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異世界子供ヤクザ:無名のバクト  作者: 忍絵 奉公


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43/44

第43話 銅貨二枚のケジメ


 五番街。

 サルゲッツ男爵邸。


 応接室。

 高級。

 赤い絨毯。

 無駄に大きい絵画。

 キラキラした壺。

 座る。

 サルゲッツ男爵。

 そして。

 奥さん。

 圧強い。


 向かい。

 バクト。

 ワイザ。

 二人。

 目が据わってる。

「……サルゲッツさんよ」

 低い声。

「はいぃ……」

「勝手に守代値上げしたんだってな?」

 サルゲッツ。

 汗だらだら。

 だが。

 奥さん。

 割って入る。

「私たち男爵家も!」

「あなた達の後ろ盾として見てるんですよ!?」

「当たり前でしょう!!」

 怒鳴る。

 召使たち。

 ビクッ。


 しかし。

 バクト。

「……は?」

 一言。

 空気冷える。

「いつ」

「俺らがあんたらの威光借りた?」

「借りた覚えねぇぞ」

 奥さん。

「なっ……!」

「大体な」

 バクト。

 前のめり。

「お前は一応」

「曲がりなりにも」

「この街の領主として顔立ててやってんだ」

「勝手に値上げしたら」

「俺たちの顔に泥塗ってるのと同じだろ」

 ドス効いてる。

「お前」

「俺たちと喧嘩したいのか?」

 凄む。


 サルゲッツ。

 ブルブル。

「い、いやその……」

 完全に怯える。

 しかし。

 奥さん。

 鼻息荒い。

「喧嘩ぁ!?」

「あんたたち!」

「私たちがいるお陰で飯食えてるんでしょ!?」

 シン。

 静寂。


「……ほぉ」

 バクト。

 急に落ち着く。

「話にならんな」

 逆に怖い。


 その時。

 召使。

 震えながらお茶を出す。

 バクト。

 茶を飲む。

 ズズッ。

 ゆっくり。

 静か。

 皆。

 逆に怖い。


 そして。

 ドンッ!!

 茶碗。

 思い切り。

 高級テーブルへ叩きつける。

 バキィッ!!

 茶碗砕ける。

 テーブル割れる。

「ひぃっ!!」

 召使悲鳴。


「お前ら」

「次も勝手に銅貨一枚を値上げしてみろよ」

「その度胸があるならな」

 立ち上がる。

 ついでに。

 椅子を。

 後ろ足で。

 ドゴォッ!!

 蹴飛ばす。

 高級椅子。

 吹っ飛ぶ。

 後ろの扉へ直撃。

 ベキャッ!!

 扉。

 穴開く。


「行くぞワイザ」

「ウイ!」

 ワイザ。

 扉開ける。

 バキッ。

「あ」

「取れちまった」

 蝶番ごと外れた。

「壊れてんなこのドア」

 そう言って。

 扉。

 後ろへ投げる。

 ガシャァァン!!

 窓ガラス突き破って。

 外へ落下。


 最後。

「ん?」

 ワイザ。

「めまいが……」

 フラッ。

 近くの柱へ寄りかかる。

 しかし。

 ワイザ。

 怪力。

 ミシッ。

 バキバキッ!!

 柱。

 折れる。

「……あ」

 屋敷。

 揺れる。

 召使絶叫。

 サルゲッツ。

 白目。

 ワイザ。

 柱見て。

「……やっちった」

 バクト。

 ニヤッ。

「高くつくぜ」

「毎回な」

 二人。

 ニヤニヤしながら帰っていった。

 その後。

 バクト。

 無名の金から。

 自腹。

 住民へ返金開始。


「悪かったな」

「銅貨二枚返す」

「値上げはしてない」

「これからもしない」

 一軒一軒。

 頭を下げる。


 住民たち。

 驚く。

「え?」

「わざわざ返しに?」

「そんな事まで……」

「普通ヤクザが返金なんかするか?」

「……無名って本当に変だな」

 噂。

 さらに広がる。


 一方。

 サルゲッツ男爵邸。

 屋敷半壊。

 奥さん。

 泣きながら絶叫。

「なんなのよあいつらぁぁ!!」

 サルゲッツ。

 小声。

「だから言ったじゃないかぁ……」

 そして。

 平手打ちされた。



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