第42話 守代泥棒
ポロン。
五歳。
成長していた。
「アニキー!」
朝。
飛びつく。
バクト。
「ぐぇ」
勢い強い。
だが。
頭を撫でる。
「よしよし」
すると。
ポロン。
目キラキラ。
「やる気出た!」
単純。
かわいい。
そして。
“創”のギフト。
かなり判明してきた。
両手の平サイズなら。
大体の物を創造可能。
蝋燭。
ボール。
子供用サンダル。
小物。
便利グッズ。
しかも品質そこそこ。
「これ売れるぞ」
カリナ。
雑貨屋へ持っていく。
結果。
普通に売れた。
「今日の売上!」
ポロン。
銅貨ジャラジャラ。
「十枚!」
ドヤ顔。
「すげぇじゃん」
ワイザ感心。
ヒャッポも少し驚く。
バクト。
「働き者だな」
頭撫で。
ポロン超笑顔。
完全にアニキ依存だった。
そして。
七月。
守代集金日。
バクト。
ワイザ。
二人で街を歩く。
平和。
最近。
五・六番街はかなり治安が良くなっていた。
無名。
怖い。
それが広まったからだ。
その時。
「でもよぉ」
「五番街だけ守代値上げしたんだってな」
ピタッ。
バクト止まる。
「……あ?」
聞き捨てならない。
振り向く。
「おい」
「あ、バクト兄さん」
話してた男。
ちょっと焦る。
「今言った事」
「どういう事だ?」
「え?」
「いや」
「つい先日サルゲッツ男爵が来てさ」
「守代値上げしたって」
ワイザ。
「は?」
「今まで銅貨一枚だったのに」
「三枚になったってよ」
「まぁ安いから払ったけどな」
シン。
数秒。
無言。
そして。
「……サルゲッツめ」
バクト。
ブチ切れ。
額に青筋。
ワイザも湯気出そうな顔。
「待ってろ」
バクト。
男へ銅貨二枚返す。
「え?」
「いやいいよ」
「銅貨二枚くらい」
「やるよ」
「そうもいかん」
真顔。
「これは約束の問題だ」
珍しく。
本気で怒っていた。
「行くぞワイザ」
「おう」
二人。
ズカズカ歩く。
完全に怒ってる。
頭から湯気出てそうだった。
一方。
サルゲッツ男爵邸。
「いやぁ」
「これで少し楽になりますねぇ」
ニヤニヤ。
金貨数える。
奥さん。
「あなたやれば出来るじゃない」
褒められる。
嬉しそう。
その時。
ドンッ!!
屋敷の扉。
「ひぃっ!?」
執事飛び上がる。
さらに。
ドンドンドン!!
「サルゲッツ出てこぉい!!」
怒声。
バクト。
「守代泥棒ぉぉ!!」
ワイザ。
怒鳴る。
屋敷。
震える。
サルゲッツ。
真っ青。
「……え?」
奥さんも固まる。
窓の外。
般若みたいな顔したバクトとワイザが立っていた。




