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異世界子供ヤクザ:無名のバクト  作者: 忍絵 奉公


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33/48

第33話 交差点の罠


「待てぇぇぇ!!」

 東地区に怒号が響く。

 チェリーパイ。

 若衆二十人ほど。

 全力追跡。

「殺せぇ!!」

「ゴキブリ野郎!!」

 バクトたちは爆走していた。

「うわー!」

 カリナが笑っている。

「めちゃくちゃ怒ってる!」

「当たり前だ!」

 ワイザが振り返る。

 かなり迫っていた。

 だが。

 バクトはニヤつく。

「ワイザ」

「あ?」

「これ持て」

 異空間収納から。

 黒いロープ。

 端を投げる。

 ワイザが受け取る。

「……また嫌な顔してるな」

「いいから来い」


 数秒後。

 見通しの悪い交差点。

 細道。

 壁。

 絶妙。

「ここだ」

 バクトとワイザ。

 左右へ分かれる。

 ロープ。

 ピン。

 首の高さ。

「カリナ、ヒャッポ」

「おう!」

「逃げるフリしろ!」

 二人が先へ走る。

 わざと遅め。

「いたぞ!!」

 チェリーパイ若衆。

 突撃。

 怒りで前しか見えてない。

 そして。

 ヒュン。

 グエッ!!

 一人目。

 首へロープ。

 勢いそのまま。

 後頭部から。

 ドゴォ!!

「ぎゃっ!?」

 二人目。

 グギッ!!

 三人目。

 ゴシャ!!

 止まらない。

「うお!?」

「なっ!?」

「ぐぇっ!!」

 次々。

 引っかかる。

 後頭部。

 顔面。

 肩。

 派手に転倒。

 完全に将棋倒し。

「いまだ!」

 カリナ。

 戻ってくる。

「うりゃー!!」

 倒れた男の顔面へ蹴り。

「ぎゃっ!」

 ヒャッポ。

 無言。

 だが容赦なし。

 ドゴッ。

 腹へ。

 ワイザも加わる。

「おらぁ!!」

 踏む。

 蹴る。

 転がす。

 バクトも参戦。

「はいはいはい!」

 顔面連打。

 足で頭ボコボコ。

「な、なんだこいつら!!」

「ガキだぞ!?」

 完全混乱。

 地獄。

     

 後方。

 二人だけ。

 異変に気づいた。

「……待て」

「なんかおかしくねぇか?」

 一人は止まる。

 もう一人。

 青ざめる。

「無理だ!!」

 逃走。

「お、おい!」

 一人残された。

 どうする。

 助ける?

 逃げる?

 迷う。

 すると。

 気づく。

 囲まれていた。

 ワイザ。

 ヒャッポ。

 カリナ。

 三方向。

「……っ」

 冷や汗。

「やべ」

 後ろを向く。

 逃げようとした。

 その瞬間。

 そこにいた。

 バクト。

 静か。

 半分先の無い壊れた竹光。

 腰。

 手をかける。

 スゥ……

 居合の構え。

 男の顔色が消える。

「ひっ……」

 周囲も静かになった。

 バクトが低く言う。

「死ね」

 シュッ!!

 風。

 一閃。

 男は悲鳴を上げながら。

 腰を抜かした。

「ぎゃあああ!!」

 そして。

 失禁。

 ドサッ。

 そのまま気絶。

 静寂。

 カリナが吹き出す。

「刀の先、ないじゃん!」

「ハッタリ成功」

 バクトが笑う。

 ワイザが転がる連中を見る。

「これどうする?」

 ヒャッポ。

 一言。

「……花」

 全員。

「あぁ」

 意見一致だった。


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