風華の額からは汗がダラダラと流れていた。舞の可愛いお顔が怖いのだろうか。

 「むぅ…!舞ってそんなに子供っぽいの?」

 「いや…そんなことない」

 「むぅ!9歳って小学三年生じゃん!」

 「もう舞怒ったモン!ぷんぷんだもん!」

 「ごめんなさい…」

なぜだろう。

舞に嫌われたくない自分と、このプンプンと言っている舞をみたい自分がいる。

頬に空気を溜めて怒るのは解釈一致すぎる。

…だが次第にその空気も口から無くなり、蕩けるほどの笑みを浮かべる。

 「えへへー!ひっかかったー?」

 「え!えっと…うん…」

 「ぷふ〜!舞の演技上手いな〜!将来は女優さんになれちゃうかも!」

女優にはなれそうな顔をしているが、多分子役になると思う。

 「て!ていうかいいの…?」

 「えぇ?何がぁ?」

また笑いそうなのか少し語尾がふにゃけてる。

そうしてまたいつものキョトンとあざと顔。今度からは"あざ顔"と名付けよう。

 「お…俺のこと嫌いで話しかけてこなかったんじゃないの?」

 「えぇ!?なんでよっ!舞風華くん嫌いじゃないよ!」

 「風華くん優しいし…たまにカッコいいから嫌いじゃない!」

 「で…でもさっき…俺と目があった時すぐ背けたから…」

 「そ!それはね!それはね!」

はっきり言って自分でも良くわからない。

別にやましい事があったわけでもやらしいことがあるわけでもないが、理由が思いつかない。

…だが何故か印象に残った会話を思い出す。

 「だってね!風華くん玲那ちゃん達に勉強教えてもらってるんでしょ!?」

 「そ…そうだけど…」

 「それで舞怒っちゃったの!」

 「舞こう見えても学年でも勉強できる方だよ!?この前のテストは学年一位だったもん!」

ちなみに風華は10位だ。下から数えて10位だ。

 「舞面倒臭い性格だからねっ?仲良い友達に聞かれなくてぷんぷんだったのっ!」

 「で…でも俺…舞さんの連絡先知らない…」

 「あっ!あ〜そっかぁ…」

舞は手提げバックからスマホを取り出す。

下を向くとほっぺがぷにっとなる。

 「じゃあ今交換しちゃおっか!」

 「い…いいの?」

 「もちろんっ!」

 「舞勉強出来ちゃうから風華くんが分からないところいつでも教えてあげるねっ!」

 「普通の通話でも…あのあとそのビデオ通話でも良いよ…?」

初めて見た上目遣いだ。破壊力が違いすぎる。

 「あっ!でもねでもね!」

 「日を跨いじゃうとパパに怒られちゃうから19時から24時のうちだったらいつでもいいよっ!」

 「休みの日は友達と遊びに行く日以外は基本的にいつでもいいけど…」

 「色々準備しなきゃいけないから早めに連絡してほしい!」

 「舞さんの迷惑にならないかなぁ…」

 「いいのいいの!舞と風華くんは友達だもんっ!」

 「舞さんッ!ありがとうッ!」

風華の満面な笑みを目の当たりにした舞。

少し視線を落として目をパチクリしたりする。

 「舞さん?」

 「あっ…!」

思い出したかの様に手提げバッグからスマホを取り出し、アプリを開きQRコードを見せる。

舞のアイコンはにゃんこだ。解釈一致すぎる。

そして風華もスマホを開きカメラモードにする。

そして読み取ろうとスマホを近づける。

大したことじゃないのに…風華からしたらキスをするくらいの事で手が震えている。

 「キャーッ!」

読み取る直前…

祭りの中心地で叫び声が響き渡る。

 「な…なんの声だ…?」

 「こ…怖いね…」

 「舞さん…!」

 「ひゃい!」

 「何があるか分からないから…ここから動かないでね…!」

 「え…?」

風華はスマホをポケットにしまう。

そしてその叫び声がした場所へ走り出す。

足が痛いので追いかけることもできない舞。

ひとりぼっちの舞は体育座りになり呟く。

 「むぅ…風華くん嫌いになっちゃうもん…!」

 「舞も怖いんだもん…女の子だもん…!」

 「守って欲しいもん…!」

舞が好き。

もっと誰かに読まれたい

次の投稿は今週日曜日どす

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