第40話 背爆の陣
旧ガンリュウ邸。
夜。
完全包囲。
周囲を埋め尽くす男たち。
イーダン派。
レクトン派。
合わせて三百。
松明。
刀。
槍。
鉄棒。
笑い声。
殺気。
まるで戦場だった。
屋敷門前。
イーダンがニヤつく。
「おーい」
「ガボルドぉ」
「出てこいよ弱虫」
周囲。
爆笑。
「親父泣いてるぞー!」
「脳筋ぅ!」
「屋敷に隠れてんのかぁ!」
挑発。
極道として。
これ以上ない侮辱。
屋敷内。
静かだった。
ガボルド。
立つ。
組員百名。
全員。
覚悟の顔。
逃げない。
「……いいか」
ガボルドが低く言う。
背中。
裸。
そこへ。
魔法陣。
刺青。
中心。
埋め込まれる。
オレンジ色の魔石。
爆発石。
組員たち。
歯を食いしばる。
「これはな」
ガボルド。
皆を見る。
「命が消えた時」
「爆発する仕組みだ」
シン。
「てめぇら」
「覚悟は出来てるか!!」
「おう!!」
百人。
怒号。
屋敷が震える。
「背爆の陣だ」
ガボルド。
刀を抜く。
「行くぞ」
門。
開く。
ギィィ。
外。
三百人。
待ち構えていた。
「出て来たな」
レクトン。
巨大な身体。
ニヤつく。
「子虫が」
そして。
後方から。
手を上げる。
「やれ」
瞬間。
「うおおおおお!!」
三百人突撃。
地鳴り。
激突。
ドガァ!!
血。
怒号。
金属音。
ガボルド。
一歩踏み込む。
斬る。
ドシュ!!
一人。
返す。
ドガッ!!
二人目。
三人目。
まとめて斬り飛ばす。
「化け物か!?」
だが。
数。
横から。
ザシュ!!
「ぐっ……!」
肩。
斬られる。
その瞬間。
ガボルド組員。
横入り。
「お頭ァ!!」
敵を斬殺。
だが。
次々。
押し寄せる。
乱戦。
もう誰が誰かわからない。
そして。
最初。
「ぐあぁぁ!!」
一人倒れる。
次の瞬間。
背中。
魔石。
発光。
「……?」
敵味方。
一瞬止まる。
そして。
ボムッ!!!
爆発。
肉。
骨。
血。
吹き飛ぶ。
「なっ――!?」
さらに。
隣の組員も巻き込まれ死亡。
そして。
そいつも。
ボムッ!!
「ぎゃああ!!」
連鎖。
爆発。
爆発。
爆発。
地獄。
文字通り。
血の雨。
腕。
内臓。
頭。
飛ぶ。
三百人。
パニック。
「なんだこれぇ!!」
「逃げろ!!」
「狂ってる!!」
その中を。
ガボルドだけが進む。
振り返らない。
目標。
イーダン。
レクトン。
後方。
イーダン。
「な、なんだ……」
レクトン。
「何が起きて――」
怯む。
その瞬間。
ガボルド。
突撃。
「おおおおお!!」
ドシュ!!
刀。
イーダン腹部へ突き刺さる。
「ガハッ!!」
血。
だが。
イーダンも笑う。
「死ねぇ!!」
小刀。
ガボルド腹へ。
ザクッ!!
刺さる。
だが。
ガボルド。
止まらない。
「……親父の代紋を」
刀。
腹の中で回す。
「舐めるなぁぁぁ!!」
グチャ。
イーダン。
白目。
崩れる。
死亡。
ガボルド。
刀を引き抜く。
フラつく。
全身血まみれ。
それでも。
前へ。
レクトンを見る。
レクトン。
恐怖していた。
「バケモン……!」
だが。
逃げない。
ドスを握る。
「うおおお!!」
突撃。
ガボルド。
受ける。
そして。
抱き着く。
「っ!?」
「離せ!!」
ガボルド。
離さない。
血まみれ。
笑っていた。
「……ガンリュウの親父」
「すまねぇ」
「組は……解散だ」
背中。
魔石。
光る。
レクトン絶叫。
「やめ――」
ボォォォム!!!!!
静寂。
旧ガンリュウ邸。
崩壊。
燃える。
煙。
死体。
誰も動かない。
無言竜。
完全消滅。




