亜奏高校の七不思議 小倉 のん (17)
「亜奏高校の七不思議〜」
精錬された、不気味な声を部室内に響かせる。
「私達、オカルト研究部の記念すべき最初の捜索!気合い入れていくぞー」
「「おー」」
この捜索を新聞にでも載せて貰えれば、オカルト研究部がようやく日の目を浴びるとあって、部員全6名には気合いが入っていた。
「では、また夜に集合な!」
・・・
「..どうなってんだよ」
「さっき連絡あったけど、4人は全員休みだって」
「それで来れたのは私とのんちゃんだけ...」
「まぁここで時間を無駄にするのもなんだし、私たちだけで調査しちゃおう?」
流石はのんちゃん、こんな状況でも全く動じてない。
ーーこれ上手くいかなきゃ、本気で廃部になるかもだし、とにかくやるしかない...
「ねぇねぇ 本当に行くの?」
『のんさんが行くと言っているのですから、当たり前でしょう』
ーーうるさいな、コイツら....だが今回は頼まねば
「ねぇ、貴方達」
「なに?」 『なんですか?』
「起こしてよ」
「『なにを?』」
「...七不思議」
・・・
「ちょっと怖いね」
「ソーダネ コワイネ」
「.....どうしたの、のんちゃん?」
ーー さ〜始まって参りました。七不思議なり代わり作戦。あの妖精と神が他の人から見えない事を利用して、怪奇現象を起こして貰おうという事です!
「最初の不思議って、なんだっけ?」
でも、この一匹と一柱の存在はバレたくない。勿論、友人の三ノ宮にも。私は精一杯の笑顔で話したい。
「え...えっとね、蠢めく制服のマネキンだよ」
うん、改めて聞いても、うちの七不思議は何かずれている。動く人体模型じゃないのかよ。
蠢めくってなんだよ。なんでマイナーな方の人型なんだよ。
「ごっめーん、すっかり忘れてた!」
言いたい気持ちを抑えて、バレないように笑顔で応える。
「のんちゃん...そんなキャラだっけ..」
・・・
「この部屋で蠢めいてるらしいんだけど..」
「お邪魔しまーす、」
「ちょ!? のんちゃん!? まだ心の準備が」
事前にあれ共には、七個の不思議を伝え、用意してもらっている。
「え...のんちゃんあれ」
うわ、扉を開けると、物置の様な部屋で沢山のマネキンがうねうねしている。 ちょっと想像と違うけど...
「チャンス 三ノ宮、カメラ!...って!?」
あいつ...逃げやがった。
『あら、お友達逃げてしまいましたね』
「まぁ確かにちょっとキモかったからね。どうやったら、あんな動きできんの?」
「まぁ シャワーの妖精ですし」
『シャワーヘッドの神ですし』
ーーシャワーとヘッドすげ〜
「まぁ次に期待って事で」
・・・
「の、のんちゃん!?大丈夫だったの?」
「まぁ なんとか?」
「よかった、てっきりあの大量のマネキンに抑え込まれた後、人形化させられてマネキンの一体になっちゃったんじゃって、心配してんたんだよ」
「結構グロいこと考えてたのね」
・・・
「次は、作品作りする、美術室の彫刻だよ」
「なんていうか、よくあれ見た後で続行できるね。三ノ宮」
私としても、写真撮れて無かったから嬉しいんだけど
「いや、なんかのんちゃんでも逃げられたなら、いけるかなって」
すごい舐められてた。
「今日は4がつく日だから版画を作ってるはず」
「職人気質なんだね」
「?」
「いこう...」
がらっと扉を開けた。
「え...」 「ひっ」
そこには、版画を作りながら、縄跳びを食べ、ハハハハと笑い、タップダンスを踊っている二本足のうさぎが居た。
「ぎゃーあれは!"作品作りする美術室の彫刻"と"縄食いジジイ"に"笑う顔だけさん"、"死のタップダンサー"と"歩くうさぎ"!? いやーーーーーーーーーー」
三ノ宮は完璧なフォームで廊下を走っていった。
.....なんでよ
「なんでよ なんで一気にやっちゃうのよ!?映画版の戦隊シリーズかなんかなの!?」
「いや〜?この下位互換が、面倒いから一気にやっちゃおうって言い出して、」
『ちょっと!? 私は良いかもしれませんね。と言っただけで、』
「....帰ろう」
・・・
校庭に出ると、三ノ宮が校門で立っているのが見えた。
「! のんちゃん!?あの化け物は!?」
「あっ...え...となんとかなった」
「えっ!?」
あの時、三ノ宮は写真を撮ってから逃げていたらしく、 翌日最強の高校生として私の名前が学校新聞に載った。
ちなみに七番目は、校歌の歌詞がダサいことらしい。
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