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異世界子供ヤクザ:無名のバクト  作者: 忍絵 奉公


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第37話 無言竜内戦


「……そうかよ」

 ガボルドの声。

 低い。

 怒りを押し殺していた。

 大広間。

 一触即発。

 今にも斬り合いになりそうだった。

 イーダンは肩をすくめる。

「別に今ここでやる気はねぇ」

「だがな」

 笑う。

「お前について行く気もねぇ」

 レクトンも立ち上がる。

 巨体。

「そういう事だ」

「儂らは儂らで勝手にやらせてもらう」

 完全な離反宣言。

 周囲がザワつく。

「てめぇら……!」

 ガボルド側若衆。

 刀へ手。

 だが。

 ガボルドが止めた。

「抜くな」

 静か。

 逆に怖い。

 イーダンはニヤついた。

「怖い顔すんな」

「まだ親父の初七日だぜ?」

 挑発。

 そして。

 そのまま退出。

 レクトン派も続く。

 ドカドカ。

 大人数が去る。

 広間。

 静寂。

 ガボルドは歯を食いしばっていた。

 古参幹部が呟く。

「……終わったな」

 もう。

 無言竜は一つじゃない。

     

 その夜。

 ガボルド。

 動く。

「先に潰す」

 武闘派。

 迷いなし。

「イーダンからやる」

     

 三番街。

 スナック。

 深夜。

 笑い声。

 酒。

 女。

 イーダン幹部。

 お気に入りの店。

「今日は荒れるなぁ」

 笑っていた。

 その時。

 バン!!

 扉が吹き飛ぶ。

「っ!?」

 入って来た。

 ガボルド。

 そして若衆。

「やれ」

 一言。

「殺せぇ!!」

 地獄。

 悲鳴。

 護衛若衆が立ち上がる。

 だが遅い。

 ドシュ!!

 刀。

 肩から腹まで裂ける。

「ぎゃああ!!」

 さらに。

 ドガッ!!

 瓶。

 顔面粉砕。

 イーダン幹部。

 逃げようとする。

 ガボルド。

 無言で接近。

 刀。

 振り下ろす。

 ゴシャッ!!

 血飛沫。

 数分後。

 店内。

 死体だらけ。

 女たちは震えていた。

 ガボルドは血まみれのまま言う。

「次はイーダンだ」

     

 翌日。

 報復。

 イーダン。

 早かった。

     

 六番街。

 深夜警備。

 ガボルド若衆三人。

「最近やべぇな」

「あぁ」

「抗争始まるぞこれ」

 その時。

 後ろ。

 ザッ。

「ん?」

 袋。

 バサッ!!

「うおっ!?」

「な、なんだ!?」

 頭へ被せられる。

 さらに。

 鈍器。

 ゴッ!!

「ぐぁっ!」

 三人とも。

 拉致。

     

 翌朝。

 街外れ。

 死体発見。

 惨殺。

 指。

 耳。

 切断。

 周囲が凍りついた。

「……イーダンだ」

 誰もが理解した。

     

 さらに。

 レクトン。

 参戦。

     

 五番街。

 床屋。

 準幹部。

 護衛五人。

「短く頼む」

 椅子へ座る。

 その瞬間。

 カチャ。

「……?」

 扉。

 鍵。

 外から。

「おい?」

 違和感。

 次。

 ジャバジャバ。

「……油?」

 床。

 壁。

 撒かれる。

「おい!!」

 護衛が叫ぶ。

 外。

 笑い声。

「じゃあな」

 短い松明。

 ポイ。

 ボッ!!

 一瞬。

 炎。

「ぎゃあああ!!」

 地獄。

 扉は開かない。

 窓も外から封鎖。

 床屋店主も巻き添え。

 レクトンの鉄砲玉も。

 一緒に焼け死んだ。

 逃がさないためだった。

     

 王都。

 震える。

 無言竜。

 内戦。

 もう。

 誰にも止められなかった。


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